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深夜の投稿部そらまめです。

今夜もよろしくお願いします。

 昨夜は咲耶が迎えに来るまでパパさんと楽しく話しながら飲んでいた。

 そしてひめワカたんコンビを含めた四人で夜を過ごす。相変わらずの熱量にやや気後れした。


 そして海女族の居なくなった浜辺にはビーチバレーのコートが二つ。そしてビーチフラッグのセットができていた。


「これはまさか」

「はい。結菜様です」


 目の前には白熱した試合が繰り広げられている。

 また、男子には堪らないポロリの瞬間も頻繁に訪れる。


「輝夜さん、絶対に撮影しては駄目だからな」

「まあ、私がしなくても皆様のサポートAIがしてますから安心してください」

「いや、駄目って言ったんだけど」

「ええ、口では。ってやつですよね」


 目の前の白熱した試合に、側にいる水着姿のミズハ達も興味を示していた。


「ミズハ達も混ざってきなよ。絶対に楽しいぞ」

「よろしいのですか」

「よろしいも何も。その水着は輝夜が用意したんだろ。なら、好きに遊べってことだよ」

「はい!」


 ミズハ達が嬉しそうに駆けていった。


「マスターは遊ばないのですか」

「今日は輝夜と二人で遊ぼうかと思ってな。まあ、ついてきなよ」


 俺は昨日パパさんにお願いしていた小型ボートの所へ輝夜を連れていった。


「これに二人で乗って遊ぼう!」


 真っ白の超かっこいいボート。

 地球のボートと似てはいるが性能は全然違う。

 可変式で翼もでる。高度は低いが空も飛べるボートなのだ!


「マスター。輝夜はとっても嫌な予感がするのです。絶対にろくな事にならない気がします」

「んなことないって。大丈夫大丈夫」


 嫌がる輝夜の背中を押してボートに乗せる。

 そして俺も乗り込み操縦席に座る。


「うん。昨日パパさんに教えてもらったシミュレータ通り。これならいける。モービルのような間違いはしない!」

「本当ですか。モンスターに突っ込むなんてことないですよね」

「そんな頻繁に遭遇してたまるか。いくぞ、輝夜!」


 ボートを起動させて、スロットルレバーを倒す。

 ボートの船首が軽く跳ねる。


「な、なに、いきなりフルスロットなんですか!」

「漢は常にフルスロットルだぜ」


 もの凄い速さで沖に進む。

 波でボートが跳ねる。爽快過ぎて心が踊る!


「ひゃあ、まずいです。マスターに乗り物を操縦させたら駄目なのです」

「近くに小さな無人島があるんだって。そこは凄く綺麗な島で昔ママさんを連れてデートしていたらしい」

「デートなら輝夜じゃなくていいじゃないですか」

「え。なに言ってんの。俺は輝夜のこと裏正妻と思ってるんだけど」

「裏番長みたいに言わないでください!」


 横に立つ輝夜に腕を伸ばして膝の上で横に座らせた。


「さあ、未知の島に突撃だっ!」

「どうか壁に激突だけはしませんように、アーメン」

「海に壁があってたまるか!」



 そんなあほな会話しながら一時間くらいで目的の無人島についた。

 桟橋にボートを止めてロープで流されないようにボートを固定する。

 手を差し出して輝夜をボートから降ろした。


 その桟橋は岩のドームを抜けた先にあって、白い砂浜に続いている。

 桟橋からぐるりと周りを見渡せば岩壁が円形に広がっている。まるで溶岩ドームの中みたいだ。


「やばっ。超綺麗な所だな」

「ええ。白い浜辺の先にはたくさんの花々が咲き誇っています。本当に綺麗な場所ですね」

「ただ、この桟橋から浜辺まて少し距離があるな」

「おそらく水深が浅いのでしょうね」


 俺はボートからタオルなどの入ったバッグとシートやパラソルを取り出す。そして輝夜にはお昼ごはんの入った籠を手渡した。

 二人で景色を観ながらゆっくりと歩いて浜辺に向かう。


「見てください、マスター。お魚がたくさん泳いでいます」


 小さくて青や黄色の魚がゆらゆらと泳いでいる。

 たまに赤くて少し大きいのもいて観ていて飽きない。


「なあ、泳いで捕まえられるんじゃないか」

「ですね」


 俺たちはやや早歩きで浜辺を目指した。

 そしてシートを敷いて風に飛ばされないように固定した後、パラソルを立てた。

 輝夜の水着は白のビキニで下半身に布を巻いている。俺はいつもの丈が膝上の長さの黒の海パンだ。


「よし、海へ行こう」

「はい!」


 二人で手を繋いで海に入っていく。

 浅い。5メートルくらい進んでも膝くらいの深さだった。

 けれど、俺たちの周りで魚がゆっくりと泳いでいる。人に警戒心がないらしくて、脚の間を通って行ったりもしていた。


「やばい。これはかわいい」


 手で触っても逃げない。

 なんかつい撫でてしまう。


「なんかこの不思議な感触が良いですよね」


 ついには二人寄り添うように座りながら魚を愛でていた。

 時折り、心地よい風が日差しで火照った身体を程よく冷ます。

 透き通る青い海と海底の白い砂がとても綺麗で、穏やかな波がキラキラと海面で輝く。


「マスター。本当に綺麗な場所ですね」

「ああ。パパさん達のお気に入りなだけある」

「本当に良かったのですか。輝夜で」

「うん。話を聞いた時に真っ先に輝夜と行きたいと思ったんだ」


 輝夜の小さな頭が俺の肩に乗る。

 俺は輝夜の肩を抱いた。

 穏やかな時が流れる。

 とても、とても優しい時間がここにあった。


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