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 魔法少女達は三人一組、または二人一組で悪の組織ダーク姉サンズに立ち向かう。

 キラキラとしたエフェクトを輝かせながら、華麗な空中戦を披露していた。


「くっ、個々の力はそうでもないのに、本当に群れると厄介ね!」


 舞ダークが三人を相手取りそう叫ぶ。


「やるじゃない。けれど、魔法少女コウちゃんが離脱した今、あなた達四人を倒せば統率は崩れる!」


 ゆいダークが八島、山城、朧、朝日を相手にそう告げた。


「私達は負けない!」(cv.山城)

「そう、愛と勇気!」(cv.朝日)

「友情と恋!」(cv.朧)

「その全てを、コウちゃんに捧げたんだから!」(cv.八島)


 八島と朝日の挟撃、その二人の陰から現れて奇襲攻撃を仕掛ける朧。そして山城の巧みな後方支援攻撃。その卓越した連携に、さすがのゆいダークも苦悶に満ちた表情を浮かべる。


 戦況は数的に不利なダーク姉サンズが徐々に押されていく。



「ねぇ、凛花。魔法少女の杖って刃物だったのね」

「メッ! 今は女神リンです。それにコウちゃん、魔法はイメージよ」


 要するになんでもありってことなのね。


「がっはははは! 魔法少女たちよ。ここまでよく抗った。しかし! このダークパパーとその眷属が現れたからには好きにはさせん!」


 黒の装束姿は変わらないが、顔にヴェネチアンマスクを着けている。そしてその横にも同じ姿の男女が控えていた。


「腕をあげたみたいだが、まだまだだ。この晃ダークがその調子にのったお前達を地面に叩き落としてやる!」

「山城ちゃん、八島ちゃん。この私、絵里ダークの後継に相応しいか試してあげるよ!」


 絵里ダークは山城達の所に一直線に飛行し、ゆい姉の支援を行う。そして八島の陰から飛び出した朧の肩を一撃で撃ち抜き、朧は肩を抑えて落下した。


「絵里ダーク、ナイスショット!」


 そんなゆい姉にハンドサインで応えると、落下していく朧に向けて容赦なく魔法弾が撃ち込まれた。


「えげつない。相変わらず容赦ないのね」


 幼馴染の戦闘にどん引きした。


「さあ、あなたもおゆきなさい」


 治療が済んだ私を、女神リンが戦場に誘う。


「ええ。輝夜をお願い」


 私は落下する朧を助ける為に地面スレスレで飛行し、防御障壁を全面に展開しながら朧の真下から一気に上に舞い上がる。


「絵里ダーク。あなたは確かに強い。けれど、これはどうかな!」


 朧を空中で受け止めた後に、絵里に向けて無数の雷撃を放つ。

 四方八方から迫りくる雷撃に逃げ場を無くした絵里が宙で立ち尽くす。


「させるかっ!」


 晃ダークが大剣で雷撃を打ち払いながら絵里ダークのもとへ全力で駆けつけると彼女を抱き抱えて離脱した。


「やるわね。それでこそ私のライバルだわ」


 私は朧に回復魔法を掛けて彼女を八島達のもとへ行かせた。


「お前の伝説を今ここで終わらせてやる」


 晃ダークは獰猛な獣のような笑みを浮かべた。


「そう。あなたの無敗もここまでよ」


 不敵に笑い、絵里ダークが銃口をこちらに向け、魔法弾が連続して放たれた。


 それを私は素手で全ての弾を掴んで止める。


「忘れたの。私に遠距離からの攻撃なんて届かないことを」


 掴んだ魔法弾をパラパラと下に落とした。


「舐めないで!」

「舐めんな、こら!」


 晃ダークを先頭に二人が揃って突っ込んでくる。

 それを悠々とその場で待ち構えた。


「全く、熱くなるとすぐこれだから」


 晃ダークが接近し大剣を振り上げたタイミングで、かなり威力を弱めた爆炎魔法を放った。そして二人は刹那に爆炎に呑まれる。


「忠告したよね。こうなるって」


 衣服と武装を焼き払われ、二人がそのまま落下していく。

 二人を追うように降下して、落ちていく二人に止めとばかりに蹴りを放ち勢いをつけて地面に叩き落とした。


「つまらないわ。この程度で勝利を重ねても、ね」


 私はそう口にした後、ゆいダークと戦う仲間を見上げて、続けて周りの状況も確認する。

 どうやら、ゆいダークとセオダーク以外には優勢のようだ。どちらを先に加勢するかと思案する。


「是非もなしね」


 ゆいダークの死角をつくように大きく旋回しながら、彼女の斜め下から背後を狙う。

 そして槍に似た魔法の杖をさらに槍に寄せる。


 八島と朝日の挟撃によって、ゆいダークの刀を持つ腕の脇が開く。無防備に肩の高さに上がった腕を槍で上から叩くと、ゆいダークは刀を落とした。

 そこにすかさず朧がゆいダークの鳩尾に拳を叩き込むと、そのまま左右の拳で連打した。

 堪らず、ゆいダークの腰が折れる。そこで背後から私が両手を組んでゆいダークの背中を強打した。


 しかし、ゆいダークは落下しながらもこちらに向きを変える。痛みで彼女の表情が歪んではいるが、まだ目は死んではいなかった。そして私に向けて彼女は手をかざした。


「……紅蓮監獄」


 ゆいダークがそう唱えると、刹那に私の周りに結界が展開されて、私はその中に閉じ込められた。何事と思う間もなく結界内が紅蓮の炎で満たされ、私は炎に焼かれた。


「勝ったと思ったでしょ。てもお生憎様。私は一人で地面に叩き落とされるほど優しくはないの。きっちりあなたを道連れにしてあげるわ」


 魔法の効果時間が終わり。全身を焼かれてほぼ意識を失いながら落下する。

 八島達が私を助けようとするが、加賀ダークにそれを阻まれていた。


 先にゆいダークが地面に叩きつけられ、その後に私が続く。その衝撃で砂浜の白い砂が空高く舞い上がり視界をふさいだ。


「どう、私の新魔法は。気に入ってくれた」


 ゆいダークの掠れた声だけが聞こえる。


「反則だよ。あんな悪辣な魔法」


 そう声を振り絞った後に、私は意識を手放した。


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