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明日も投稿しますので、よろしくお願いします。
今日は朝食後からすっと美緒とタブレット端末で一緒にゲームをしていた。
なぜ、ゲームをリアル3D空間でしないのかといえば、身の危険があり過ぎるからだ。
確かに何かあれば輝夜が警告はしてくれるが、それでもクラスメイト達の素早い身のこなしを考えれば間に合わないかもしれない。
そんな訳で、窓辺の小さなテーブル越しに向かい合ってゲームを楽しんでいた。
最近の美緒はゲームやアニメ。マンガなど様々なオタク文化にすっかりハマっていた。
その好みのジャンルも、勧めてきた桜さんの影響もあってか、桜さんとよく似ている。
わりと、イケメンお兄さん系が好きらしい。
また、魔法少女ものは大好物だ。
最近はいにしえのアニメで中でも有名な魔法少女アニメにどハマりをしている。
「そういえば、お兄さんこの近くにいるらしいけど会わなくていいの」
それは先日、ピュア子ちゃんから齎された情報だった。慌てて浴衣姿で抱きついてきた時には少しドキドキしたものだ。
あのちょっと控えめな感触が忘れられない。
「とっくに監視と行動は詳細に記録してたから大丈夫」
やっぱり、アマテラスの監視からは逃れられないのか。
「会って、味方にはなってもらえないのか」
「そうも考えたのだけれど、あっ。今のはずるいよ、コウタ」
うっかり美緒が倒した敵のドロップを横取りしてしまった。
「あ、ごめんごめん。今、返すよ」
「ほんと。ありがとう。でね、私がコウタと結婚したなんて知ったら暴れだすかもしれないし。しかも複数の中の一人と知ったらさらに危ないかなって」
「別に隠すことでもないだろ。俺なら大丈夫だしさ。それに、皇族は相手が複数いても大丈夫だって言ってなかった」
「そうなんだけど。お兄様は私に限ってかなりのシスコンだからね。何を言い出すのか分からなくてこわい」
その可能性もあるのか。
でも、お兄さんを味方につけたら鬼に金棒だよな。美緒と二人ならどうにかならないか。
「そんなの無理。逆立ちしたって、一番上のお姉様には敵わないわ」
なんか最近言葉が色々と毒されてきたな。
これは、ゆい姉の影響か。
「そんなに強いの」
「帝国の中で最も」
はぁ、なんとか見逃してくれないものかな。
そんな事を考えながらゲームをしていたら、雑魚にやられて死んだ。
なんとなく不吉な予感がした。
俺は昼過ぎから一人で散歩に出掛けた。
なんとなく美緒のお兄さんが目撃された場所へ。
「やばっ、ほんとにいた」
二人揃って浴衣姿で腕を組んで、こちらに向かって前から歩いてくる。
『緊急離脱を進言します』
その輝夜の言葉通り、クルッと右を向いて十字路を曲がる。しかし、服の襟首を掴まれて止められた。
「貴様。あの時の魔法使いだな」
「さあ、なんのことでしょうか」
お兄さんは流暢な日本語で話しかけてきた。
「惚けても無駄だ。お前のことはしっかり記憶している。その忌々しい遺伝子もな」
俺は引きずられるように、お兄さんの宿に連れていかれた。
そして、お兄さんと話すことになった。
「お前からイザナミの匂いがする。一体どういうことだ」
「え、婚約者です。というか、昨日特例で結婚しました」
いきなりそんな事を訊かれて、つい素直に話してしまった。
「お前はあの苛烈な炎女の男ではなかったのか」
「その人が第一夫人です」
もうヤケだ。こうなったら素直に語って味方になってもらおう。でも、目がこわい。
「ほう。私のかわいい妹が二人目だというのか」
「まあ、そんな感じです」
「お前からイザナミを誑かしたのか」
「いえ、彼女からです。出会ってすぐに」
うん。ここまで嘘は言ってないはずだ。
でもさらに睨まれた。マジでこわい。
「ベンザイテン、一度戻るぞ。用意してくれ」
既に銀髪メイド姿に変わっていた女性は、お兄さんの服を着せ替えていた。
「お前を今から星に連れていく。なぁに、安心しろ。殺しはしない。だだ、色々と調べさせてもらうだけだ」
突如部屋に黄金のゲートが現れ、俺はまた襟首を掴まれたまま、さっきと同じように無理やり連れていかれた。
『超高濃度魔力を感知しました。場所はあのXの潜伏先です。ゲ、ゲートです。小型のゲートが出現と同時に二人。いえ、三人の反応が消失しました!』
アマテラスはその報告に眉を顰めた。
「二人とは。映像を至急確認して三人目を特定してください」
『そ、それが。Xが部屋に戻ったところで映像が乱れて確認できません』
「あの周辺の映像はどうなっていますか」
『はい。監視班からの報告によれば高校生らしき男の子を引き摺るようにして宿に向かったと』
「その映像をこちらに!」
アマテラスはその映像を観た途端に、膝から崩れ落ちた。
「そ、そんな。洸太さんが……」
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