【序】 高校生、迷い込む。
見切り発車なこのお話し。
はたして完成するのか?
それではスタート!
高校生になって初めての冬休み。
正月がすぐそこまで迫っているということで僕は実家に帰ることにした。
大きめの、しかし邪魔にならない、いい感じの水筒と着替えを三着、馬鹿買いした大量のスナック菓子を詰め込んだバックパックを背負い寮を後にする。
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「―ドアが閉まります。ご注意ください―」
今月は金欠気味だったので一番安い路線を選んだ。
扉付近の長椅子に座り、ポケットの携帯端末から延びたイヤフォンを着け
道中の暇潰しにと持ってきた本を開いた。
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電車に乗ってから4駅くらい過ぎた。
此処で車内の異変、奇怪な事に気付く。
自分以外の乗客が皆、深く眠っているのだ。
どぉぉぉぉぉ―と低い唸り声に似た音が走ると同時に辺りが少し暗くなる。
トンネルに入ったのだろう。
そこで、はて…と疑問が浮かぶ。
―この路線、トンネルなんて通っただろうか?
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―もしかして誤った路線を選んでしまったのだろうか。
―それになんだろう…この感じ…。
携帯を覗き込むがトンネルに入った辺りから圏外の一点張りである。
―取り敢えず、次の駅で降りてみるか…。
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古い鉄橋を渡る電車。
次に陸橋が見え、その下を潜るとすぐに駅に着いた。
―やっぱり、見たことのない場所だ…。
ぷしゅぅ。
腑抜けた音を伴って扉が開く。
―結局、この駅で電車を降りたのは僕と性別不明な老人だけだった。
これってアウトじゃないですよね?
アウトだったら報告お願いします。
(今更感がすごいですけどね)