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転生したらモブだった!異世界で恋愛相談カフェを始めました  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【第二章】

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拝みたい……!

 アレン様は、前世で私が推していたヒロインの攻略対象!

 でもヒロインであるセーラは、アレン様とはほぼ絡むことなく、現在に至っている。おかげでアレン様は、婚約者もいない。ゆえに王都中の令嬢が、彼に心をときめかせている。


 そのアレン様は、妹君のレネ公爵令嬢の来店をきっかけに、看板メニューのパンケーキを食べに来てくれた。そしてその味を気に入ってくれたアレン様は、騎士団の副団長という激務の合間を縫って、ちょいちょいカフェに足を運んでくれている。


「ナタリー嬢、こんにちは。今日は今から夜間勤務なのです。渡したいものがあり、立ち寄らせていただきました」


 そう言って微笑むアレン様の微笑みの美しさと言ったら……。


 容姿端麗なところは勿論、剣聖と呼ばれ、また馬術の達人。槍も得意で、かつ公爵家の嫡男であることから、相応の教育を受けており、数字にも強かった。諸外国へ遠征することで、自然と語学力もあり外交も得意。


 何よりもとても高貴な性格をしていた。その上で騎士道精神を、王道でいっていたのだ。ここまでのハイスペック、現実では存在しないと思う。乙女ゲームだから実現した逸材。


 もうひれ伏し、拝みたくなるのを堪えながら、口を開く。


「アレン様、そんなお忙しい中、足を運んでいただけて光栄です。……渡したいもの、何でしょう?」


 するとアレン様は、青いリボンが飾られた白い長方形の箱を、私に差し出した。

 布巾で手を拭き、恭しく「ありがとうございます」と受け取る。


 この世界では、プレゼントでも、前世の日本のような過剰ラッピングはない。箱にリボンがついているだけ。よってそれをほどけば、パカッと開けることができる。


 もらったプレゼントはその場で開封し、御礼の気持ちと喜びを伝えるのが、この世界での慣習。そして他にお客さんもいないので、私は早速、開けさせていただくことにした。


「あ……」


 そこに入っていたのは、オペラグローブ!

 オーソドックスな、黒のシルクのオペラグローブと思いきや!

 右手の手首には、パールがブレスレットのように飾られている。

 左手の中指には、パールが指輪のようにあしらわれていた。


 なんてお洒落なのかしら! しかもこのパールは本物。

 このオペラグローブ、通常のものの、何十倍もしそうだ。


 こんな高級品を、さらっとプレゼントできるなんて。

 さすが騎士団の副団長であり、筆頭公爵家の嫡男!


「来週の水曜日のオペラ。良かったらこちらを着けてきてください。お誘いしたのはわたしで、ナタリー嬢にお付き合いいただくことになるので。応じてくださった御礼の気持ちでもあります」


 アレン様のこの言葉に、即答で答える。


「わざわざお気遣い、ありがとうございます! 観たいオペラでした。でもチケットが入手困難で、あきらめていたんです。お誘いいただけて、天にも昇る気持ちでした。それなのにこんなにお洒落で素敵なオペラグローブまで……来週の水曜日、楽しみにしています!」


「それを聞けてよかったです。わたしも水曜日、楽しみにしていますよ」


 輝くようなアレン様の笑顔に、体温がググっと上昇した気がする。


 来週の水曜日、アレン様と観劇するのは、ジョアキーノ・ベルリオーズの最新作『霧の城』。

 このオペラのチケットは、入手困難だった。

 ジョアキーノ・ベルリオーズは、前世で言うならプッチーニのような人気作曲家。新作の公演があるという情報が駆け抜けた瞬間、チケットはソールドアウトだった。


 だがアレン様は、さすが筆頭公爵家。

 チケットを入手しており、なんと一緒に観に行こうとお誘いしてくれたのだ!


 そこでルグスとロゼッタの会話が聞こえてくる。


「レディ。では来週の水曜日、楽しみにしています」

「は、はいっ。あ、あた、私も楽しみにしています」


 ルグスは、アレン様の部下の騎士。よく二人でこのカフェに、来店してくれていた。


 ルグスは青みを帯びた紫の短髪、日焼けした肌に、髪色と同じ色の一重の瞳。見事なメロン肩で、背中は冷蔵庫、ナイスバルクな立派な体躯をしている。もう見るからに屈強そうな騎士であり、本格的なマッチョマン。そしてロゼッタとは、なんだかいい感じなのだ。


 二人は演劇を共に観に行き、その後、何度か出かけている。そして私とアレン様がオペラを観劇する日、二人はレストランで食事をする約束をしていた。


「「それでは、失礼します」」


 アレン様が私の手を取り、甲にキスをするのと同時に。ルグスはロゼッタの手の甲へ、キスを捧げていた。そしてアレン様とルグスはマントを翻し、颯爽とカフェを後にする。


「「はぁ~。騎士様素敵~」」


 ロゼッタと私が、お互いの両手をあわせ、うっとりとため息をついた瞬間。

 ぽすっと頭に手を乗せられた。

 デグランが私とロゼッタの頭に手を乗せ、盛大に息をはいた。


「……二人とも、ぼーっとしない。ロゼッタはカウンターテーブルの皿やカップの片づけ。ナタリーお嬢さんは、ティーアーンの補充を手伝ってくれ」


「「はーい」」


 ロゼッタはカウンターへ向かい、私は厨房へ向かうデグランの後へ続く。

 竈でお湯を沸かし、ティーアーンにいれる紅茶の準備を始めると……。


「ナタリーお嬢さん」


 デグランが、つけている黒のエプロンのポケットから、何かを取り出した。それは白いリボンが飾られ、丈夫そうな濃紺の生地に包まれている。


「これを」

「?」

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