第454話 軍オタアフター
本日12月15日(日曜日)に、明鏡シスイ新作 『軍オタが異世界第2次世界大戦の欧州戦線に転生したら、現代兵器で魔王ヒトラーを倒す勇者ハーレムを作っちゃいました!?』 をアップしました!
明日17日~22日までは1日3回アップする予定なので是非チェックしてください!
リースの懐妊が判明した翌日。
朝食を終えると、オレは執務室へ移動する。
北部開発の書類仕事に取り掛かる前に、関係者を集め話し合いをした。
「と、言うわけでリースが妊娠したから、北部開発の仕事を休んでもらうことにした。『無限収納』が使用できなくなったことで事前に計算した以上の資金がかかるが、その点は考慮して欲しい」
この説明にPEACEMAKERの経理を担当する魔人種族、3つ眼族のバーニー・ブルームフィールドが納得した様子で返事をする。
「遅くなりましたが、おめでとうございます! では、改めて北部開発にかかる資金の試算を計算し直しますね」
「……こう言ってはなんだけど、正直意外だな。バーニーはこの提案に反対か、嫌味の一つでも言うと思っていたんだけど……」
「団長のなかでわたしはどれだけお金に汚いと思われているんですか……。今回の慶事を喜ばないのは人としてどうかと思いますよ?」
バーニーの正論にぐうの音も出ない。
確かに彼女の言葉通りだが、当初の計画はリースの『無限収納』を活用することを前提に予算が組まれていた。
ある意味一番お金&時間がかかる資材の運搬代が圧倒的に抑えることができていた。
街の拡張を考えたら価格破壊レベルだ。
なので『リースが妊娠で参加できなくなった』と言ったら、経理を担当するバーニーに嫌味の一つでも言われるかもと覚悟していてもおかしくはないだろう。
結局は杞憂だった訳だが。
「それでリューとん。ルナに聞かせたい話って、リースお姉ちゃんが妊娠したってだけなの? なら研究所に戻りたいんだけど」
バーニーの他にこの場にはもう1人リースの実妹であるルナを呼んでいた。
昨晩は嫁達との取り決めや今後の対応を協議するため、彼女に報告まで辿り着けなかった。
なのでちょうど朝食を摂りに大型研究所から出てきたルナを、執務室まで引っ張ってきたのだ。
しかし反応が鈍い。
「おいおい、ルナの甥か姪が産まれるんだぞ? もう少し反応はないのか」
「反応も何も……ララお姉ちゃんにも赤ちゃんを産んでるから、ルナ的には今更って感じかな。リューとん、もしかしなくても忘れてない?」
ルナの指摘で思い出す。
オレは思わず自身の頭を抱えてしまう。
リースとの間に子供が出来たことが嬉しすぎて、ララと彼女の赤ん坊の件がすっかり頭から消えてしまっていた。
リース&ルナの実姉であるララは、世界中から魔力を奪ったランスの子供を身籠もり、出産している。
現在はハイエルフ王国エノールの地下深く。光も届かない地下牢で母子ともに捕らえられていた。
いくら父親が大罪人でもハイエルフ側だって面倒事には関わりたくないし、責任は取りたくない。産まれてくる赤ん坊を殺す決断を積極的にしたくないのが人情だ。
嫁であるリースに願われ、ララ&赤ん坊の後ろ盾にPEACEMAKERがついたのを口実に、彼女達の扱いに関してはオレ達側に一任されていた。
オレ達の街をあげた結婚パレードをおこなった日とほぼ同時に、ララは赤ん坊を産んだらしい。
母子ともに健康なのだが……どう扱えばいいのかPEACEMAKER内部でどうすればいいのか分からず棚上げしていた。
リースの妊娠に舞い上がっていたが、ルナに指摘されて改めてそれを思い出すことになったのだ。
彼女が追撃してくる。
「それで結局、ララお姉ちゃんと赤ちゃんはどうするつもりなの? ルナは身内だからあんまり強く言える立場じゃないけど……。穏当な処置をお願いね」
「…………」
珍しくルナが大人びた表情で告げる。
リース自身、即刻死刑を自分の我が儘で回避できたため、先程のルナ同様にそれ以上実姉の処遇については口を噤んでいる。
これ以上、口を開くと身内の甘さが出ると考えているのだろう。
とはいえ実際、取れる選択肢は少ない。
『ララと赤ん坊を地下室、または孤立した場所で生活させる』か、『ララは引き続き地下室で、赤ん坊は彼女から取り上げて孤児院、または養子に出す』かだ。
孤児院の場合、エル先生か、その知り合いに。
養子に出すなら、旦那様か、その知り合いに頼む予定だ。
そこでふと考えてしまう。
(リースとの子供が産まれるんだから、ララの子をオレ達が引き取れば、1、2歳差のちょうどいい関係になるんじゃないか?)
