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 惑星ティアマトで洸太が呑気に日々研鑽に勤めている一方で地球は、というと。

 惑星ニビルについての情報を世界各国に天皇陛下の名で情報公開していた。また、核となる技術は秘匿されながらもこれまで以上に魔導兵器を数多く輸出し世界のリーダー的立ち位置を確固たるものにして、はいなかった。

 常の。うちは勝手にやるから、そちらも好きにして。あ、リーダーしたい人がいたらどうぞどうぞ。のスタンスだった。


 そして今日もトカゲタイプとヘビタイプとの戦闘の上、見事に撃退した赤城一佐率いる第一バトルメイガス連隊は暫しその戦場で話し合っていた。


「近いうちに洸太が戻ってくるという話はどうなったんだ。いつまで経っても戻って来ないではないか」


 舞先輩。私を睨んで見られても困るよ。


「本当ですよね。結菜先輩は何か聞いてはいないのですか」


 律、聞いてたら教えてるから。


「ゆい。あなたは平気なの」

「れーこ。あのね。平気とかそういう問題じゃないでしょ。私には待つことしか出来ないんだから」

「洸太が居なくなってすぐに倒れたお前にしては、大した変化だな」


 もう。そうやって私に八つ当たりしないで。


「舞先輩はすぐにそうやって喧嘩腰になるのは良くないよ。私は、私らしく洸太を待つだけ。そりゃあ少しは寂しいけど、今はそれしか出来ないからね」


『あの、気づけなくてごめんなさい。お姉様の近いうち。私達、長命種の近いうちは早くてこちらの一年くらいだと思います』


 美緒ちゃんから衝撃の事実を知らされる。

 その事実に舞先輩は怒りでワナワナと震えている。


「それを先に教えんかっ!!」

「そうですよ、美緒さん。こんな話は毎日してたじゃないですか」


 舞先輩、律と美緒ちゃんを責めるが、美緒ちゃんにとっては常識過ぎて気付かないのも無理はないよね。

 二人もそんなに怒ってないで、洸太のクラスメイト達みたいに、あと半年で会えるって、喜べばいいのに。


 私はそんな喜んでいる彼女達を見て微笑ましいと、笑顔が溢れた。


「ゆい。本当に変わったわね」

「まあ、夢の中でもう一人の私に諭されたし」


 あの絶望に暮れて眠りについていた私の夢の中に現れたもう一人の私。

 そんなもう一人の私の事を思い出す。


 彼女は私と違って強く感じた。

 心も力も、何もかも全て。

 きっとそれは私が理想として追いかけてきた私。

 洸太を守る為に強くなろうとした私。


「あれ、私らしくって、なんだろう」

「はぁ、何よ今更。洸太命のわがまま女でしょ」

『悪鬼羅刹の猪女』

「傍若無人の戦鬪狂、だな」

「違います! 結菜先輩は、可憐で最強の戦乙女ですから!」


「よし、律。君の意見を採用しよう。私は今日から可憐で最強の戦乙女よ!」


 私は左腕を天に突き出した。

 それを見て、洸太のクラスメイト達が大歓声でそれを支持してくれた。

 でもそれとは逆に、舞先輩とれーこは頭を抑えてため息を吐いている。


『第一バトルメイガス連隊のみなさん、遊んでないで早く帰還してください』


 最近グルメでおしゃれなアマテラス総司令から、早く帰還せよと急かされた。

 なんか軍服も素敵にリニューアルしたし、最近の彼女はとても優秀で美人セクシー乙女と化している。けれど、怒ると怖いのは変わらない。


「みんな、帰還するよ!」

「作戦終了、これより府中基地に帰還します」

『了解。』


 私達は快勝したこともあって、皆笑顔で帰還した。



「つまらん。なぜ、こんな宇宙戦鑑暮らしをしなければならない。こんなに愛しい妹のすぐ側に居るというのに」

「皇太子殿下から厳命されたではありませんか。我慢してください」


 最新鋭の宇宙戦艦。その暮らしに不自由はない。ないのだが、私の行動は不自由なのだ!

 まず一つ目、必要以上にイザナミに接近してはならない。

 二つ目、任務以外で週に一度以上地球の大地に降り立ってはならない。

 三つ目、人前で淫らな行為をしてはいけない。

 そして四つ目。これがまずい。それらを違反した際は殺す。問答無用で殺す。と、厳命されたのだ。


「タケミカヅチ司令。中東のイラン上空に高濃度魔力反応を感知しました。迎撃にでますか」

「奴等で対応は出来ないのか」

「恐らく敵は主力級と思われますので、ほぼ不可能かと」

「はぁ、適当にお前が選んで迎撃に向かわせろ」

「はっ! 了解しました!」


 さすがセオリツヒメが鍛えた精鋭だな。その後ろ姿にも覇気を感じる。


「タケミカヅチ様。このままでは本当にお飾りの司令官になってしまいますよ」

「ベンザイテン、そう言うな。お前までに見放されたら辛い」

「なら見放されないような行動をしてください。このままなら、別れさせて頂きます」

「なっ、そんな、嘘だよな」

「いいえ。本当です。あまり私をがっかりさせないでください」


 私はこの瞬間から心を入れ替えた。

 任務に忠実に。そして完璧にそれを果たす。


 男とは、女で変わるものよ。

 我が愛しのベンザイテン。俺は君を離さない。


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