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世界7:真っ暗な世界
この世界は真っ暗だった。
空は煙や灰で覆われ、日の光がほとんど届かない。
活気もなくどんよりとした雰囲気が漂っている。
人々が生きながら死んでいるような、このまま衰退していきそうな世界。
自分のこれまでの道のりと似たような感じがして、なんだか少し休めそうな気がした。
こんな世界だからか誰も幸せそうではなかった。嫉妬の気持ちが湧かないからか、他の世界より比較的居心地が良かった。
だからしばらくそのまま過ごしてみた。
退廃的な暮らしで。なんとなく。
でも、幸せとは程遠い。長く過ごしたところでそれが手に入る予感すらしない。
また戻ってくることが出来たら良いなとは思いつつ、そんなわがままは叶わないであろうことが分かっているからこそ。
忘れ去るために消し去った。