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 確かに俺の部屋は広い。教室より少し狭いくらいかと思う。けれど、だからといって全員で俺の部屋に押しかけてくる必要はない!


 それにこの部屋は摩訶不思議だ。

 就寝タイムに合わせて自動で部屋の中の人数に応じて壁からベッドが出てくる。そしてそのベッドの広さによって家具が壁に自動収納されるのだ。

 と、目隠しをして分からない俺にミズハが教えてくれた。


 現在、俺の隣りを懸けて妻たちが熱い勝負を繰り広げている。……あっち向いてホイで。


「なあ、なんで目隠しをしてるのに出来るんだろうな。俺より後から始めたくせに。ちゃっかり俺より上達するのはやめて欲しいよ。特に朧」

「以前から王より目に頼っていなかったからでしょう。その分慣れるのも早かったのだと」


 ミズハがシーツを直しながら答えてくれた。

 でも俺にだって大体認識できるようになった。

 現に今だって、ミズハ達がどんな体勢で何をしてるのか分かるし。


「さすが私。洸太の左隣りは譲らないわ」


 結が朧との決勝戦に勝って、俺の隣りにきた。そして小さな朧も右隣りに寝転ぶ。


「こうちゃん、久々だね」

「だな。朧は中々来てくれないからな」

「だってこうちゃん激しいんだもん。何日かジンジンするしね」


 まあ、小柄な朧には大変だったのか。そうならそうと早く言ってくれたら良かったのに。


「まあ、洸太のサイズは私でも気持ちいいけど大変だからね」


 そう言いながら撫でるのはやめて。


「どうやって参戦するか作戦会議しない」

「でも結菜さんだからなぁ。私たちが参戦したら女勇者プレイになりかねないよ」

「たしかに。あれは色々とまずいよね。向こう側から戻れなくなりそうになるし」

「うん。ひめたんみたいになるのもあれだよね」

「それにさ。三笠ちゃんやワカたんみたいにピュッピュッするのもね」

「してないから! 変なことをいうのはやめて!」


 相変わらずお馬鹿な会話をしている。

 でも何気に一番エッチなのは最上だ。隠れ腹黒の隠れどスケベなのだ。彼女の性への探究心はとどまることを知らない。


「ねえ、洸太。琥珀ちゃんが気を失ったのにやり続けるなんて鬼畜だね」

「な、なんで知ってんの!」


「私たちの間で隠しごとはないの。全て共有されるわ」

「いや、全てではないですけどね」


 朧が顔を少し引き攣らせて結の言葉を訂正した。


「でもさ。洸太に琥珀ちゃんが屈したのは私としても鼻が高い」

「ユイナ、ふざけたことを抜かすな。私は屈してなどいない!」

「え、よだれを垂らして五回も気を失ったのに」

「話を盛るな! 本気にされたらどうするのよ!」


 うむ。うちの奥様達のツートップがじゃれあっている。以前は琥珀のポジションに咲耶がいたのだが、その座を琥珀に奪われたしな。でも咲耶がトップ下で色々とフォローしてくれるから家族仲が上手くいってるのはあると思う。

 そんな咲耶が俺の腰の上に乗った。


「コウタ。ここ最近、輝夜ちゃんが少しイライラしてるのよね。コウタリウム不足で」


 なんだそのコウタリウムって。前に結も言ってたけど、そんな物質あるのか。


「避けられてるのは俺だし」

「セオたん、ほっときなよ。私たちが口をだしても余計に拗れるだけだよ」

「そうそう。輝夜のことは桜に任せておけばいい。今は凛花と三人で気楽にやってる方が楽しかろう」


 琥珀がそう話しながら咲耶の真後ろに座った。それがちょうど股間の位置で何かと困る。


「あの展開は危険があぶない。朧ちゃんがとうとうあの蔦に絡めとられちゃうよ」

「今まで頑張って避けてきたのに可哀想だよね」

「最近特に凶悪になったからね。結菜さんて拘束されてからの、くっころ展開好きだよね」

「ほら、あれだよ。偉い人が赤ちゃんプレイが好きなと一緒なんだよ」

「ち、違うから! 誤解されるでしょ!」


 結が真っ赤になりながら否定した。

 我が元クラスメイトながら恐ろしい胆力だ。強大な相手に立ち向かうその胆力に脱帽する。


「あ、そうだ。明日の訓練でさ。蔦から逃げるってのはどうかな。ものすごく上達しそうじゃない」


 あほな大和がとんでもない事を言いだした。だが。


「いいね、それ」

「うん。かなり面白そう」

「逃げ場も無いくらいにいっぱい出てきたら訓練になるよね」

「そうそう。味方にぶつからないで避ける最適解を瞬時に導く。いいねえ、強くなりそう」


 おい。逃げ場がなかったら逃げられないだろ。


「良いわね。明日の訓練はそれでいきましょう!」


 なぜか全員一致で訓練内容が決まった。


「捕まったら自分で蔦を切って逃げ出すのは反則ね。でも他の人が蔦を切って助けだすのはあり。一時間全員が逃げ切ったら勝ちにしましょう。でも、捕まったら容赦なく責められるから本気でやること」


 それ、目隠しをしながらやる事じゃないよね。普通にやってもハードだよね。


「はい! 明日は私たちも参加しますわ。ねえ、ワカヒルメ」

「いや、ちい姉様。私はちょっと。あっ、急にお腹が。イテテッ」

「ダメよ。私たちが彼女達にお手本をみせるの」

「ちい姉様だけでやってくださいよ。私まで巻き込まないでください!」


 あああ、これは絶対に巻き込まれるやつだ。ワカたん、ご愁傷様でした。


「洸太。他人事みたいな顔してるけど、洸太は強制参加だからね」

「はい? 結菜さん、何あほなことを言ってるのですか。絶対にやりませんから」

「へええー。逃げるんだ。こわいんだ。意気地なしなんだねぇ、洸太は」

「はああ。できますけど。こわくもないし、逃げもしませんけど。それに意気地なしなんかじゃありません」

「じゃあ、証明してみせてよ」

「はん。お安いご用意ですよ」


「なあ、ここまで煽りに弱いと哀れに思えるな」

「あん。俺が捕まったら琥珀も拘束だかんな。一連托生にしてやんよ」


 こうして俺が捕まったら琥珀も拘束される事が決まった。しかも琥珀を助けられるのは俺だけというルールで。そして最後のルールを指定する。


「俺と琥珀が最後まで逃げ切ったら、結は敗者として一人だけ別に全員の前で一時間拘束だからね」

「上等じゃない。その勝負受けて立つよ!」


 こんな感じで明日の訓練が決定した。

 そして何故か明日の予行練習がベッドの上で激しく淫靡に繰り広げられた。


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