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零:夢は夢
こほん、少しばか右手を負傷してしまって指の肉が減りましたが……いけそうなので小説投稿しました!
零
これが夢であるということはわかっている。
場所はわからないが、先ほどから神社、押入れの中、蔵の中と変わっている。目の前ではもやに包まれて顔の見えない女の子が泣いていた。
理由はわからない。
だが、このままではいけないと思って小さい頃のオレはいったのだ。
「ななちゃん!大きくなったら僕と結婚してよ!」
「え?………いいの?」
声もなんだか様々なものが混雑しているのか知らないが、聞き取りづらくはないが、どんな声なのかはわからない。
「うん、だからさ、泣き止んでよ」
「うん!!」
元気よく笑っているその姿はいつものななちゃんだった………と言っておこう。なにぶん、夢の話なので自信がない。
「じゃあ、僕は行くから」
「………うん」
こうしてオレは次の日転校したのだ。小学校一年、二年ぐらいの話だろう。
所詮は夢だ、それはわかってる。
しかし、物語にはプロローグが大体、必要だ。そして、この話はあくまでもプロローグ……というわけではない。