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初恋のひと  作者: 愛海
2/10

2、合コンデビュー




普通で平凡な自分を変えたい。

なんでも良いから夢中になれるものを見つけたい。



「みんな〜!お待たせぇ!」


「あやちん、菜々実遅〜い!!」


「ごめん、ごめん。菜々実の服選んでたら遅くなっちゃって!」


「あやちん!私やっぱりこんな服着れないよ!」


「私が選んだんだから間違いないに決ってるでしょ!!」


「でも・・・」



あやちんが選んだのは薄いピンクのワンピースと白のボレロ。

髪の毛はクルクルに巻いてあるし、こんな高いヒールの靴はいたことない。



「ほら!背筋伸ばしてシャンとする!自分に自信を持ちなさい!菜々実はいつも謙虚すぎるの!!・・・悔しいけど地は私よりも可愛いんだから・・・本人がそれを見せようとしてないだけで・・・」



「あやちん、なんか言った?」


「べ、別に!とにかくみんな!今日は絶対に良い男ゲットするよ!」


オーーーー!!!



「いざ、出陣!」


「戦・・・?!」



駅前から少し歩いたところに今日の合コン会場となるレストランがあった。

レストランといっても一般的な

「ファミレス」とは違い、なんだかこ洒落た雰囲気。



「やっぱりエリート集団の指定する店はひと味違うねぇー!!」


「うん・・・なんか緊張してきちゃった。」



やっぱり合コンなんて私には向いてなかったかな・・・



「あぁ、みんなこっちこっち!F女の子達だよね?」


「はぃ!そうですゥ〜♪」


「ほら、みんなここ座って。」



そこに座っていた3人の男子は・・・なんてゆうか・・・とても・・・かっこよかった。



「ごめん。今日さ一人来れなくなっちゃて、さっき代わりの奴呼んだから遅れて来ると思うんだ。」


「そうなんですかぁ〜。」


「待っとくのも何だし先に始めちゃおっか!」


「はい!」


「敬語なんか止めようよー。タメなんだしさ。んぢゃ、自己紹介でもする?」



なんかみんな慣れた雰囲気だなぁ・・・私だけ浮いてるかも。



「んぢゃ、俺からね。谷口 真澄です。よろしく。」


「片岡 祥一です。」


「成瀬 学です。よろしくね。」


ドキンッ!!


私、今微笑みかけられた?いや、気のせいか。自意識過剰だよね・・・



「山口 尋乃です!よろしくお願いしま〜す♪」



淡々と自己紹介が続く中、私の番は次に迫っていた。

どうしよう・・・



「菜々実、しっかり!」



しっかりと言われても・・・



「えー、えーっと・・・せ、せ、芹沢・」


「わりぃ、遅れた。」



もぅ!間が悪すぎるよ〜!人が勇気振り絞って自己紹介しようという真っ最中に・・・!



「おぉ、龍!遅かったな。来ないかと思った!」


「あんだけ頼まれりゃ仕方ねぇだろ。」



なんだか無愛想な人。

他の3人とは違うタイプ・・・



「あっ、ごめんねー!自己紹介続けて!」


「は、はい。えーっと、芹沢 菜々実です。よろしく・・・」


「了解。菜々実ちゃんねー♪んで、今遅れてきたコイツが本城 龍一。」


「どうも。」



本城君かぁ・・・

あれっ?本城 龍一?

どっかで聞いたことあるような・・・

芸能人かなんかだっけ?

違うよなぁ・・・

本城・・・龍一・・・




「あぁ〜〜〜!!!」



「菜々実、なによいきなり大きな声だして!」


「どうかしたの?菜々実ちゃん。」


「あっ、えっと・・・別に・・・。」



思い出した!本城 龍一!

小学校1年の頃、同じクラスだった男の子の名前!!

すっごい仲良くて毎日一緒に遊んでたなぁ・・・

「龍ちゃん」なんて呼んでたっけ。

でも2年生に上がる頃には引っ越しちゃったんだよね・・・

今思えば、あれが私の初恋なんだなぁ〜♪



「菜々実、さっきからどうしたの?上の空ってかんじだけど?」


「だっ、大丈夫だよ!気にしないで!」



だけど・・・今、私の目の前にいる無愛想なこの人が

「龍ちゃん」?

確か・・・龍ちゃんはもっと可愛くって、笑顔の似合う男の子だったはず・・・



「でわでわ、ここらで定番の王様ゲームでもしちゃいますか?」



同姓同名だって可能性もあるし・・・

この人はやっぱり龍ちゃんぢゃないかも・・・



「王様だ〜れだ?」


「あッ、私だぁ〜♪」



それに龍ちゃんが引っ越した先は、確かアメリカだったはず・・・



「それぢゃあ、2番と6番が・・・手つなぐ♪」



でもなぁ、なーんとなく龍ちゃんの面影があるような気がしないでもないんだなぁ・・・

目のあたりとか・・・



「あぁ〜!私、6番だぁ〜!」



でも、もし目の前にいる龍一君が

「龍ちゃん」だとしたら・・・

初恋の人と10年振りの再会になるわけだ・・・



「次は・・・1番と7番がほっぺにキス!!」


「おい祥一、それやりすぎなんじゃね?」


「ほっぺくらい大丈夫だって!」



初恋の人と10年振りの再会・・・

それってなんかすごく・・・運命を感じてしまう。



「1番誰なの〜?」


「あっ、オレオレ〜♪」


「なんだよ、真澄かよぉ〜!」


「んぢゃ7番は?誰?」



7番かぁ・・・そういえば私さっき7番引いたような・・・!



「あの・・・7番私です・・・」



どうしよう・・・ほっぺにキス!?

会ったばかりの人と?!

そんなの私・・・できないよ!!

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