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第十一話:「転校生がやってきました」

蒼疾「めっきり出番が少なくなったと思う人物を私は知っていますよ」好「だれそれ?」蒼疾「わかっているのにそんなことを言っているんですね。先生、涙が出そうですよ」好「はぁ?」蒼疾「読者の方々もめっきり会わなくなった友人とかにたまには電話をかけてみたらどうでしょうか?」好「ちなみに作者は電話がつながったと思ったらきられ…………」蒼疾「それはあまりにも酷ですから」

第十一話

「はい、では今日は転校生がやってきたという事実を皆さんに教えたいと思います。どうか、仲良しごっこはやめてください。上っ面の友情ほど醜いものはありませんから」

 笑う事無くそんなことを言ってのける蒼疾にクラス一同がため息をついていたりする。

「相変わらずひねくれてますね。けど、約束守ってくれてうれしいですよ」

 篠原岬が懐中時計を蒼疾へと見せびらかせながらそんなことを言う。

「いちいち他人に見せびらかさなくて結構です、それともちろん、私は約束は忘れません」

「一生大事にしますよ」

「……そうですか、その懐中時計も喜ぶことでしょう」

「先生の誕生日にも何かお返しをしておきましょうか?」

「そうですか?それなら……」

 そこへ足利伊万里が手を上げて発言する。

「……先生、転校生の人が廊下で待っているんじゃないんですか?」

「ああ、そうでしたね、すみません少々話が脱線してしまったようです」

 入ってきてくださいという言葉とともに扉が開いて一人の男子生徒が着る学ランをきた生徒が入ってきた。

「お、男!?」

「……」

 全員が驚いているなか、その生徒は教壇まで歩いてくると頭を下げた。

「俺の名前は香椎民。よろしくな」

 にかっと笑うその白い歯がかっこいい生徒だった。クラスの数人がざわつく。

―――――――

「ふむ、これはすばらしい生徒が来ましたね」

 休み時間になったのだがいまだにクラスに残っていた蒼疾は女子生徒の中央にいる香椎民を見ていた。

 そんな蒼疾の元に三人の生徒がやってきた。

「大丈夫ですよ、先生、わ、私は先生一筋ですから」

「先生、貰い手がいなかったら私がもらってあげようか♪」

「……最近さ、なんだかあたしの扱いひどくない?」

 足利伊万里、篠原岬、名前を忘れかけそうな誰かの三人だった。

「先生は残念ながらそこまで落ちぶれてはいません」

「そう?」

「そうだよ、先生はそこまで落ちぶれてないよ!」

「……若干落ちぶれているって聞こえますね」

 そんな蒼疾ににこっと笑って篠原岬が近づく。

「けど、内心じゃこれまで女子生徒に囲まれて生活してたけどこれからはあの男子生徒が中央になっていくから残念かもよ?」

「そういうことは本人の前では言わないように」

「は〜い」

「大体、篠原さんは男を見る目がなさすぎですね」

 そういってため息をついたのでむっとする。

「何でですか?あの男子生徒顔も性格もいいほうですよ?少なくとも先生よりは」

「私の評価を下すのはかまいませんが、あの方は男ではなく女子生徒です」

「……へ?」

 仰天といった感じで間抜けな声が発せられる。

「息子を所有していないと私は断言できますよ?」

「先生、そういったことを言うと非難されます……でも、あれって中世的な美男子で私はいけるとおもいますけど?」

 いまだに納得のいっていない様子を見て蒼疾は口を開く。

「じゃ、今から篠原さんが確かめに言ってみればいいじゃないですか……背後から息子をわしづかみ」

「……できるわけないじゃないですか!」

「そうですか、まぁ、私の言ったことは事実です。ここでぬいでくれって頼んで見たらどうですか?」

「でも、先生の言うことも信じられるけどなぁ」

 足利伊万里はそういう。

「信じる、信じないはあなた方の勝手です」

 そういった蒼疾の元へ転校生である香椎民がやってくる。

「先生、俺ってかっこいい?」

「ええ、かっこいいですよ」

「……?」

 足利伊万里は首をかしげた。いきなり来てこの人は何を言っているんだと思ったのだ。

「じゃ、先生俺と付き合ってよ」

「な!?」

 クラス中の生徒がそんな声を出した。もちろん、蒼疾の近くにいた足利伊万里、篠原岬、名前を忘れかけそうな……誰だっけ?も驚いている。

 香椎君ってそっち系なんだ?とかそういった声が聞こえてくる。

「俺さ、すでに転校生ってことで女子生徒の心ほとんど掌握しちゃったんだよねぇ♪」

「まぁ、女子生徒しかこの学校にはいませんからね」

「あとは……」

 びしっと蒼疾へ人差し指を向けた。

「何です?」

「先生の心をゲットすればコンプリート♪」

「まぁ、あいにく私の心をゲットしたところでコンプリートではないでしょうが……」

「先生落とせばあとはらくだから」

「なるほど、難しいところからクリアするのがお好きなんですね?」

 なんだか火花が散っているようで白熱していた。

「ですが、残念ながら私は女子生徒の相手をしてあげるほど暇ではありません」

「そ、そうです!蒼疾先生はそんなに暇じゃないんですよ!」

「そうよそうよ」

 足利伊万里と篠原岬が前に出てくる。

「大体、私は子供っぽい女の子は好きじゃありません」

「そ、そんな……俺って子供っぽい?」

 すでに心をゲットしていた女子生徒に尋ねてみるが全員が首を振った。

「ほら、子供っぽくないっていってるぜ?」

 鼻でふんと笑って蒼疾は続ける。

「それはクラスの皆さんの考えでしょう?私にとって悪ぶったりかっこいいとかたずねてくるようながきはあくまでがきです。それ以上でも以下でもあったりなかったりします」

「どっちですか?」

「なかったりするほうが可能性大ですね。87パーセントぐらいですか?」

「微妙……」

「とにかくっ!!」

 教壇をばんとたたいて蒼疾は断言した。

「あなたが男子制服をきるならきるで別にかまいませんが、火遊びは適度にしておかないと先生みたいに命の危険にさらされますよ?」

「え?」

 クラス中が一瞬固まったが香椎民はため息をついた。

「はぁ、でも女子制服ってこの学校の女子を全員征服してから着ようと思ってたんだけどなぁ」

「そんな親父ギャグはどうでもいいです。わかるかどうかわかりませんからね……はい、みなさんさっさと次の授業をしておくように。香椎さんは女の子ですからそちらが好みだという人はお付き合いを申し出てくださいね。それでは先生は失礼させてもらいます」

 それだけ言って蒼疾は出て行ったのだった。


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