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 巨大イカ撃破後にしばらく休憩を挟み、先に浜辺にいるみんなへ報告しようとボートをゆっくりと走らせた。そして浅瀬に入ってからボートを低空飛行モードに切り替えて進み、砂浜でボートを着陸させた。

 周りから俺達の所にスマートファン片手に全員集まってくる。なんとなく不思議に思いながら輝夜を抱いてボートから降りようとすると止められた。


「ま、待って! お願いだからちょっとそのまま写真を撮らせて!」


 加賀さんがおかしな事を言う。その言葉に首を傾げるも了承した。


「いい。とても良い。気を失った輝夜ちゃんをお姫様抱っこしながらコクピットに乗るコウちゃん! うへっ、鼻血が出そう」


 ギャル朝日が壊れている。


「あああ、こっちを向いて! そう少し悲しげな表情ください! そ、そう! それ、素敵よ!」


 加賀さんに言われるままに表情をつくって応える。

 この不思議な撮影会はなんなのだろうか。


「あ、良いです。そうちょっとだけ憂い目な表情で輝夜を、そう、それです。頂きました!」


 凛花まで何をさせるんだ。俺はモデルじゃないんだぞ。そう思いながらも、周りからパチパチと写真を撮られて、なぜか段々と気持ちよくなってくる。


「コウちゃん! 輝夜ちゃんを横向きに抱いたまま立って。出来たら愛おしい感じで輝夜ちゃんを見る感じで。そうそう、それ! コウちゃん最高よ!」


 舞さんまで。しかも口調がかなり変わってるし。


「コウタ様、素敵ですわ! こちらからの波風で揺れるバックショットも最高なのですわ!」


 ひめたん。もう君の変態度は天元突破だよ。


「いいよ、洸太! 最高に素敵だよ!」


 ゆい姉が寝転んで下から写真を取っている。

 少し鼻血が出ているような気もするけど楽しそうだから黙っておこう。


「コウタ、席に片足を乗せて。そうそう。そして輝夜ちゃんの顔を心配して覗き込むような感じ、それ!それよ、もらいました!」


 咲耶、君もか。


「あああ、良い。もう少し顔を寄せて。もっと、くちびるが触れそうなくらいに! そう、それそれ!」


 りっちゃん、あなたもか。


「コウタくん! そこでキスよ!」


 ママさんまで。けれど、ママさんからのリクエストならしょうがない。やるしかない。

 俺は輝夜にキスをした。


「きゃー!! ステキッ!! コウちゃんさいこー!!」


 周りから一斉に大歓声があがる。その熱狂と狂気に満ちたギャラリーの叫びが、俺の気持ちを高めていく。


「コウちゃん! 頬を輝夜ちゃんの頭に軽く乗せて! そう、それだよ! うん、いいよ!」


 八島そんなにはしゃぐとポロリするぞ。既に肩紐が一本外れてるし。


「今日は白! 洸太の純情を表すようで最高ね!」


 仰向けになって下から撮影するゆい姉の言葉で気づく。


「あっ、フォームチェンジしたままだった!!」


 慌てて解除しようとするが咲耶に羽交締めをされて止められる。これではネックレスに手が届かない。


「今よ、みんな! 下からでもどこからでも好きなだけ撮りなさい!」


 咲耶、お前もか。

 咲耶に裏切られた悲しみで表情が歪む。


「お姉様、これで拘束します!」


 ワカたんが蔦を俺に絡ませて、動きを止めた。

 これはまずい。ルール上、蔦を切ってはならないからだ!


「ワカたん、いつの間にその魔法を!」

「いつまでもやられ放っなしではいられない!」


 輝夜ごと蔦で完全に拘束された。


「おおお、魔王少女コウちゃんとその眷属よ!」


 一斉にシャッターが切られる。


「いいわ、素敵よ、コウタさん!」


 ママさん、あなたまで。

 ん、なんか肌がピリッとしたような……


「おい、ワカたん! 服を溶かすのはダメだろ!」


 俺の服が溶けて、可愛らしい小さな片胸が露わになる。何気に輝夜の水着も溶けて、とてもエロい。


「ルール上ではありですわ!」


 ひめたんがワカたんの代わりに胸を張って答える。


「こんな公衆の面前で。くっ……殺せ! だが、こんなに酷い辱めを受けても、私の心を1ミリだって奪えないと知れ!」


 ついには宙に持ち上げられた。

 露わになっていく姿にギャラリーのボルテージが上がる。


「ダメ、コウちゃん負けないで!」


 それは山城からだった。その山城の叫びが観衆をノセる。


「伝説の魔法少女コウちゃんに敗北なんて似合わない!」

「そう、私達も今こそ一緒に戦うのよ!」


「「「「 フォーム、チェンジ! 」」」」


 クラスメイト全員が魔法少女に変身した!

 そして、俺と輝夜を絡めとる蔦を切って救い出してくれた。


 しかし悪の組織。ダーク姉サンズが黒い装束姿で魔法少女達の前に立ちはだかる。


 ダーク姉サンズ総帥、ママダークが手を振り上げて降ろす。


「魔法少女を殲滅せよ!」


 ゆいダーク、セオダーク、ひめダーク、ワカダーク、舞ダーク、加賀ダーク、律ダーク達が一斉に魔法少女達に襲いかかる。


 そして俺は、魔法少女に力を授けた女神リン様に回復魔法を施してもらっていた。

 奮戦する仲間、魔法少女達を見つめながら。


(がんばって。私も今すぐいくわ)



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