異世界転生
エロくないです。多少下ネタがあるだけさ。
薄暗い部屋で1人いつものようにゲームをしている。え?今日?平日さ☆
別に、やれば出来るとか、まだ、本気だしてないんですぅーとか言うつもりはない。言い訳にしかならないし。
だが
これは言わせてほしい。俺は、きっと生まれる世界を間違えた。
ゲームの画面で、俺のアバターがレベル差が20以上あるボスモンスターを倒す。このゲームはアクション要素が強いためプレイヤースキルである程度のレベル差は覆せるのだ。このゲームでは、仲間に必要とされ、尊敬される。きっとこう言う世界に生まれるべきだったんだ。
喉が渇いたので、手元の牛乳パックを手に取る。昔から牛乳は好きだった。
パックの中身が少ないのを確認してから、呟く。
「......コンビニ行ってくるか」
閉め切ったカーテンの隙間から外を見る。外は明るい。社会人には朝が来たようだ。
靴を履き、外に出る。親には、家の中であったが何も言われなかった。もともと無関心だったのか、愛想をつかされたのか今となってはわからない。朝の空気は、微量の湿気を纏い俺を包み込んだ。
コンビニで、牛乳を買う。バイトの店員の何か言いたげな視線が少し辛かった。
信号が青である事を確認して、道を渡る。
ふと、横を見ると大型トラックが至近距離に迫っているのが見える。
「え?いや、なんでなんで⁉︎」
信号は確かに青のはず!チラッと信号を見る。やっぱり青......じゃないぃぃい⁉︎赤だ!赤じゃないか!レッド、キケン、デンジャーの赤‼︎完全に見間違えた!ほら、あれじゃん仕方ないじゃん!目疲れてると、ちょっと色違く見えるじゃん!......ええい、ここまで来たら仕方ない。俺の潜在能力の目覚めに期待するしかない!俺には、帰る場所がある!他のプレイヤーが俺を待っている‼︎
えーと......。技名は......何だ?何がいい?
クソッ、頭働け!
トラックに向かって掌を突き出す。
「スーパー‼︎」
来た!この、何となく力が集まる感じ!
いける‼︎
「ハアァァァァアァァンッ‼︎」
危機的な状況で、放たれた俺の必殺の一撃。日本語に直訳すると、超手!
勝ったな。
腕の筋肉が裂け、骨が砕けるのを感じる。
次の瞬間、体は空に跳ね飛ばされどこまでも飛んでいけそうな気がした。
「で、ココまで飛んできちゃったと」
目の前の女が言う。神様だそうだ。長く白い髪を後ろでまとめ、顔には目の模様だけが描かれたお面をかぶっている。ダルマの目みたいだ。
「君、さっきから何も言わないけど、何か言いたい事無いの?」
言いたい事?俺の言いたい、事......。
「すーぱーはーんど☆」
「馬鹿なの?死ねよ」
神様が、呆れた顔をする。お面をかぶっているはずなのに何故か分かった。
「いや、あの、その、俺、死んだんですよね?」
「死んだよ。取り敢えずそのコミュ障全開な喋り方やめて 句読点多い」
「いや、無理」
「そうそう、それくらいキッパリ言った方がやっぱ、男の子はいいよ」
何故か嬉しそうだ。
「死んだら、神様とお話出来るんですね」
今更、神様が言った「馬鹿なの?死ねよ」にいや、もう死んでますと言いたくなった。
「そーゆーワケでも無いんだなこれが」
「と言うと?」
「生き返りキャンペーン......みたいな?」
「生き返りキャンペーン?」
人の命をそんなに軽く扱わないでほしい。
「正確に言えば、転生 人足りなさすぎる世界があってね」
転生......。それって、つまり。
「異世界転生ってやつ?」
「お、反応いいね 興味がおありかな?」
でも、異世界って言ったって、俺が思う様なものじゃないんだろう。
「そんなこともないよ」
「え?まだ何も......」
「君の世界の住人が、憧れを抱く異世界なんて知ってるに決まってるじゃん 神様だよ?」
「じゃあ、ドラゴン的なやつとか......」
「居るね」
即答!即答いただきましたぁ‼︎
え?まじ、まじ⁉︎
「じゃ、じゃあ、その世界で具体的な目標はある?」
「魔王討伐とか?」
クリアが、用意されている人生だとぉっ⁉︎
「今なら、1人1つ何でも欲しい物をプレゼント 超能力でも、武器でもね」
つまり、あれか、無双出来んのか。やば、テンションが上がりすぎて死にそうだ。
「顔見りゃ大体分かるけど、転生すんの?」
「ええ!はい、そりゃあもう!」
「 あっそ」神様が言い、咳払いをする。
「じゃ、簡単にルールを説明するね」
「ルール?」
「そう、世界のルール 前の世界じゃ出来なかった事がだいぶ有るからね おk?」
オーケー。
「じゃ、まずスキルの説明から
スキルは、最初から個人が持ってる唯一無二の『ユニークスキル』と、誰かに教わったり、そのスキルを使ってるやつと戦ったら、稀に手に入る『継承スキル』に分けられる。
『ユニークスキル』は、性能も人それぞれ技名だってつけられる もちろん、継承は出来ないよ
次『継承スキル』は、生活に役立つのとか、戦闘に役立つ物 色んな種類があるね 全部教えてる時間は、無いからまぁゆっくり覚えていって
で、最後 レベルねレベル 基本ゲームと同じ 生活能力も戦闘能力も大きくレベルに依存してるよ ちなみにレベルはレベル認識系のスキル持ちの他人にしか、認識出来ないよ 仲間が出来たらレベル認識スキルを共有しようね 教えてもらえば、割とすぐだから」
「 ふぅー」と神様が息をつく。まるで、ゲームのチュートリアルキャラみたいに一言も喋る隙を与えてくれなかった。
「んじゃ、さっさと欲しい物言って もう私疲れたから」
「あ、そっか」
欲しい物?何だろ?あんまりチートすぎても面白くないしな。............。
そこで、俺の思考はもう半分忘れていた俺の世界の記憶にたどり着く。
モテなかった。友達いなかった。運動苦手だった。とにかく、出会いがない。そう、女の子だ。俺は、女の子に飢えている。
なら......。
「神様!俺を超絶美少女にしてくれ!」
主人公兼ヒロインの完璧なキャラクターの完成だぜ!
「 は? 」
神様が頭を抱える。
「あんた、馬鹿?」
「え?なんで?」
「そんなのネカマで満足しなさいよ」
「え、いや それだとなんか違うじゃん?」
「あー......うん、分かった じゃ、それでいんじゃね?」めんどくさそうな声。
だが、その時の俺はいきなり異世界転生が決まり理性を欠いていた。
「だよな⁉︎ やっぱ完璧だよな⁉︎すげーよな⁉︎」
物凄く興奮して、騒ぎまくっていると、コントの仕掛けの様に足元の床が開く。
そうして、俺は新しい世界に生み落とされた。
読んでくれた人。本当によく頑張りました。読むに耐えない作品だと理解しています。