6、最後のデート
学君が放課後に私を待ち伏せるようになってから、早くも一週間が経とうとしている。
「いいなぁ〜!菜々実ってば、あんなカッコイイ彼氏がいてぇ〜!」
周りは学君のことを私の彼氏だと勘違いしたまま誰も疑わなかった。
「菜々実〜、私があいつ説得しようか!?もぅ付きまとうな!って。」
「あやちんの気持ちは有り難いんだけどさぁ・・・これはやっぱ私の問題だし。」
今日こそ!今日こそは何とか話しをつけてみせる!
「な〜に2人でコソコソ話してるわけ?」
「あんたには関係ないのッ!」
「はいはい。綾音ちゃんは放っといてさ!菜々実ちゃん♪今日はどこ行く?」
「だから何回も言ってるけど付きまとうのは止めて!」
「ここからすぐのトコに美味しいプリンの店あるの知ってる?」
あぁ……まただ。
この人またしても人の話を聞こうとしない。
「いい加減にして!私の言ってること聞こえてる!?人の話無視して失礼じゃなぃ!?」
「・・・ごめん。」
「もぅ会いに来ないで。」
「分かったよ・・・」
やった!やっと伝わったよ〜
「そのかわり!」
へっ?
「今日だけは付き合ってくれないかなぁ!?今日で最後だから!」
「えッ・・・」
今日で最後か・・・
これで縁が切れるなら・・・
でもなんかまた流されてないか?私・・・
「お願い!このとおり!」
「うー・・・分かった!本当にこれが最後だからね!」
「やりぃ♪」
今日で最後!
「あやちん、悪いけど先に帰っといて?明日からはいつも通り一緒に帰れるから!」
「菜々実・・・あんたって・・・」
「なっ、なに!?」
「ダメホストとかに貢ぐタイプだよ。絶対。」
「えッ?えぇ〜〜!?」
「もぅ!気をつけなよッ!・・・成瀬君、私の菜々実傷つけたら今度こそ許さないからね。」
「はいはーい。菜々実ちゃん愛されてんねぇー」
「んぢゃ行ってくるね。あやちんゴメンね?」
「本当にあんたって子は・・・」
そんなこんなで
結局まなぶ君に
付き合うことに・・・
今日で最後!
あと数時間の我慢だ!