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4.5 魔法と剣について


 魔法すらもケツから出すという深き業を背負った俺であったが、調査に丸1日使ったおかげで魔剣と魔法について、いくつか判明した事があった。


 まず魔剣について。


 騎士団の爺さん――エリオス王国騎士団長であるジャック爺さんに結盟魔剣グラムシリブリンガーをケツから引き抜いてもらった後、訓練場で試し斬りを行った。

 

 魔剣は素人の俺が木製の案山子へ振り下ろしただけで、バターのように一刀両断出来るほどの切れ味。


 さらにめっちゃ硬い。


 凄く硬い金属で有名だというアダマンタイトの塊にガンガンと叩きつけても刃こぼれは一切無く、アダマンタイトの塊に剣が食い込むほど。


 さらに纏っている赤いオーラ。


 あれは俺が握っている時だけ発生し、他人が剣を握ると赤いオーラは霧散してただの硬くて重い剣になる。


 身体能力が上がった(この世界の子供と同等くらい)ただのサラリーマンの俺がブンブンと軽々しく振れるにも拘らず、今までケツから引き抜いてもらうのを手伝ってくれた王様や爺さんが「重い」と感想を零していたのが気にはなっていた。


 その理由は英雄専用武器である結盟魔剣グラムシリブリンガーは英雄専用と言われるように、俺以外の者が使おうとすると著しくスペックが落ちるようだ。


 仮説を立てた後で何人かに試してもらった結果、俺が握っている時だけ出る赤いオーラが鋭い切れ味と武器の重さを軽減する魔法による補助効果というのが解った。


 ただ重く硬いならそれだけでも武器になり得るだろうが切れ味も全く無くなる。


 武人として熟練の騎士代表格と有名な騎士団長のジャック爺さんが使ったとしても、木の板すら両断できなくなる程だ。


 勿論、木の板であればジャック爺さんが振るっても粉砕は出来る。だが、斬れない。斬れないんじゃ剣じゃなく、鈍器と言うべきだろう。


 これについては聖剣が魔剣に変わっても、エリオス王国に召喚された歴代英雄が産み出した専用武器と同様の効果と判明。

 

「英雄殿専用ですからな。先代の英雄殿の使う剣もそうでした。召喚陣を通った際に何か制約を付与されているのでしょう。この部分は変わらないようですな」


 と、先代英雄を知っている騎士団長ジャック爺さんが言っていた。


 知っていたなら教えてくれよって思ったが、俺の産み出した魔剣は先代英雄が産み出した武器とは見た目がかけ離れているので検証するまでは断言できなかったそうな。


 さらに、今までエリオス王国に召喚された歴代の英雄が産み出した英雄専用の武器は見た目も能力も同一の白い長剣で、俺の剣のように真っ黒で赤いオーラなんてモノを纏ったりはしていなかったと語る。


 信じたくは無かったが今回から剣の見た目や能力が変わったという事は、やはり俺のケツが剣を魔改造してしまったようだ。


「でも、他者と絆を結ぶと剣がパワーアップするらしいですが、先代も同じだったんですか?」


「いや、そんな能力は無かったと思いますが……?」


 ――紡ぐ絆によって剣の強さが増す。

 

 こちらは今までの歴代英雄の武器には無かった能力らしく、魔剣となったグラムシリブリンガーの特別感を引き立てている。

 

 そもそも絆って何よって話だ。


 そのままの意味ならば、他者と親友と呼び合えるくらい仲良くなった人の数だけ強化されるのだろうか? 


 挨拶する程度の友達100人作るんじゃなくてズッ友10人作れって事かな?


 まぁ、異世界に来てまだ2日の俺には、知り合いと呼べる人さえ片手で数えられるくらいしかいないので現状では検証できない。


 俺が剣に備わる他の能力を伝える前に、剣については今後ゆっくり調べましょうって事になってしまった。


 剣の調査もそこそこに、次は俺とジャック爺さんによる剣の模擬戦。


 模擬戦といっても、俺の剣術適正やレベルを調べるという事なのだが。当然、俺は剣術なんて元の世界でも習ってない。


 素人も素人。騎士達から見れば、チンパンジーが棒きれを振り回している程度にしか見えないだろう。


「素人すぎる」


「ざっこwwww」


 と、まぁ、こんな感想が聞こえる次第。


 なんでも歴代英雄は剣術が得意だったり、魔法が得意だったりと何かしら戦闘に役立つ才能を持っている人達だったそうで。


 俺はただの元サラリーマン。無茶を言うなって話だ。


「剣術については訓練で学んでいきましょう。なに、焦る事はありません」


 体力が無さすぎてゼェゼェと息切れする俺に、ジャック爺さんの優しさが染みる。



 続いて魔法。

 

 全属性ケツから出るよ?

 

「うーん。威力は初級魔法で普通の人の1.5倍はありますね。全属性扱えて威力も優れているのは本当にスゴイですよ。見た目はアレですけど」


 と、黒いフード付きのケープを羽織った男性――宮廷魔導師のケインさんは、俺に備わった魔法の才能を在籍する宮廷魔導師と比較してもかなり優秀だと評価した。


 だが立った状態じゃ火魔法を撃った時のように、地面に当たって自分に被害が出てしまう。


 だからケツを的に向かって撃つしかないのだが……。ケツを向ければ、当然見守る騎士達と顔を合わせてる態勢になるわけで。


 俺が魔法を撃つ度にぷるぷる震える皆さんと、威力に目を見張るアリアちゃんとケインさんを見ると何とも言えない気持ちになる。


 攻撃魔法として使えそうな初級魔法は、当たると爆発する火属性魔法の火炎弾、的を切り裂く風属性のカマイタチだけだった。


 日常使いに便利なのは水魔法と土魔法。


 水の初級魔法はシンプルに水が出る。量も調節できそうだし、飲めそうな感じがする。


 他には小さな水の玉を撃ち出すくらい。攻撃としては微妙な気がするなぁ。


 しかし、水の無い場所で使用して飲み水にするなど旅の時には便利だろう。ケツから水が出るのでビジュアルはヤバイけど。


 土魔法は任意の高さまで土壁を作ったり、穴を作ったり出来る。あとは小粒の土ダンゴを発射できるくらい。


 アニメのようにめちゃくちゃ大きな土やら岩の塊を飛ばしたり等の威力が高い攻撃魔法は中級魔法かららしい。


 しかし、これは俺にとって最高の魔法だろう。壁と穴をいつでも作れる。それは最悪の状況でも簡易トイレをどこでも作れるという事だ。


 土を固めて簡易的なちゃぶ台も作れるのでアウトドアには必須の魔法だ。しかし、後ろを向きながら目標位置を見なければいけないので首が痛い。


 闇魔法の初級は黒い霧がケツからちょっとだけ出て俺の周囲に漂った。


 相手の目を覆って目くらましに……と思ったが思ったように霧を動かせなかった。匂いは無い。


 光魔法? ケツが光った。夏の風物詩になれる。


 そう、俺はホタルだ。


読んで下さりありがとうございます。

本日分はこれで終了です。

明日からは1日1話夕方~夜辺りに毎日投稿します。

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