リースとララとの間では破綻してしまった姉妹関係だが、子供達は別だ。
『決して悪い話ではない』とつい考えてしまった。
「どうしたのリューとん? 微妙な顔して」
「……何でもないよ。ララと赤ん坊に関して、子供が物心着く前に結論を出すよ。酷い扱いはしないからその点は心配しないでくれ」
「リューとんがそういうなら安心できるよ」
オレの答えにルナは素直に返事をする。
普段からこれぐらい素直だと色々楽なんだが……。
「とりあえず話は以上だな。あとバーニー、一件用事を頼む。ハイエルフ王国エノール宛てにリースが妊娠した旨を手紙に書くから、ミューアに後ほど取りに来るよう言付けを頼むよ」
「えっ!? ハイエルフ王国にリースさんが妊娠したことを教えるんですか? 権力闘争に利用されるんじゃ……」
「その辺りについては昨日、彼女達と話し合い済みだよ」
バーニーの指摘通り、『リースの妊娠』は権力闘争ネタにされる可能性がそこそこ高いが黙っている訳にもいかない。
隠していても、リースが妊娠したことはいつか耳に届く。後から人伝に聞かされて気分を害されるより、こちらから伝えた方がまだいいだろう。
下手に隠して、気分を害し『妨害してやる』なんて暴発されるよりまだマシだ。
「ララさんをメルティアに連れ出そうとした一件があるので、『そんなのありえない』と断言できないのが悲しいです」とバーニーが困ったように眉根を寄せる。
ルナも黙って苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
オレはこの場の空気を変えるため、明るい口調で話を続ける。
「リース両親には手紙を出すとして、エル先生達には直接オレが告げて回るつもりだ。久しぶりにソプラとフォルンにも会いたいしな」
2人ともまだまだ幼いにもかかわらず、拙いながら言葉を喋るようになったのだ!
間違いなく2人は天才である。
ルナとバーニーに力説すると、2人は白い目で見てくる。
『2、3歳の子供が喋るのなんて当たり前じゃない』と言いたげな目だったが気にしない。
むしろ、ソプラとフォルンがいかに天才なのかを力説しようとしたら、執務室の扉がノックされる。
返事をするとPEACEMAKER情報&外交部門担当のミューア・ヘッドが顔を出す。
「リュートさん、今よろしいですか?」
「問題ないよ。それより朝から本部に居なかったようだけど、どこへ行っていたんだ?」
「あらあら団長様ったら。リースさんに赤ちゃんが出来たのに、他の女の行動を知って、縛り付けようとするなんて。早速浮気ですか?」
「おい止めてください。頼むから変な風評被害を広げないでくれよ……。てか、リースに子供が出来たなんていつ知ったんだ?」
「ふふふ、冗談ですよ、冗談。さっき廊下でクリスちゃんに会ったんです。それで知ったんですよ」
ミューアは楽しげに笑いつつ、1枚の封筒を差し出してくる。
封書からすぐ冒険者斡旋組合からの物だと判断できた。
「朝から冒険者斡旋組合に呼ばれまして。先程までクエスト依頼者の方とお会いしていたんです」
彼女の話を聞きつつ、封筒を開き中を確認する。
「!?」
あまりの内容に絶句してしまう。
確かにこれは朝からうちの外交官を冒険者斡旋組合に呼び出すだけの内容だ。
あまりの表情変化にルナとバーニーが興味深そう&心配げに問う。
「リューとん、一体手紙なんて書いているの?」
「も、もしかして冒険者斡旋組合に納める税率が上がるとかですか?」
ルナ、バーニー共に特徴ある問いに普段なら微苦笑の一つも漏らしたのだが、今はそんな余裕すらない。
オレは手紙から顔をあげて、内容を告げた。
「手紙の送り主は魔術師S級『腐敗ノ王』からだ。内容は……『魔王が復活したから手を貸して欲しい』だ」
既に内容を知っているミューア以外のルナ、バーニーが、先程のオレのごとく驚愕する。
こうしてPEACEMAKERは2度目の魔王退治に参戦することになるのだった。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
感想、誤字脱字、ご意見なんでも大歓迎です!
『令和1年12月15日(日曜日)』に明鏡シスイの新作をアップさせて頂きました。
新作について多数の感想、さらに早速レビューまで頂き誠にありがとうございます!
ちなみにタイトルは―― 『軍オタが異世界第2次世界大戦の欧州戦線に転生したら、現代兵器で魔王ヒトラーを倒す勇者ハーレムを作っちゃいました!?』 です!
新作『軍オタ2』は、時間に余裕があり今日は3回更新する予定でしたが、さらに追加で2話をアップする予定です!
非常にボリュームがあり、『軍オタファンなら絶対に楽しめる』と断言できる作品なので、まだの方は是非是非チェックして頂ければ幸いです。
それではまた明日21時に、このシナリオの続きとなる軍オタをアップする予定です。
こちらもどうぞお見逃し無く!
軍オタ連続更新&新作、どちらも是非チェックして頂ければ幸いです!
新作は作者欄からも飛べますが、一応URLも張らせていただきます。
以下になります。
https://ncode.syosetu.com/n5526fx/




