表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/17

本来の目的

朝がきた。

見慣れない場所で飛び起きてしまう。

ここはどこ?私はだあれ?


上等な寝間着を着て、

ふかふかベッド。夢から覚めても夢じゃないのか?

ここは伯爵家で今は、なんちゃって居候。

伯爵様は、お身体大丈夫なのだろうか?

医学の知識はないけれど、低血糖症?

重度の低血糖になると意識障害になり命にかかわるんだそう。あの時はやはりヤバかったんだね。

無事で良かった。ユリウスくんが悲しむよ。


親がいない悲しみは、言葉にできない。

生まれた時からいないと、あ、生まれた時はいたか!

物心つくころからいなければ、親って何?ってなるけど

居てくれた人が急に居なくなるのは辛いとおもう。


私にも、両親がどこかにいたんだよね?

生きているのかはわからないけれど、確かにこの世にはいたはずなんだよね。

捨てられたのかな?それとも育てられなくて泣く泣くだった?平民でも貧富の差はある。

兄妹とか、居たのかな?

ここではまだ、未成年なのよね?

向こうに居たら成人だから、働いて自立して結婚も視野に入れて相手を探していたかもしれない。


孤児どおしの結婚なら、障害がないかな?

でもうちの院には、適齢期の男子がいなかった。

男の子は、もらわれて行く方が多かった。

私の目が気持ち悪かったのかもしれない。

聞いたことなかったけど。


そうそう、私のこの国に来た目的。

文化や美しいものを鑑賞すること。すっかり忘れてた。

お金はまだ少しある。

家を借りるくらいは残して、あとは感性の赴くままに

芸術を浴びたい。

仕事みつけながら、目に焼き付けに行こう。


芸術鑑賞の許可をもらいに伯爵家の執務室を訪ねることに。執事さんにお願いしたらすぐ呼ばれた。

御本人に体調のことを聞いたら、食事と定期検診でなんとか元気だと答えてくださった。良かった。

芸術鑑賞は、いつでも行けばいいと許可をもらえた。


仕事を探したいと言ったら、隣国へと送る書簡に不備がないかチェックする仕事はどうかと提案された。

私の母国語だ。読み書きはどちらの国のも出来るけれど

ビジネス用語などはよくわからない。

とりあえず、辞書を引きながらやってみて欲しいと言われた。言語なら楽なのに…と言うと。

通訳としても、試しにやってみたらどうかと。


伯爵家の取引先の商会が、通訳兼翻訳が出来る人材を

探しているらしい。

勉強は好きだから、足りない所を補えるサポートがあれば受けてみたい。

商会長と、近いうちに面談しようという話になった。

流れゆくマイライフ。

ここでも、流されてみるか。


住むところも、今はここで頼むと言われた。

伯爵家のお手伝いをするなら便利だし、

奥様の社交復活のサポートを頼まれた。


そう言えば、あのご令嬢はどうなったのだろう?

この国のお嬢様だったよね?

王妃様のお茶会に選ばれたのだろうか?

顔がとても怖かったけれど、普段の顔が見てみたい。

絶対美人さんだと思うもの。

でも、あの時の顔を思い出すとちょっと笑える。

猛獣に追いかけられて逃げきったような?

貴族だって、人間だもの…ね。


その頃、とある邸宅のとある豪華な部屋では

ひとりの侯爵令嬢が盛大なくしゃみをしていた。

「へっぶしょん!」

侍女が風邪かと慌てて飛んで来たけどその気配はない。

誰か私の噂してる?などと庶民的なことは言わない。

それすら知らないお嬢様の

ケイト バッドウイングだったのである。


ちなみに、例のお茶会メンバーには見事合格。

王妃様には、あの生地に見覚えがあったのだ。

最高級のあの生地を取り寄せたのが、王妃御用達の店。

それに、刺繍のセンスも良かった。

なぜ、あのハンカチを持っていたのかは謎ではあるが

王妃が渡した人からまわりまわって戻ってきたことに驚きと面白さを感じさせたことで受け入れた。


もともと王妃のお茶会のメンバーだったグレンジャー伯爵夫人も、そろそろ再び参加すると王妃の耳に入っていた。癖のある夫人たちの心無い言葉のせいで引き込もってしまった伯爵夫人。

復活した暁には、守りを固めて反撃の狼煙を上げようか?などとちょっと怖いことを考えている王妃様なのだた。

王妃様は、過激なくらいで丁度いいのか?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