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「ここは・・・・・」
そこは森の中だった。
私、ゲームやってたよね?
もう1度周囲を見てもやっぱり森だった。
「あれ私、ゲームでの姿のままだ」
自分の姿を見て木を触っても感覚がある。
ゲームの中では感覚がなかったのにあるっていうことは現実なのか?
「メニュー画面は出なさそうだね、こういう時は言葉で現れるかな? 『ステータス』」
ナノハ
レベル Max
魔力量 Max
「うん、ゲームのままだね、これからどうすればいいんだろう・・・・・」
◇◇◇◇◇◇
「貴女は、ナノハ様でしょうか?」
数分ほど今後のことを考えていると女性の騎士?が話しかけてきた。
「貴女は誰?」
「申し遅れました、私はユアと言います、ミカ様から貴女を連れてくるように言われています」
「え、ミカこの世界にいるの!」
ミカとは私がしていたゲームを一緒にしていた親友で幼馴染の女の子である。
「やはりミカ様が言っていた、ミカ様を呼び捨てにできる方だ」
「ミカってそんなにすごい人なの?」
「そうです魔法王として有名です」
そういえばミカって昔は『この私に勝てるなんて100年早いですよ』とか『私の左手がうずく』とか言っていたけど、まぁミカ様って言ってもらっているからこの世界でやっていけてるのか。
「じゃあミカの所に案内して」
◇◇◇◇◇◇
「ここがミカ様のお住まいです」
「ここか・・・・・」
そこはボロい家だった。
こんな所にミカが住んでいるの?
「本当にここにミカがいるの?」
「はい、違う家もあるのですがそちらは落ち着かないらしく」
なるほど・・・・・あまり豪華だと落ち着かないのはミカらしいな。
◇◇◇◇◇◇
「待ってました、ナノハ、下がっていいですよユア」
中に入るとゲームのアバターのミカがいたが、口調がおかしい。
まぁ声は前と同じだけど。
「分かりました、では失礼します」
そしてユアは家から出ていった。
◇◇◇◇◇◇
今ミカと一緒にいるけど、第一印象でいうと誰?というイメージだ。
「久しぶりですね、ナノハ、話す前に『ボイスプロテクト』」
そうすると周りに透明なバリアが現れた。
「これで誰にも聞かれません、ナノハ、久しぶり~」
あ、この口調はいつものミカだ、やっぱり他の人といる時は違う口調なのか。
「安心した、いつものミカだ」
「私もやりたくてやってないよ、なんかさ~魔物を次々倒してたらいつの間にかこうなったんだよ~」
お~異世界満喫してますね、魔物を次々倒すなんて。
「そうなんだ~、だけど私としては昨日一緒にいたから久しぶりではないんだけど、飛ばされた時間が違ったのかな?」
「そうだね、私は約1年前ぐらいかな、ここに来たの」
「それで私をここに呼んだ理由を教えて」
「ほんとにせっかちだねナノハは~、これをユラリア王国に渡してほしいんだよ」
ミカから手紙を受け取った。
「ミカが渡せばいいじゃん」
「いや、私これでもこのワグーズ共和国でかなり影響力があってね、私が動くだけで国と国の戦争になるんだよ」
「何をやったの、ミカは・・・・・」
「自重するべきだったんだよね・・・・・この世界に来てテンションが上がって『我が名はミカ、魔法を極める者』とか言ってさ各地で魔物を殲滅してたんだよ、そしたら何故か魔法王とか言われてさ、それから・・・・・」
「分かったから、話が長い!後で聞くから」
「そうナノハが言うなら・・・・・」
◇◇◇◇◇◇
「それでユラリア王国の場所と誰に渡すかだけど?」
ユラリア王国で誰に渡すか分からないとね。
王国っていうんだから結構大きいのかな?
「ユラリア王国はずっと北にあるよ、このワグーズ共和国はこの大陸の南の端にあってユラリア王国は北の端だからかなり遠いね、それと渡すのはメリかな?」
「え、メリここに来てるの?」
メリとは2人目の幼なじみでよく3人で遊んだな・・・・・。
昨日やってたゲームもだけど。
「うん、私は転移系の魔法が使えないから大変だけど、ナノハは転移系の魔法が使えるでしょ?」
「そうだね、だけどこの世界に来てから特技や魔法使ったことないからな・・・・・」
「それなら『ボイスプロテクト』みたいに言ってイメージすれば発動するよ」
「そうなんだ・・・・・」
「ここでは発動しないでね!危ないから!」
「よく発動しようとしたのが分かったね」
「まぁ昔からの仲だから・・・・・それで『フライ』とか使わない方がいいよ、かなり目立つと思うから」
「やっぱり目立つか・・・・・、『インビジブル』してからだったらどうかな?」
「いいと思うけど、『インビジブル』で隠せるのは視覚だけだからね、空で魔物に遭ったら危ないよ」
「やっぱりいるの?空を飛ぶ魔物?」
「まぁ南部はあまり見ないと思うけど北部にいくとハーピーとかガーゴイルやドラゴン系などがいるからね」
「もしかして北部の方がレベルが高い?」
「んー・・・・・どうだろうね、こっちは地上がレベルが高くて北部は空中がレベルが高いかな?」