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初恋のひと  作者: 愛海
7/10

7、フォンダンショコラ




学君のこと実は

そこまで嫌いじゃない。

あの日の夜は確かに

傷ついたけど

どこか憎めない人のような気がするから・・・



「で?今日はどこ行くの?それにしてもさぁ、学君って美味しいお店色々知ってるよねぇ〜」


「まぁね♪女の子の心を掴むには、まず胃袋を満たすのが肝心!」


「へっ、へぇー・・・」


「今日は何食べたい?」


「さっきプリンとか言ってなかったっけ?」


「そうそう!この近くにプリンの美味しい店があるんだ!卵とかにもこだわっててさぁ、とろフワってカンジ!?」


「ふふっ…」


「どうかした?」


「いや〜学君って本当に甘いもの好きだなぁ〜って思って!」


「う〜ん…それが実はね…」


「うん?」


「甘いもの別に嫌いぢゃないけど、好きってわけでもないんだよねッ。」


「えぇ!?この一週間ほとんど毎日デザート食べてんのにッ!?」


「あの日の夜さ…合コンした日の夜、あのレストランで出たデザートに菜々実ちゃん目輝かせてたでしょ?」


「確かに!あそこのフォンダンショコラだっけ?中からチョコレートがトロ〜って出てきて…また食べたいなぁ〜♪」



あれ?待てよ…!

ってことは

学君がこの一週間

甘いものばっかり

食べ続けてるのは

私の好みに合わせて仕方なく?



「あれだけ喜んでくれたら店予約した甲斐があるよね。まぁその後の雰囲気は俺がブチ壊したんだけど…」


「…言ってくれれば良いのに!甘いもの好きじゃないって…」


「美味しそうに食べる顔が見れるなら俺はそれで良いの♪」


「う〜ん…」


「…フォンダンショコラまた一緒に食べに行こうよ。」


「うん!…ぢゃなくて…えーっと…その…」


「…そっか、今日で最後だったっけ。」


「ごめん…。」

「別に菜々実ちゃんが謝ることないでしょ!俺の普段の行いが悪いせいだ。ごめんね…」



学君、きっと本当はすっごくすっごく優しい子なんだ。

こんな風に言ったら

また、あやちんに怒られるかな…



「…っ、ま…また食べに行こう!フォンダンショコラ!一緒にさ!」


「菜々実ちゃんってさぁ…」


「えっ?」


「バカ。」


「バッ…バカ!?」


「俺に何されたか覚えてんの?」


「えっ……」


「挙げ句に連れ回されて言いなりになって…男なんて気安く信じちゃダメだ。」


「だって…それは…」


「また俺なにするか分かんないよ?」


「嘘だよ。学君本当はそんな人じゃない。」


「…俺のどこ見てそんなこと言ってんの?俺の何を知ってんの?」


「それは……」



分かんない。

分かんないけど、今まなぶ君のこと放っといたらダメになる気がする……



「…今日はもう帰ろっか!この一週間付き合ってくれて、ありがとーございました!」


「うん……」


「さっきのキツく聞こえてらゴメンね。でも本当気をつけなよ!男は狼なんだから!って…俺が言っても説得力ないか♪んぢゃ、バイバイ。」


「じゃあね…」



学君のこと

どうして憎めないか

分かった気がする…

ときどき悲しそうに笑うんだ…


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