最終回:「ええ、終わりですよ終わり」
蒼疾「今回で本当に終わりですよ」伊万里「なぜですか?」蒼疾「そりゃあ、まぁ、色々と問題があるとかないとか」伊万里「実際のところは?」蒼疾「秘密です」
第十四話
いつもの朝のHR。
教師、天川蒼疾が教室にはいってきていきなり教壇をたたいた。
「ど、どうしたんですか?」
「今回で最終回っ!」
「え?」
「いえ、何でもありませんから気にしないでください」
クラス中がシーンとなったが、それでもお構いなしに天川蒼疾は出席を取り始める。
「足利伊万里さん」
「はい」
「……そうですね、今日はもうちょっと踏み込んだ出席を取りたいと思います」
いきなりの発言でクラス中が再びシーンとなった。
「踏み込んだ出席って何ですか?」
篠原岬が最近めっきり姿を見なくなった舞錐好を見ながらそんなことを言う。
「えっとですね、まずは舞錐好さんを例としてやってみましょう」
「やっと出番が来た……」
こほんと、ひとつせきをしてから天川蒼疾は出席簿を開ける。
「舞錐好さん」
「はい」
「………今日は何時に起きましたか?」
「え?えっと……七時」
「朝食、着替え、洗顔、歯磨きをどういった順番でして言ったか言ってください」
「う〜んと、まずは朝起きてから顔洗って朝食くってから歯磨いて着替えて、髪の毛セットして……」
「朝食のメニューは?」
「牛乳とパンだけ」
「学校に到着したのは?」
「ええっと……」
どのくらいだったけとつぶやいてからしゃべる。
「八時四十分位?」
「…まぁ、ざっとこんなところでしょうか?」
パタンと出席簿を閉じてからそんなことを言う。生徒のみんながなんだか引いていた。
「おや、どうしたんですか?」
「あの、先生それってかなりプライベートなことですよね?」
篠原岬がそういうが、蒼疾は首を振る。
「プライベートというのはそれこそ人には言えないようなことです。ああ、なんだかストーカーさんが知りたがるようなことですが安心して下さい。先生、あなたたちに愛とか恋とか胸きゅんとかそういったことは一切起こしませんから。まず、魅力を感じません」
「ひどい!」
「ひどいものですか、魅力を感じるようなことをしてみたらどうですか?」
「よ、よぉし、それならわたしの本気を見せてあげますから!」
そういって篠原岬が立ち上がって彼女が言う、魅力的なポーズを取ってみる。
「どうです?どきっとしたでしょ?」
「ひきます」
「そんなにはっきり言わなくても!」
「じゃ、じゃあ次は私が!」
そういって手を上げたのは足利伊万里だった。人気のある彼女はクラスの中からがんばれ〜という声援がついていたりする。
「せ、先生!一緒に昼食を食べましょう!」
そういって頭を下げるがみんながシーンとなっている。
「あれ?」
「……がんばりは認めます。なんだか痛いポーズの篠原さんより上でしょう」
「そんなぁっ〜」
そういって篠原岬の頭の上に手を置く。
「まぁ、無謀なことをしなくていいですから、それに、最近は物騒ですからね……そのようなポーズはあまり人様に見せてはいけませんよ」
「うぅ、先生がやれっていったじゃないですか!」
「言ってません。やったのはそちらです」
「ひどい」
「ひどくないです」
そんな言い争いが続いていたが、天川蒼疾は適度なところで切り上げる。
「ああ、ひとつ言い忘れていたんですが、今回の話で終わりですよ」
「え?」
「だから、今回で終わりです。いやぁ、思えば長い長い道のりでした。富士山を三回ぐらい登頂した気分です」
「ほ、本当ですか!?」
「ええ、本当ですよ」
「あいまいに終わらせる……これこそ真骨頂です……ところで、これって読み方しんこっちょうですよね?まこっちょうじゃないですよね?」
「どうでもいいことですよ!」
「それはよくないことですよ。最近はきちんと読み方も……」
「そ、それよりどういったオチにするんですか?」
不適に笑って天川蒼疾は一枚の紙を取り出した。
『これで終わりです』
「……あの、先生これってマジですか?」
「ええ、マジですよ、篠原さん」
「し、しんじられませんよぅ」
「信じてくれなくて結構ですが、これで終わりです」
「読んでくださっている方に失礼では?」
「おや、香椎さんですか……」
香椎民の指摘に少し悩んでから天川蒼疾はこういった。
「……いいですか、この世界には読まれていない小説と読まれている小説の二種類が存在しており、4以下は切り捨ての世界、5以上は切り上げの世界なんですよ。4と5の間には絶対に越えられない壁が存在するものなのです」
「つまり、この小説は前者であると?」
「そこはあなたのご想像にお任せしますよ」
「……」
「さて、これで終わりです」
〜終〜
さて、マジで終わりです。応援してくれている人には申し訳ない………たとえそれが少なくとも!感想、評価とかお待ちしていますんでよろしくお願いします。




