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周り回って、また廻る。

作者: ビタミンA

いつになったら彼女とまた話すことができるのだろうか、

いつになったら彼女の笑顔を再び見ることができるのだろうか、


何度も何度も足掻いても、

何度も何度も巡っても、


何も起きないし何も変わらない


目の前にいるこの少女は目を覚まさない









目が覚めると涙が頬を伝っていた


涙を拭い、突っ伏していた体を起こす


今どんな夢を見てたんだっけ?




周りは白い部屋

とある病院の一室

そして目の前には少女が一人、

死んだように眠っている



彼女は俺の幼馴染み

高校三年も終わりとなる今でも

仲良く、何をするにもいつも一緒


のはずだった



一年前、彼女は突然意識を失い植物状態となった

再び目を開けることはない

医者にははっきりとそう言われた




理不尽だ。


なぜ彼女が、

なぜ、


悲しみの感情よりまず

疑問と怒りが湧いてきた


なんで彼女なのかと、

他の人間でもよかったじゃないかと

この理不尽に疑問を抱き、怒りを覚えた




彼女が倒れてからしばらく経つと、俺に異変が起き始めた


彼女との過去を夢で見るようになったのだ


毎晩毎晩、彼女との思い出の日々を、

『呪い』のように見続ける



彼女は絶対起きないのに、

彼女と通学する夢を見る


彼女とは絶対話せないのに、

彼女と話す夢を見る


彼女の笑顔はもう二度と見れないのに、

彼女の笑顔を夢で見る


もう二度と戻らない思い出をこれ見よがしに見せられる


気が狂いそうになって、

頭がおかしくなりそうになって、

苦しくて苦しくて、

それでもやっぱり心の奥底では

彼女の笑顔を見たいと願ってる

彼女は目を覚ますと信じている





俺は夢を見せられる

誰にというわけではないが


楽しい思い出を、悲しい思い出を、

春になり、夏になり、秋になり、冬になり

幼稚園に入り、小学校に入り、中学校に入り、高校に入り、



初めての出会いは、まだお互いまともに喋れない程小さい時だった


幼稚園に入ってもずっと一緒だった

将来結婚しようとか言っていた

小さい頃は何を言い出すかわかんねぇな


小学校に入ってもずっと一緒だった

運動会じゃ一緒に二人三脚したっけか

盛大に転んでるところを写真で撮られて笑われたなぁ


中学校に入ってもずっと一緒だった

同級生の野郎共から付き合ってんのかと聞かれた時には顔を真っ赤にして誤解だと叫んでいた

そんなに嫌がらなくてもいいじゃないか


高校に入ってもずっと一緒だった

お互いに馬鹿だから、ここの高校に入るのには相当苦労していた

苦労して入学した高校

制服も似合っていたし、高校デビューした髪型もそこそこ可愛かったよ


一年生では勉強のレベルの違いに驚き、揃って親に怒鳴られた

携帯没収されて半泣きになってたな


二年生では体育祭の完成度に驚き、溢れる熱気に圧倒された

修学旅行では二人で馬鹿やったものだ


三年生では文化祭の演劇は二人で主役張って大成功した

俺は彼女に告白した

恋愛対象として好きだと言った

俺の彼女になって欲しいと





そして次の日彼女は倒れた





あぁ、そういえばそうだった


告白の返事をまだもらっていないんだった

明日返事すると言ったきり、

彼女は眠ってしまった



俺の時間はそこで止まったまま

動かずそこでとどまっている


きっと怖かったんだろう

返事が来るのが

だから明日と言われたときホッしたんだ

まだこの関係が続くと、

『あと一日ある』と、




今でもどんな返事が来るのか怖い

彼女が眠りから覚めて、また話したいとは思うけど、あの告白はなかったことにしてくれと願う

あの日を嘘にしてしまいたい

あの嘘の時点で時間を止めてしまいたい



そう、願う




**********




電気を消し、ベットに入って瞼を閉じる


今日はどんな夢を見るのか

出来れば見たくない

それは毎晩、思ってはいる

でも必ず見せられる

最初は死にたくなる程の苦痛だったが

今となってはそうでもない

でも見たくはない

現実に戻ると毎回つらくて頭が痛いから


意識がふわりと宙に浮き、ゆらゆらと漂う

そしていつもと変わらず夢を見る





夕焼け空、オレンジの光が教室を照らす

