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初恋のひと  作者: 愛海
10/10

10、閉ざされた心




「…本城君!!!本城君大丈夫!!??」


「…大声でうっせぇんだよ、バカ。ガキみたいに飛び出しやがって………」


「本城君??本城君!!!誰か救急車!」






「軽い脳しんとうですね。ケガも軽傷で済んで何よりです。意識もすぐに回復するでしょう。」


「ありがとうございました。…本城君のご両親とはまだ連絡つかないんですか?」


「えぇ、何度かけても不在のようで…」


「そうですか…。意識が戻るまで私がついてますから!」


「そうしてもらえると助かります。また何かありましたら声をかけて下さい。」



私の不注意で本城君がこんなめに遭うなんて…


本城君、私を助けるとき【菜々実】って呼んだ…

龍ちゃんみたいに…



ガラガラ!ピシャン!



「おい!龍!!!大丈夫か!!?死ぬな!龍一!!!」


「ま、学君!!?ちょっと落ち着いて!」


「死ぬな!!龍!!!龍…」


「バーカ。死なねーよ。」


「龍!!!」


「本城君!!!よかったぁー!意識戻って!」


「心配させんじゃねぇよ…。」


「オマエが勝手に1人で騒いでただけだろうが。」


「せっかく飛んで来てやったのに何だよ!その言い方は!」


「…私のせいで本当にごめんなさい!!!!」


「別に。気にすんな。」


「あれ?あれれれ?!なんですかこの空気は!?しかもよく考えたらなんでオマエ菜々実ちゃんと2人でいんだよ!龍!オマエ抜け駆けしやがったなぁ〜!!??」


「あー…うるせぇ。俺は病人なんだぞ。」


「病人だろうと関係ない!なんで菜々実ちゃんと2人っきりでこんな密室に…!」


「その言い方やめろ。」


「学君落ち着いて!学君の考えてるような事は何もないから!私たちはただコンビニで偶然会っただけで…」


「怪しいなぁ〜…」


「そ、そういえば本城君!病院の先生がご両親と連絡がつかないって困ってたよ?」


「あぁ…あの人達忙しいから。」


「でも軽傷とはいえ事故に遭ってるんだし、連絡しとかないときっとお父さん、お母さん心配するんじゃない?それに入院手続きとか必要らしいし…」


「いいよ。入院はしない。もう帰る。」


「ダメだよ!ちゃんと検査しないと…本城君に何かあったら私の責任だし!」


「俺が良いって言ってんだから、もう放っといてくれ。」


「おい、龍。菜々実ちゃんの言うとおりだぞ。念の為にちゃんと検査受けとけって!お前の親には俺から連絡しといてやるから。」


「うっせえんだよ!おお節介もいい加減にしろ!もう出てってくれ…」


「そんな言い方はないだろ!菜々実ちゃんも俺も龍のこと心配して…!」


「そういうのがウザッてえんだよ。」


「なんだと…!」


「学君やめて!…もう帰ろ。」


「菜々実ちゃん…」


「本城君、お大事にね。」


「………。」




「その言い方やめろ。」


「学君落ち着いて!学君の考えてるような事は何もないから!私たちはただコンビニで偶然会っただけで…」


「怪しいなぁ〜…」


「そ、そういえば本城君!病院の先生がご両親と連絡がつかないって困ってたよ?」


「あぁ…あの人達忙しいから。」


「でも軽傷とはいえ事故に遭ってるんだし、連絡しとかないときっとお父さん、お母さん心配するんじゃない?それに入院手続きとか必要らしいし…」


「いいよ。入院はしない。もう帰る。」


「ダメだよ!ちゃんと検査しないと…本城君に何かあったら私の責任だし!」


「俺が良いって言ってんだから、もう放っといてくれ。」


「おい、龍。菜々実ちゃんの言うとおりだぞ。念の為にちゃんと検査受けとけって!お前の親には俺から連絡しといてやるから。」


「うっせえんだよ!お節介もいい加減にしろ!もう出てってくれ…」


「そんな言い方はないだろ!菜々実ちゃんも俺も龍のこと心配して…!」


「そういうのがウザッてえんだよ。」


「なんだと…!」


「学君やめて!…もう帰ろ。」


「菜々実ちゃん…」


「本城君、お大事にね。」


「………。」






「菜々実ちゃん、ごめんな。」


「えっ?」


「龍があんな言い方しちゃってさ。」


「ううん。学君のせいじゃないし…」


「…俺が龍と出会ったのは去年の春、あいつ教室の隅で世界中の不幸を全部背負ったみたいな顔しててさ、なんかそういうのってムカつくじゃん?だから俺が無理矢理声かけたんだよね。」


「そうだったんだ…。」


「最近は普通に話してくれるようにはなったけど、やっぱどこかに壁があるっていうか…。龍の笑った顔って俺一度も見たことないや。」


「本城君のご両親がどんな人か知ってる?」


「さぁ?龍は自分の事についてあんま話したがらないから…。だから俺らも自然と聞かないようにしてた。」


「そっか…。」



本城君の心の中にある影が消える日は

やって来るのだろうか?

何をしてあげることもできない私は

ただひたすら彼の寂しそうな横顔を思い返していた。

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