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虹色の鉱石

伯爵家のお仕事のお手伝い、商会長と無事面談出来て翻訳関係の仕事、どちらもこなしながら日々の生活を送っていた。


頼んでいた宝飾店から連絡が来て、完成したペンダントが届けられた。

キラキラと光を反射しながらも、自分でも光を放っているような、見るものを引き付けてやまない魅力がそこにあった。

深紅のベルベットを張り付けたケースに、金が映える。

奥様、喜んでくださるかな?


いつもの食事の時間、サプライズは大成功。

伯爵家とユリウスくん、奥様の前でケースを開く。

そして、これは伯爵家と私からだと。

これからの奥様の気持ちを応援する、形あるものだと言った。形にないもの、支え合い励まし合い見守る気持ちもたっぷりと込めてある。

いい家族だ。ちょっぴりうらやましくて涙が滲んだ。


王妃様のお茶会は来週だ。

この護りの石で、どんと来いだ。奥様が素敵に輝きますように。


そんなこんなで、お茶会の日が来た。

久しぶりに出席した奥様に、まわりも静観していたけれど仲の良いご婦人たちは涙して迎えてくださったらしい。


胸の上に煌めく虹色のペンダントは、

知る人ぞ知るな魔窟の秘宝。冒険者からのゴニョゴニョという貴族のごまかしハイレベルな技で乗り切ったとか。

王妃様にご挨拶に伺った時には、さすがにゴニョゴニョ言えないから本当のことをお伝えした。

冒険者を助けた時に、預かっている娘がもらったもの。

綺麗な石が本日のドレスコードだからぴったりだと

プレゼントされたこと。


実は、王妃様も同じ石をお持ちでルースのまま

時々眺めて楽しんでいるみたいだった。

こっそりナイショで教えてもらったとか。


綺麗な石は、ドレスに煌びやかに縫い付けられていたり

髪飾りに輝いていたり、台座に大きな黒曜石を乗せた指輪などもあったりで、

色とりどり、美しさもあり趣もあり、穏やかな落ち着いた石のアクセサリーなども見かけたらしい。


私も見たかったな。

でも、奥様の虹色ペンダントを着けた美しいお姿が見られて良かった。


なんたかんだと、伯爵家で居候のまま。

奥様は、お茶会から外へと出る恐怖が薄らいだようで、

良い傾向だ!と伯爵様が言っていた。

夜会もあるみたいだけれど、伯爵様の体調もあるので

招待状を厳選して、お二人で参加するようにしたらしい。

どちらも麗しい外見をなさっているから、

見てるだけで心が踊りそう。私はダンスが出来なかったけれど、ユリウスくんのレッスンの相手をして欲しいと言われ、基本的な形にはなったかな?

披露することはないから、運動の一環。


そろそろ、客人ではなくて雇われ人として扱って欲しい。部屋もメイドさんたちと同じ棟でいい。

もちろん食事も。と執事さんにお話したらなぜか全面却下されてしまった。なぜ?


ユリウスくんと一緒に勉強する時間も設けてもらってるから?そうなるともっともっと気合い入れてお役に立てる人にならないと。


そんな平和な伯爵家に、突然王妃様がお忍びでやって来ると言う。

この国のトップオブザトップだけどいいの?

王妃様の弟様が、実は伯爵様と同級生なんだとか。

その弟様を護衛にこっそり?


伯爵家は、静かながら嵐のような騒ぎとなりつつあった。声も出さずにおおわらわ?

磨く、拭く、整える、掃く、飾る

そしてピカピカなお屋敷の出来上がり。


さあ、王妃様どこからでもか…かって

いや、そんな不敬なことは思うだけでもダメダメ。

いつでもいらしてくださいませ。

私も、ピカピカのお手伝いをしてこっそりお姿を拝見できたらと存じます。





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