光が差し込む窓の外には文化祭の後片付けをしている生徒達の姿が見える



「ごめん!遅くなった!」


突然ガラッ、とドアが開いて一人の少女が入ってくる


「いやー、片付けが思ったよりも長引いちゃって」


たははと頭を掻きながら笑う少女




俺はこの少女を知っている




苦しく笑うも、自然と出来上がる空白の時間


気まずい雰囲気を押し切ってあのね、と喋り出す



「ここに呼んだのはさ、アンタにちょっと伝えたいことがあって…」



指を回したり弄ったりして、下を向いてしどろもどろに言う少女


やがて決心がついたのか、ふぅと一息置いて、顔を上げる



その顔は満面の笑みで満ちていた




「あたしさ、アンタのことが好きになっちゃったみたいなんだよね!あ、友達としてじゃなくて恋愛対象としてね」




息が詰まる

声が出ない

口を動かしても言葉が出ない



俺は思った

この日を、

もうどう足掻いても取り戻せないこの笑顔をもう一度見たいと

今返事をすると、全てが変わってしまうようで怖くて…

俺はただ、あの笑顔がもう一度だけ見れればいいだけだから


俺は落ち着いて、一息ついて、言った。







“すまん、返事は明日する”





明日もまたこの笑顔が見れる

やった

ずっとこの時を待っていた

やった!

またあの笑顔が見られる

やった!!


『あと一日ある』!







次の日俺は登校中に倒れた

彼女は何度も何度も俺の名前を呼んで、叫んで、


朦朧とする意識の中でも

伝えなくてはならないことを言おうとした

伝えようとした

でも、


息が詰まる

声が出ない

口を動かしても言葉が出ない


なんだ、

なんなんだこれは

なんでこうなるんだ

なんで…






あるはずの『あと一日』は、どこか遠くの彼方へ消え去って行った



意識が切れるその最後まで、俺は心の中で何度も叫んだ

何度も何度も、繰り返し繰り返し、

伝わるように、聞こえるように。


あぁ…、頼むから伝わってくれ



俺もお前のことが大好きだよ




俺の頬に彼女の涙が落ちて流れる












目が覚めると涙が頬を伝っていた


周りは白い部屋

とある病院の一室

そして目の前には少女が一人、

死んだように眠っている


俺は涙を拭い、突っ伏していた体を起こす



あれ?




























「今どんな夢を見てたんだっけ?」





これは元々、


修学旅行中にtayuuとバキバキと3人で考えてた話が元となります


いや、そんなこと知らねーしw

おまいら修学旅行中に何やってんだww


となるのは自然ですよ

クラスの奴らとは話が合わないので小説考えてたんです

文句あるか!!


自暴自棄です。はい。



まぁ、設定作るだけ作って

放置されていたこの話


おい、お二人さん

俺が完成してやったよ


言い出したのはバキバキ、お前だかんな


なくなるはずのこの物語を俺が拾い上げてだな?…(以下割愛)



さて、ふざけるのはここら辺にして


これを、なぜわざわざ書いたのか

試験中にね、わざわざ。

…いや、試験中に書く必要はなかったんだけど



この話はライトルに出てくるあるキャラの過去です

誰かはまだ秘密


そのキャラは何度もシリーズ全域に渡って登場するのでその大事な伏線です


さらっと言ってますが

これ結構なネタバレだな



誰の過去かわかったらこの後書きも消して、

ちゃんとしたのに書き換える予定なので




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― 新着の感想 ―
[一言] 久しぶりに感想失礼。 あれ? 少年と少女が逆になってる!? 『夢』の話とはなんとも意味深というか何というか ライトルの誰かなんですね、それがあのキャラクターだろうと想像しながら読むと違…
[良い点] うお!朝見た時と背景と文字の色が違う! [一言] あっれー?僕たちが考えたやつお前のキャラの伏線になってるー。趣深いな。 いや、面白かったよ。こういうのが作りたかったんだ。作品にしてくれて…
[一言] 小説、書こうと思ったのですが 結局書けませんでした…… いろいろ難しくて…… すごいですね! こんな難しい内容のものを書けるなんて…… 私なんか頭がこんがらがってきちゃいます…… …
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