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第二話:「始まる前のふた時

蒼疾「いやぁ、やっぱり人選間違えたんで今回は別の人を………」校長「うむ、妥当な線であるといっておこう、天川君」蒼疾「………確実に人選ミスだな……」校長「む?今何か………」蒼疾「いってないです」校長「そうか、それならいいんじゃ………次回、フェアリーブレイヴ第三話!『あの日の約束!』こうご期待!」蒼疾「……どうせ、また題名変わるんだろうな」

第二話

「始まる前のふた時」

 さて、鍵が開いていた。

 なんだ、これは?

 冷静に考えてみてちょっとだけ思い当たる………勿論、普遍的なことに。

「ああ、母さんか父さんが一時的に帰ってきたのかな?」

 そんなときに携帯が鳴り出す。相手は母さんだった。

『あ、もしもし?午後九時の定期連絡だけはきちんとしておくのよ?』

「俺、もう帰ってきたよ」

『そうなの?じゃあ母さんと父さんはいつもの通りかえってこないからね』

『美月ちゃん愛してるよ………』

『もう、とうさんったら………』

「…………」

 さっさと電話を消して………というより、電池がなくなったので再び玄関の扉を開けようとしてみる。普通にドアノブはまわってしまった。幻覚でもなんでもなく、現実だ。

「いやいやいやいや!これは、これはどういうことなんだ?俺が鍵をかけ忘れた?」

 そう思ってみるが俺は完全に鍵をかけた。勿論、確認までしていて。冗談で携帯のムービーまで録ってしまったのだ。すぐに確認してみるが『ロックしま〜す』というふざけた声入りも覚えがある。

 ドロボウが入ったのだろうか?だが、既に取られた後なら警察に報告すればいいだけであってとりあえず、中に入ろう?な?俺。


がたんっ!!


「…………」

 家の内部から音が鳴り響く。なんだ、今のは?

「………ああ、ポルターガイストかぁ………びっくりさせやがって」

 勝手に家具が動いて音を立てちゃったのか♪もう♪なんていたずら好きなお化けさんなんだろう?

 ふと、何か頭の中に浮かび上がる。

 それは昨日のことだ……たまたま父さんにあってこういわれた。

「実はなぁ、ふと思って夜遅くに霊が見えるやつを連れてきたんだ」

「え?何で?」

「なんとなくだ……」

 ごくりとつばを一度飲み込んで思ったことを聞いてみる。なんだか嫌な汗が流れているような気がした。

「その話、ホラー?」

 そういった瞬間、いつもの調子に戻った父さんはあっけらかんとして言ったのだ。

「いや、この家にはお化けなんていないといわれたなぁ」

「なんだ、脅かさないでよ」

 そりゃそうだ、俺の家でこれまで幽霊いたとかこの家が元危険な場所だったとかそういった類の話は一度も聴いたことがない。

「………つまり、つまりはさっきの音は………」

 つまり、ポルターガイストとかじゃありませんね、うん。

 じゃ、あの音は何だ?ドロボウか?おいおいおいおい!………ドロボウなんて勝てないぞ、俺。ここはやはり、警察を………あ、携帯の電池は切れてたんだっけ?

 電話を求めたいのなら………怖いのだが、玄関のところに電話はあるのでドアノブをまわせばすぐ見える……そのときはもしかしたらドロボウさんとこんにちは、はじめまして、さようなら、どすっ、ぎゃーってな感じになりそうでめちゃめちゃ怖いのだが………

「…………」

 覚悟を決めてドアノブを………ひねってみることに………しなかった。

「こういうのは覚悟が必要だよね」

 決めた挙句にもう一度躊躇し、その行為を3セットぐらい繰り返してバクバクなる心臓を押さえるために胸に手を置こう。えーと、落ち着かせる呪文は………

「ポマードポマードポマード………ありゃ?」

 ふと、違うような気がしたのだが………まぁ、いいだろう。

 充分落ち着いたのを確認してから俺はついにドアノブに手をかける。死ぬ前に言いたいことを決めておこう。

「…………大津地七海さん!一度でいいから死ぬ前に話したかった!!」

 そういって俺はドアノブを回した。


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