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第十四話 蒼い弓編第二話:「蒼い

蒼疾「………次回フェアリーブレイヴ第444444話!『蒼空を穿つもの』お楽しみに」奈々枝「ちょっとどうしたのよ?元気ないわよ?」蒼疾「いいんだ、どうせ俺なんて……」奈々枝「まったく………次回、フェアリーブレイヴ第十五話 蒼い弓編第三話『蒼い弓』よろしくね!」蒼疾「どうせ俺なんて……」

第十四話 蒼い弓編第二話:

「蒼い」

 本日木曜日……一時間目の休み時間、二時間目の休み時間、三時間目の休み時間、四時間目の休み時間、昼休み、五時間目の休み時間、そして掃除の時間……その間中、七海とナナスフィアはお互いに言い合いを続けていた。

「はぁ……はぁ……」

「ぜぇ……ぜぇ……」

 よくもまぁ、そんなに続くものだ。すでに途中から観客たちも飽きてきたのか二人の周りに人がいなくなっていた。

 そして、放課後………掃除の時間もずっと言い合いをしていたけんかするほど仲がいい二人組みは仲よさそうに職員室に連行されていった。合掌だけはしておいてやろう。

「さ、行くか」

「ああ、そうだね」

 適当な理由をつけて逃げる時間が割けてよかった。まぁ、とにもかくにも俺がこれから行くべき場所はこの町の北東に位置している少し大きめな駅だ。そこの駅員に用事がある。携帯で七海、奈々枝、菜々子先輩に少し遅くなるというメールを送っておく。こうしておけば心配をして探しにくるなんてことはないだろうからな。

――――――

 今の時間帯はまだ人が少ないのだが、それでも学生でごった返していた。比較的有名なのかウチの高校には遠距離からやってくる人たちも多い。無論、駅員も券売機あたりをうろうろしていたりする。

「おやおや、これは蒼い……」

「こほん」

「おっと、失礼……天川にえっと……アホ葉だっけ?」

「違う、僕の名前は青葉ゴンゾウ。幼女に光と希望を見出しているこの世界の救世主」

「で、天川今日はどうしたんだ?」

 さらりとゴンゾウを無視してその駅員は俺たちに尋ねてくる。この駅員は実はその昔ものすごく手癖の悪いスリだった。まぁ、スリが手癖が悪いのは当然だが、それからいろいろ俺たちとあってからスリをやめて今ではスリを見抜くべく駅員になっていた。

「実は最近ここら辺でよくうわさになっている偽者の蒼い弓を探しているんですよ」

 ゴンゾウが立ち直って俺の代わりにしゃべる。しばしうなずいてから駅員はいった。

「なるほど、たぶんお探しの偽者はこの前の女だな」

「女?どんな?」

 駅員は少し待てといって駅員室へともどって数枚の写真をもってくる。それを渡されて俺とゴンゾウは覗き込んだ。

「なるほど、一応見た目は女だね」

「一応ってどういうことだよ?」

「そのまんま、実は股の下に息子がいますとかそういうオチかもよ?」

「いいや、そいつは女だ。俺のセンサーが感じたからな」

 そういって親指を立てる俺の先輩……やめてください、知能がゴンゾウと同じくらいに思われますから。

「とにかく、こいつは女。しかもあのお嬢様学校だな……白昼堂々犯罪行為に走るなんて何があったのかねぇ?」

 ケケケ……と笑って先輩は続ける。

「それで、今回はどういった手で捕まえるんだ?この前現場を押さえたと思ったけどどこにも持ってなかったぜ?しかも、自信満々に『蒼い弓はこの程度で捕まえられませんよ。それには証拠をきちんとつかんでからいってくださいねぇ』て言われちまった。おれもやきがまわっちまったもんだな……引退するかな」

 そういって葉巻に火をつける。

「……先輩はもう引退した身でしょう?それに、その葉巻また誰かからすったんでしょ?」

「いいじゃんか、別に。禁煙中のおっさんからいただいたんだよ。つまり、禁煙のお手伝いさ」

 まぁ、それはほうっておくとしよう……それよりも……

「先輩が証拠をおさえられなかったということはこれまでの偽者よりも腕はたしかですね?」

「そうだなぁ……そうなるな」

 これまでは俺らがわざとおとりとなってその瞬間を先輩が指摘してから蒼い弓を捕まえてきた。しかし、連携をとる上で必要な駅員が見られているということは相手も警戒するに違いない……つまり、ここでするべきことは……

