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深夜の投稿部そらまめです。
烏滸がましいとは思うのですが、ファンアートなどお寄せ頂ければ投稿と一緒に載せたいと思っていますので、もし良かったら気軽にお寄せください。
絶対に一人にはしないと想いをこめて愛しあった次の日。
今日はボートで無人島の周りを巡りながら、気になった場所があったらそこに寄って探検してみる事にした。
それとは全然関係ないのだが、凛花の水着のパレオとかいう腰に巻いている布が気になる。
「前々から思ってたんだけどさ。そのパレオってやつ逆にエロいよね。チラっとたまに見える水着がパンチラしたみたいで」
凛花の顔が瞬く間に赤く染まる。
「そんなことを思うのは洸太だけです!」
「そうかなぁ。絶対に男子はそう思ってると思うよ。ところでさ。洸太とか、洸太さんじゃなくて、凛花だけが知る秘密の俺の名前考えてくれないかな。二人だけの時だけに呼ぶ名前を」
「え、そんなのいいんですか」
「いいのいいの。それにママさん達も二人だけの時は真名に足した名前で呼び合ってるんだよ。その方が仲良しになるってね。だから、俺たちもそうしようよ」
「ちなみにセオさん達とかにも、そうしてるのですか」
答えに悩む。けど輝夜もそのことを知ってるし問題ないか。
「セオたんだけだね。ひめワカたんに出会った時にねだられたけど付けてない。もうそんなことは忘れてるんじゃないかな、あの二人は」
「そうなんですか」
ん、なんか一瞬、急に嬉しそうな表情になったような気がするけど気のせいか。
「どんなのでも良いのですか」
「うん。どんなのでも構わないよ」
凛花はあごに手を当てて考えだした。
「じゃあ、エロ太で」
「嫌だよ、そんなのいやだ!」
「あはははは、嘘ですよ」
「へんな冗談はやめて」
そしてまた彼女はあごに手を当てて考えている。
頼むから、チン太とかはやめてよね。
「では、凛生で。凛と生きると書いて凛生です」
「うん、とても良い! なんかそっちに改名したくなるくらいにいい!」
「気に入ってもらえて良かったです。凛生」
「ぶはっ!」
その呼び方とまぶしい笑顔に鼻血が噴きでた。
「大丈夫ですか、凛生」
凛花がハンカチで鼻血を拭いてくれた。
「大丈夫。あまりの破壊力につい」
「もう。変なことばかり考えているからですよ」
凛花に謝ってから、二人で手を繋ぎながら桟橋を歩いてボートに向かった。
「モンスターは出ないとはいえ、荷物をあのままにしておいて大丈夫なのですか」
「大丈夫だよ。あの結界装置は登録者しか結界内に入れないし、百人乗ってもドラゴンが踏んでも壊れないってパパさんが言ってたから安心してよ」
「凛生がそう言うなら信じますけど」
大丈夫。そんなに心配しなくても凛花のおしゃれパンツは鉄壁結界に阻まれて盗まれないよ。
ん、なんでジト目で見るのかな。
「どったの?」
「 ……別に」
ジト目を向けられているうちにボートの所に着いたので先に乗って、凛花の手を取りボートに乗せる。そして操縦席に座り、凛花を俺の膝の上に横向きに座らせた。
「無人島周回ですからね。ゆっくり走ってくださいね。ちゃんと景色を観られるようにお願いします」
「分かってるって」
「ところで堅いものが盛り上がってきたので、心を鎮めてください、凛生」
いや、だってそれは生理現象だからしょうがないよ。俺にはどうしようもできないし。
「さっ、無人島観光へレッツゴー!」
ボートを起動させて、ゆっくりと旋回して少しだけ速度をあげて岩のドームを潜った。
ただ先ほどから凛花がモジモジしている。
「凛生が動いているんです!」
「あ、ごめん。無意識につい」
「もう、しょうがないですね」
ボートを止めるように言われて止めると。凛花が堅くなったものを鎮めてくれた。
「あの、クセになりそうなんですが」
「誰も近くに居なくて、二人きりならいつでもどうぞ。私も凛生とひとつになれるのはとても嬉しいことですから」
「じゃあ今後は遠慮なくさせていただきます」
「はい。私で良ければどうぞ」
そう言うと彼女は軽くキスをした。
そして観光は再開される。
「あれ。岩壁に囲まれてるのかと思ったら違うね」
「そうですね。来た方向の反対でしたから分かりませんでしたけど、かなり大きな島ですね」
俺たちがいた浜辺の裏は低木が立ち並んでいて、所々赤い花や青い花などの花畑が広がっていた。
「綺麗なお花畑ですね。南国的な雰囲気があります」
「そうだね。もう少し陸に寄ってみようか」
ナビのセンサーを確認しながら、なるべく近くで観られるように陸に寄せて、ゆっくりとボートを進ませた。
凛花はスマートファンで、その綺麗な景色を写真に収めていた。
「後で俺にも見せてね」
「もちろんです。後で二人で見ましょう」
「写真集にしちゃダメだよ」
「え、しますけど。絶対に」
「そっか。ならいいけど。他の人にバレないようにしてね」
「はい」
しかし本当に綺麗な場所だよな。
そう思いながらボートを操縦していると、突然ナビに赤い印が表示された。ボートの後方なのだが後ろを振り返ってみても何も異常がない。
「どうしました」
「いや、この赤い印は危険を知らせるマークなんだけど目視だと異常がなくてさ」
ナビの赤い印を指差して凛花に話した。
「海中なのでしょうか。それとも空高く、凛生!」
凛花が指差した方向を見ると、雲間から大きな黒い影が現れた。
「あれってもしかして」
「「 ドラゴン! 」」
二人の声が重なった。
そしてまじまじと見ると、大きな黒い影ではなく、大きな真っ黒なドラゴンだった。
「ドラゴンタイプとは戦ったことがあるけど、大き過ぎないか。あれ、前に結が戦ったのより二倍は大きいんじゃないかな」
「ええ。かなり強い力を感じます」
(コウタ。漆黒のドラゴンと遭遇したら戦ってはダメよ。あれは人の理を超えた存在だから、絶対に戦ってはダメだからね)
この世界に来た時に咲耶から聞いた話を思い出して凛花にも伝えた。
「取り敢えずボートを止めて、そこのカバーの下に身を隠そう」
二人で急いでカバーの中に身を潜めた。
そして少し隙間を開けて様子を確認する。
『なんかこっちに近づいてくる』
『たぶん無人島の方だと』
声を潜めて話す。
段々とドラゴンの姿が大きく見えてくる。
『食べられたりしないよね』
『あんなに体が大きいのに、私達を食べたところで満たされませんよ』
ドラゴンが上空を通り過ぎると、ブワッと風を伴い空気が震えた。
『あ、降りた』
ドラゴンは綺麗なお花畑の上に降り立つと、その衝撃であの綺麗な花々が宙に舞う。
楽園が破壊されたようで、なんとなく腹がたつ。
『しばらくこのまま様子をみますか』
『それしかないよね』
ただじっとしているというのは意外と大変なもので。しかも彼女を俺の体で隠すようにして密着している関係上、色々と不具合を起こす。
『学園での訓練を思い出してください。こんな事は慣れてるはずです』
そりゃあ慣れてますけど。
ただ、状況があまりにも違うから。
でもがんばります。漢として凛とします。
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