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 はあああ、これは大迫力だ。

 宇宙艦隊なんてものを生で見た地球人は、俺が初めてと歴史の教科書に載る偉業じゃないか。

 まぁ、活躍すればの話なんだけどさ。


「間もなく、こちらの射程距離に入ります」

「射程内に入り次第、敵艦隊に向けて一斉砲撃」

「了解。射程内に入り次第、敵艦隊に向けて、全艦一斉砲撃を開始します」


 おおお、ワカちゃん。かっこいい。


『マスター。本日のラッキーカラーは水色と黒。どちらにしますか』

「考えるまでもない。水色だ。愛しの彼女の髪色に決まってる」

『さすがはマスター。そう答えると思っていました。では本日はバトルメイガスシステムはタイプPです。マスター、張り切って参りましょう!』

「おう。そのタイプPとはよくわからんが。輝夜、サポート頼んだぞ」

「かしこまりました」


 なんか今回の輝夜、やたら機嫌がいいなあ。

 久々のフォームチェンジだから張り切ってるのか。まったく、戦鬪狂はどっちだよ。


「射程距離突入までカウントダウン開始します。スリー、ツー、ワン、ゼロ」

「全艦砲撃開始!」


 一斉に全艦から赤いビームが放たれ、敵艦隊に向けてビームが伸びていく。

 その無数の赤いラインが真っ直ぐ伸びていく光景に、ここは戦場だと一瞬忘れ。その輝きに見入ってしまう。


『マスター三分後にフォームチェンジ後。敵、総旗艦に瞬間移動にて接敵し、一撃で落とします。よろしいですか』

「ったく。マスター使いの荒いやつだ」

『え、マスターならこのくらいは余裕ですよね』

「ふう、輝夜の期待に応えられるよう頑張るよ」


「コウタ様。もう、出撃なさるのですか」

「まあ、敵の旗艦に挨拶してこようかな、なんて」


『マスター時間です』

「バトルメイガスシステム起動。チェンジ、スタイル!」


 常のようにエフェクトが走り、衣服が全て消え、武装が装着されていく。久々の変身に心が猛る。


「え、えっ、コウタ様、なの。かわいいー!」


 ワカちゃんが飛んで抱きついてきた。

 俺の肩に掛かる見覚えのある水色の髪。

 そしてゆっくり視線を落とすと、


「輝夜、タイプPって、プリティのPかよ!」

『正解です』


 俺はワカちゃんを振り解いて速攻で瞬間移動を決めて宇宙に飛び出した。

 そして武器はというと。前にゆい姉が持っていた、槍が変形したやつとよく似た武器を、俺は手にしていた。


『戦艦落としならこちらの武装がベストです。さすがの選択です、マスター』

「うるせぇ。ハメやがって」

『その高い声で言われると暴言の威力も半減しますね。あ、そのまままっすぐです。マスター、あの一際大きいやつ見えます? あれが敵の旗艦です。敵に向けてさえくれれば、私が必ず急所を射抜きます』

「ほう、射撃アシストまでしてくれるのか。輝夜、良い子に育ったな」

『はい、お任せください!』


 無数のビームが飛び交う中、躱しながら高速で飛行する。

 なんとなく、短いスカートが気になる。


「俺、ついてるよな」

『今、完全女の子です』

「なっ、輝夜! おパンツガード頼むぞ!」

『はい。それよりマスター、砲撃構えです!』


 武器に魔力を流すと先端が上下二つに別れ、中央から銃身の先端部らしき物がほんの少し出てくる。

 槍の柄にはトリガーが水平に取り付けられていた。そして槍を構えるように武器を構え、トリガーに指を掛ける。

 視界にはターゲットリングが映り。


『マスター、反動に気をつけてください』

「了解。エーーンド、バスター!」


 輝夜が示した場所にターゲットリングを合わせてトリガーを引いた。

 螺旋を巻いて赤い光帯が光の速さで伸びていく。

 その赤い光帯は輝夜の示した場所に見事に命中し、そしてそのまま旗艦を撃ち抜いた。

 少し間を置いて旗艦の内部が大爆発すると、そのまま船体が激しく破裂するように吹き飛んだ。


『目標の破壊を確認。さすがです、マスター! この調子で張り切って、どんどん落としちゃいましょう!』


 武器の威力にドン引きしながらも、輝夜の指示通りに飛びまわり次々と宇宙艦を落としていく。


「なあ、普段よりかなりイージーなんだけど。ドッキリとかじゃないよな」

『マスター。勘違いしないでください。武器の性能が良いだけです。マザー。いえ、アマテラスに後でちゃんとお礼してください』

「了解。あっちに戻ったら、ちゃんとアマテラスにお礼を言うよ」


 その後も敵の小型機に追いまわされたりもしながら、なんとか切り抜け撃破数を積み上げる。

 いつもより体の調子がいいし、魔力効率も断然よく感じていた。

 だが、パンチラしてないか気になってしょうがない。こんなに気になるとは思わなかった。


「輝夜さんや。ちゃんと男に戻るんだよな。それに、おパンツガードもちゃんとしてくれてたんだよな」

『大丈夫です。マスターの水色のおパンツは誰にも見られていません』

「なんで水色なんだよ!」

『あ、マスター。ビームが右斜め下から、このままでは直撃します!』


 咄嗟に躱しながら魔法障壁を展開してビームを逸らす。そのギリギリさに肝を冷やす。


「やばい。マジで今のは死んだと思った」

『小型機からのビームで助かりましたね』


 やばっ、これは気を抜いてたら本気で死ぬな。


「輝夜は死角からの敵のビームに最大限警戒を頼む」

『はい!』


 これ黒のドレスでほんと良かった。

 白とかだったら狙われてばかりだったよな。


『敵、残り六十。マスター体力は大丈夫ですか。きついなら、一度戻りましょう』

「もう少し行けるけど無理するのは駄目だよな。よし。ん、帰還するって、どこに戻れば良いんだよ!」


 迷子になってしまった。大体、上下前後の感覚が曖昧になってくる。

 そのくせ敵は立体的に、上下逆さまに並んでたりするし、本気で自分の位置を見失う。


『帰還ルートを視界に映します』


 輝夜によってルートが示され安堵する。


「こんなの輝夜が居なかったらとっくに御陀仏だ。この事は戻ったらちゃんとアマテラスに報告しておこう。宇宙戦闘は輝夜くらいサポート出来なきゃ駄目だってさ」

『まあ、そうですね。ただ、輝夜くらいできる女はいませんけど』


 初の宇宙戦闘はとても疲れた。

 まだ持つと思われた体力も、ワカちゃんの所に戻った時には肩で息をする程疲れていた。

 成果よりも、反省点が多い戦いだった。


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