31.5 断話
今日の輝夜。いえ、忙しい毎日をひたすらマスターの為に働く輝夜は今日もせっせっと機織りならぬ服を仕立てる。
長期休暇でママさん達が着る服を仕立ているのですが、優秀なメイドの矜持に掛けて、一着づつなんて真似はできません。なので一週間は日替わりで着られる服を仕立てあげるのです。
そんな私が日々忙しい毎日を送る中。マスターといえば相も変わらず、格闘訓練でボコボコにされる毎日。よくもまぁこんなにボコられるものだと逆に感心します。
「あ、時間ですね」
疲れて眠るマスターのおでこを撫でた後、部屋を後にしてママさん達と合流して輝夜はママさん達と日本にお忍びで出掛ける。
あっちの深夜が日本の午前九時頃で、デパートなどの開店時間に合わせて小型ゲートで日本に行く。勿論、日本で浮かない服装で。
銀髪メイドでガイド兼通訳。
輝夜は自分の才能が恐ろしくなります。優秀過ぎて。しかし、どこから情報が漏れたのかアマテラスが私達の前に現れた。
簡易的な挨拶の末。彼女に裏に呼ばれて激しく叱責される。なぜ結菜様にだけ映像を送ったのかと。
「マザー。いつの間に人間になったのですか」
「ええ、これは皇太子殿下が来た時によ。彼女は私に何も教えずにしてくれたの。そういうあなたもですよね」
「はい。私もセオリツヒメ様にしてもらいました」
そんな事を話しながら、さりげなく情報を交換する。マスターの好みなども織りまぜながら。
そして別れ際にカードを一枚渡された。
「これは」
「皇帝陛下達のショッピングに使いなさい。永遠に使えますから今後の来日の度に使用できます」
「では私も」
もう一つの魔力エネルギー小型モジュールを手渡した。
「あちらの魔力増幅バッテリーみたいな物です。この小ささで宇宙戦艦を稼働させられます。ちなみに輝夜はこれをマスターの為にブレスレットに搭載しました」
「そう。あなたらしいわね」
「それと最後に」
私はマザーの耳元で用件を伝えて別れた。
その後、ママさん達と衣服やゲーム機などの娯楽品を抱えきれない程購入した。
「この方達が、マスターの義理の両親で良かったです」
仲睦まじいこの夫婦が家族なら、きっとマスターも幸せになれる。そう輝夜は確信します。
「輝夜ちゃん。本屋さんに行きたいわ。さっきの料理のレシピも知りたいし、マンガとかも」
データでも購入できます。と教えたが。それでは味気ないと断られた。
マスターもそんな感じですし、そんなものなのかと本屋さんへ連れて行くと、店舗にあるほぼ全種類を一冊づつ購入していた。
その行為にはさすがに輝夜もドン引きしましたが、その後に私の服もハイブランド店で購入してくれたので、本屋さんでの事は輝夜の記憶から消去されました。
お付きの人が増えて、購入したものを次々と運んでいく。
少しだけ国費の事が心配になるが、カードの名義はハル社だった。
「これならいくら使っても心配ありませんね」
こっそり、輝夜の下着も何着か購入した。
勿論、マスターの好みのやつをです。
はぁ、でも本物の身体は本当に疲れやすいです。
帰ったら、ぐっすり寝られそうです。
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