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破壊少女の異世界放浪  作者: NoMo:re
プロローグ
3/12

世界2:家族

 今度は家族が居た。

 お世辞にも良いとは言えないないが悪くない暮らしだった。

 親に可愛がられ、姉と楽しく遊んだ。

 この時初めて『ミオ』という名前を付けられた。

 初めて幸せを感じた。何故別の世界に居るのかなんてどうでも良かった。

 この暮らしが続いてほしいと願った。


―――父が兵士として戦争へ行く事になった。また争いによって安定は失われた。

 それどころか国の兵士がやってきて反逆者として捕らえ、処刑しに来た。

 父が濡れ衣を着せられてしまったようだった。

 残された家族は泣き、悲しみ、助けを求め、なす術無く処刑された。


 私は初めて他人のために泣いた。

 国を憎んだ。守るべき民に刃を向ける国を。

 世界を憎んだ。家族(しあわせ)を引き裂く運命を。

「何故無実の私たちを殺す!抵抗すらままならない私たちを!」

 観衆は嘲笑う。

「お前ら皆死んでしまえ!国なんて滅びてしまえ!」

 初めて世界を破壊してしまいたいと強く思った。

 そして、壊す力があることに気がついた。

 初めて明確に自分の意思で世界を壊した。

 あらゆる場所にひびが入り、崩れて消えてゆく。

 人々は慌て、泣き叫び、助けを求め、なす術なく崩れ去った。

 とても愉快だった。だが同時に虚しかった。




 世界が崩れ去ったあと、初めて虚無を見た。

 私の目にはえもいわれぬ美しい景色として映った。

 自分と虚無の境は曖昧で今にも体が霧散してしまいそうだった。

 虚無の中で別の世界へ繋がる道が幾重にも分岐し、果てしなく延びていた。

 数多の(せかい)の中から私は1つ選びまた、新しい世界を訪れた。


 これが初めて力を自分で使った時だった。

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