8、二度目の再会
あれから学君どうしてるんだろ?
このまえ様子おかしかったし……
私に関係ないことだって分かっててもやっぱり気になってしまう…
「菜々実ー?おーい?菜々実?菜々実!!!」
「はっ、はい!!」
「さっきからボーッとして全然人の話し聞いてないでしょ!」
「ごめんごめん!ちょっと考えて事してて…」
「なんか悩みごとでもあんなら相談しなよー?」
「うん。でも大丈夫!悩みって程の事でもないんだよね。」
「そう?それなら良いんだけど…」
「あやちん心配しすぎー!んぢゃ、また明日。」
「うん、明日。」
ボーッとしてる理由が学君だなんて
あやちんにバレたら大変だな。
「ただいまー。」
「あら、おかえり。早いじゃない。」
「そう?今日の晩ご飯なに?」
「シチューしようと思ったんだけど牛乳がなくてねぇ。ちょうど良かった!菜々実買ってきてよ!」
「えぇ〜…別に良いけどさぁ〜」
「スーパーまで行かなくても、そこのコンビニで良いからね。」
「はーい。」
そういえば英語のノートがなくなったんだった。一緒に買っとかないと。
いらっしゃいませ〜
「最近、雑誌読んでないなぁ〜。なになに?【彼氏と行きたいデートスポット特集】……これは私への宣戦布告ですか?どーせ私は17年間彼氏いませんよ!合コン行っても収獲なしですよ!それが何か問題でも!?」
おっと……独り言のレベルじゃないくらい大声で話してしまった…
こんなだから彼氏ができないのか……なんか普通にヘコんできた……
いや、そんなことより早く牛乳とノートを。
「牛乳…牛乳……あッ!最後の1本だ!ラッキー!」
「それ俺も買いたいんだけど…」
「えッ…でもこれがないとシチューが……って、あぁぁぁぁ!!!」
「……?」
また会えた…
「本城くん!私のこと覚えてる?!合コンの日に会った芹沢菜々実!」
「あぁ…。合コンとか大きい声で言わないで?行きたくて行ったわけじゃないから。」
「あっ、ごめん。…えっと……このまえは助けてくれてありがとね!なんかお礼も言わないまま私帰っちゃって……」
「別に。買うんでしょ?」
「へっ?」
「牛乳。」
「あぁ!そうそう!」
「でも…本城君も必要なんでしょ?」
「駅前のスーパー行くから大丈夫。」
「そう?じゃあ譲ってもらおうかなぁ。」
「それじゃ…」
「あ…うん……」
私の目の前にいる本城 龍一は【龍ちゃん】なの…?
「……っ、…待って!」
「…なに?」
「私も行くよ!駅前のスーパー!他の食材も必要だったの思い出した!」
「じゃあ、その牛乳俺が買う。」
「いや!ダメ!」
「はぁ?」
「ここのコンビニで売ってる牛乳は、なぜか他のコンビニやスーパーで売ってる牛乳とはひと味違うという都市伝説があって…だから…その…」
「もういいから。勝手にすれば?」
うーん…怒ってる…?
いや、怒ってはないよね?合コンで会ったときも無愛想なカンジだったし……
ありがとうございました〜
「………。」
「………。」
「…あのさぁ……」
「はっ、はい?」
「なんで着いてくるわけ?」
「そ、それはだって目的地が一緒なわけだし!」
「じゃ、なんで自転車乗らずに押して歩いてんの?」
「…ダ、ダイエット?」
「俺に聞かれても…まぁ別に何でも良いんだけど。」
もしかして私すごい不自然?
いや、【もしかして】じゃなく確実に不自然だ。
早く聞かなきゃ!
あなたは【龍ちゃん】ですか?って。
「あのさぁ…」
「へ?」
「さっきから何ブツブツ言ってんの?」
ヤバィ…!心の中で唱えてるつもりが声に出てた!これじゃ完全なる不審者…
「ははは。独り言だよ。気にしないで。」
この!私の小心者!
いつになったら本城君が龍ちゃんなのか確認できるんだよ………
道のりはまだまだ遠い……のか!?