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 ミズハ達を連れて宇宙艦に乗艦すると絵里と晃に偶然出くわした。

 立ち話をしていると意外なことに晃がメインの操舵手で、絵里が主砲の攻撃手で二人ともブリッジでの任務というエリートの中のエリートになっていた。


「二人とも凄いな。晃がこの(ふね)を操るのか。それに絵里も主砲の発射官か。なんか納得するな」

「ああ。このために二人で厳しい訓練を乗り越えてきたからな。まあ、俺たちに任せておけ。洸太をきちんとフォローしてやるよ」


 ナイスガイな笑顔を向けるが、それに素直に応えられない。


「ああ、任せた。けど、俺は戦闘に参加できないんだ。でも二人のことは応援してるからな」

「こうちゃん、何があったの」

「まあ、精神的なところで色々と。まあ、あれだよ。二人が気にすることじゃないから心配するな」


 そんな感じで逃げるように二人から離れて自分に与えられた私室のドアを開けて目を見開いて驚いた。

 ティアマトの自分の部屋よりも豪華な部屋で、しかも五人以上は余裕で寝られるベッド。そんな宇宙艦に不似合いな部屋に戸惑う。


「これ、やりすぎじゃないか」

「戦いは気が昂ぶりますから。王の場合はこれくらいでないといけません。それと、そこの横のドアが私たちの部屋に直接繋がっています。御用向きの際は遠慮なく申し付けてください」


 えっ、マジで言ってんの。


「では私たちは先に王の荷物を片付けますので、その間はお茶でもしながらお待ちください」


 アルファが俺をソファに座らせるとお茶とお菓子を出してくれた。そして五人で荷物をクローゼットにテキパキとしまっている。

 それを横目で見ながらぼんやりと寛いでいると、美緒が部屋にやってきた。


「どう、気に入った。これならどこでも快適に旅ができるよ」

「旅って。これ戦闘艦だろ」

「ノンノン。戦いが終わったら私たちの属星に観光しに行くのよ。その為にこの鑑を建造したんだからね。だからお楽しみはこれからよ」


 出会った頃より少しは成長した胸を張って美緒が自慢げに誇っていた。 


「属星って、そんなの存在してたの」

「たくさんあるわよ。だから絶対に、死んじゃダメだからね。私達とあなたの素敵な未来のために」


 そう話すと俺の隣にちょこんと彼女は座った。


「だな。絶対にって、おい。しっかりフラグ立てんなよ! これ絶対俺が死ぬフラグじゃんかよ!」

「あははははっ。それだけ元気なら大丈夫だよ。うん、安心した」


 美緒は俺の頬にキスをすると立ち上がって部屋から出ていった。


「相変わらず風のような御方ですね」

「デルタもそう思うか。俺もそう思った」

「終わりました。これから王に艦内を案内します」


 片付けを終えたミズハ達に連れられて娯楽室や訓練場。そして戦闘機のシミュレータが設置してある部屋を案内された。

 また、大きなステージのある演劇場などもあったり、巨大プールも備えられていて、まるで豪華客船のような宇宙艦だった。


 そして最後に食堂に連れていかれた。


「こちらでお食事してもいいですし、部屋でお食事なさっても大丈夫です。また、24時間利用可能となっていますので、王のお好きな時にいつでもご利用ください」


 既に食堂には多くの人達が美味しそうに食事をしていた。


「本当にこの鑑にはティアマトの人達が大勢働いているんだな」

「はい。全員が宇宙軍の精鋭達ですね。ちなみに皇太子殿下や姫様方もアドバイザーとして乗艦する事になっています」


 え、仕事はどうしたのかな。

 まさかママさん達に押し付けてないよね。


「皇帝陛下の勅令です。陛下や殿下が元気なうちに楽しんでこいとの事です。それに、陛下方も今回の戦をとても心配しているのです。少しでも王を支えられるように配慮してくださったのです。本当に有難いことですね」

「そうだね。無事に帰って二人にお礼をしないとな」


 そして自分の部屋に戻ると、琥珀がベッドの上で寝ていた。

 たぶん待ちくたびれて寝てしまったのだろう。

 彼女を起こさないように布団を掛けて、静かに部屋で過ごした。


「王よ、入浴なさいますか」

「うん。少し早い気もするけどそうしよっか」


 服を脱いで風呂場に入って更に驚く。


「なんだこの無駄に広い風呂場は。何人で入るつもりなんだよ。余裕で十人は入れるんじゃないか、これ」


 そんな独り言を言いながら体を流そうと椅子に座ると後ろから声を掛けられた。


「お背中をお流しします」


 顔だけで振り返ると、ミズハが何も身に纏うことなく全裸でボディソープを泡立てていた。

 あまりの事に頭がついていかない。彼女のなすがままに身を委ねてしまった。


「どこかお痒いところはありませんか」

「はい。大丈夫です」


 そして彼女の手が前にくる。上半身を洗い、そして下半身へ。


「ミズハ、そこは自分で出来るよ」

「いえ、お任せください。イメージトレーニングは積みましたので大丈夫です」


 なんかそれ違う動きだよね。

 駄目だよ。最近してないから我慢できないよ。


「あ、それはダメ。気持ち良すぎて耐えられない」


 あまりの上手さに果てた。

 すると、彼女は泡を流した後に咥えた。

 更にその状況に理解出来ずに頭が真っ白になる。

 そして一度、口を離すとこうささやいた。


「お口で綺麗にしてあげるのが勤めだと」


 そしてまた口で咥える。

 そのテクニックにますます頭が真っ白になる。

 自然と彼女の肌に手が伸びる。


 そして理性は崩壊した。

 彼女の均整のとれた身体と、その肌の感触に酔いしれる。

 なぜか浴室にはマットが備えられていて、それを彼女が敷くと、そこで肌を重ねあった。


 彼女のは実に素晴らしいもので、瞬く間に果ててしまうも、何度も一つになった。


「王よ。今だけは王を愛することをお許しください」

「ミズハ。永遠に愛してくれ」

「はい」


 俺とミズハは琥珀が目を覚ますまで何度も浴室で肌を重ねあった。

 


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