5、イケメンは甘党?
あの合コンをした夜から、1週間が経過した。
あの時
「運命」なんて少しでも感じちゃった自分は、今はもうどこにもいない。
えッ?あれM高の制服じゃない!?
あの人、超かっこいぃ〜♪誰か待ってるのかなぁ〜?
話し掛けてみる?
あんたが行って来なよ!
キャーキャー・・・
「菜々実〜。なんか門のとこ騒がしくない?」
「本当だねぇ〜。人だかりができてる!」
「芸能人でも来てんのかなぁ!?」
「まさか〜・・・」
「ちょっと見に行こうよ!気になるじゃん!」
「・・・別に良いけど・・・。」
本当、あやちんって昔からこういうの好きだよなぁ・・・野次馬根性というか・・・。
「・・・げっ!!!」
「どうしたの?あやちん?」
人だかりの中に目をやると見覚えのある人物がッ・・・・・
「あッ!いたいた!菜々実ちゃ〜ん♪」
「・・・まなぶ君!?!」
「もぅなかなか出て来ないから待ちくたびれちゃったよォ〜。」
「ちょっとあんた!どの面下げて菜々実に会いに来たわけ!?ふざけんじゃないわよ!」
「あやちん・・・」
「君・・・確か綾音ちゃんだよね?」
「だっ、だったら何よ!」
「君の意見は聞いてないんだ。俺は菜々実ちゃんと話がしたいわけ。だから黙っててくれると嬉しいんだけどなッ♪」
「あんた自分にそんなこと言える権利あると思ってんの!?」
「・・・あやちん!悪いけど先に帰っといて?私は一人で大丈夫。心配しないで。」
「菜々実・・・。」
もう騙されない。
バカになんてされない。
「それじゃあ・・・先に帰っとくよ?」
「うん。ありがとう。」
今の私なら大丈夫。
「それで・・・学くん、私に何の用?」
「イチゴみるくパフェ・・・」
「はッ??」
「菜々実ちゃん、甘い物は好き?」
「・・・好き・・・だけど・・・?」
「そっか♪それじゃあ行こう!!」
「えッ・・ちょ・・・どこに!?」
「いいから、いいから。」
「ちょっと!待ってよ!待ってってば!」
手をひかれて気が付いたら走り出してた。
結局振り回されてる私って一体・・・
「着いたッ!!」
「ハァ…ハァ……つ、着いた…?」
目の前には何やら可愛らしいカフェが・・・
「入ろう!」
「へっ?」
いらっしゃいませ〜
2名様でよろしいですか?
「はい。」
空いてるお席ご案内致します。
こちらへどうぞ。
「ほら、座って。窓際が良い?」
「ううん。ここで良い。」
ご注文お決まりですか?
「イチゴみるくパフェ2つ。」
以上でよろしいですか?
「はい。」
かしこまりました。
ごゆっくりどうぞ。
「ここのイチゴみるくパフェ超〜うまいの!食べたコトある?」
「ないけど・・・。」
「そっか!一回食べたら絶対病み付きになるからッ♪」
「あの・・・」
「ん?」
「えっと・・・」
聞かなければならないことが沢山あるはずなんだけど・・・
「どうかした?」
「その・・・」
お待たせしました。
イチゴみるくパフェでございます。
「うぉ〜!うまそッ!早く食べよッ♪」
まなぶ君は何をしに
何の為に私に会いに来た?
「食べないの?」
「・・・まなぶ君どうしてさっき校門の前で待ってたの?」
「一緒にイチゴみるくパフェ食べる為だけど?」
「だからなんで・・・」
「・・・この前俺さ、菜々実ちゃんのこと傷付けちゃったから・・・お詫びに・・・かな?」
「・・・・・。」
「あッ!でも、こんなパフェ一つで許してもらおうなんて思ってないから!」
「別にそういうことぢゃないんだけど・・・」
「だから明日の放課後も迎えに行くよ!」
「はい!?」
「明日は何食べたい?」
「いや・・・だから・・・」
「フルーツタルト!明日はフルーツタルトにしよう!どうかな?」
この人・・・まったく人の話聞こうとしないし・・・
「フルーツタルトは食べない。」
「えッ?嫌い!?そっかぁ・・・それじゃあ〜・・・」
「違うの!そうじゃなくて、お詫びなんて良いから!私この前のことなんて気にしてないし・・・だからもぅ学校に来たりしないで。迷惑・・・なの。」
「・・・・・早く食べないとアイス溶けちゃうよ?」
私、今ちゃんと言ったよね?!迷惑って言ったよね?!なのに何!?この何でもないような態度は・・・・・
「菜々実ちゃんさぁ・・・」
「うん。」
「マンゴー好きッ!?」
「はぁ!?」
「そのフルーツタルトさぁ、完熟マンゴーがドーンって乗っててぇ、あとイチゴでしょ、キウイでしょ〜♪」
「へッ、へぇ・・・」
なんかもぅ話になんないな・・・
ってゆうか相手にされてない?
「聞いてるッ?!」
「はっ、はい!」
「それでぇ、そのフルーツとカスタードがタルト生地と口の中で一つになった瞬間に〜♪」
この話、いつまで続くんだろ・・・?
っゆうかもぅ訳分かんないや・・・
ハァ・・・パフェ食べたら帰ろ。