「天川、どうやら相手はとてもプライドが高いようだね?」

「そのようだな……先輩、その偽者が現れる時間帯ってどのくらいですか?」

「ええっと……朝は七時半ぐらいで夕方は五時半過ぎ」

 すでに時刻は六時を指している。どうやらもう今日はそいつをみることはできなさそうだな。

「今日はもう帰ります。被害のほうを食い止めるようがんばってもらえますか?」

「おいおい、駅員が駅の平和を守れなくてどうするんだよ?男が盗んでいいのは女の心だけ、財産は盗んじゃだめなんだぜ?まかせとけって」

 それじゃあなと先輩はそういって俺たちの前から姿を消したのだった。先輩、相手は女ですよ。

 券を買っている女子高生の尻を眺めながらゴンゾウは俺に尋ねる。

「で、作戦は決まったのかい?」

 俺は先ほどからひっきりなしにかかってくる七海、奈々枝、菜々子先輩にナナスティア、ナナスフィアからの着信を無視しながら(前者三人には番号を教えていたが後ろ二人にはまだ番号を教えていないはずだった)考える。まぁ、これだけざわざわしていれば他人の邪魔にはならないだろう。

「ああ、プライド高いなら自分よりすごいやつがいるってことであきらめてくれるだろうよ」

「けどさ、逆にそれを認めなくて犯行が悪化するかもよ?」

「そのときは……」

 警察に連絡するしかねぇだろうよ。そんな言葉を言うことなく、俺は黙って回れ右をして家を目指したのだった。もちろん、誰の着信にも出ることなく。

――――――

「ねぇ、蒼疾おにいちゃん……」

「なんですか、菜々子先輩」

「また蒼い弓の事件が出てるよ」

 地方記事のところを俺に見せてくる菜々子先輩。リビングのほうでは七海と奈々枝がぷよ○よをしていた。両者とも一歩も譲らず画面の三割ほどで粘っている。三十分ほど前からはじめたばかりなのだが意外と長持ちするもんだなぁ……いまだ一戦目だ。しかもスーフ○ミ版である。

「今回の被害者はお嬢様学校の生徒か……ありゃ、一連の事件の被害者はすべて学生……?」

 一体全体、これに何か理由があるのだろうか?

「あれ?蒼疾お兄ちゃんどうかしたのか?」

「奈々子さん、そっちの声でおにいちゃんはやめてください」

「すまん、それよりこの事件はまるで誰かを誘っているようだな……」

「どういうことです?」

「わからん、なんとなく」

「とにかく、奈々子さんも気をつけてくださいよ」

「うん!蒼疾お兄ちゃんは菜々子のこと心配してくれるんだぁ!やさしい!だから好き!」

 そんな大声で言うと……

「な、何をしてるんですか!」

「ちょっと蒼疾!どういうことよ!」

 ほら、二人きちゃった……

「お、おい、二人ともぷよがたまってるぞ」

「怒りがたまってますよ、蒼疾さん!」

「お邪魔虫を送り込んであげようかしら?」

 画面には両者とも引き分けてきな何かが映し出されていた。

「おいおい、引き分けになったぞ」

「そんな人ごと言ってる場合じゃないよ、蒼疾お兄ちゃん……あれ、誰が蒼疾お兄ちゃんを一日で落とせるかって言う挑戦権をかけてるんだから」

「挑戦権?」

「あ、その件についてはノーコメントですから。ほら、菜々子先輩行きましょう」

「そうそう、ばれたら意味ないから」

「?」

 よくわからんが今の俺はさっさと寝たほうがいいということだろうな。

 ちなみにその晩……

「お邪魔するっす♪」

「ぐがぁ……」

 ナナスティアがやってきたそうで、いろいろと俺にいたずらをしていたそうだが爆睡していた俺にはどれも通用しなかったらしい。

「こ、ここまでやって無視するとは……さすがっす、蒼疾君!こ、こうなったら添い寝するっす!」

 余談だが朝、ものすごくひどい目にあった。


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