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転生したらモブだった!異世界で恋愛相談カフェを始めました  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【第二章】

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プロローグ

 恋愛相談カフェ「キャンディタフト」。

 キャンディタフトは、花の名前だ。

 砂糖菓子のような可愛らしい花で、花言葉は「初恋の思い出」。

 恋愛相談ができるカフェであり、看板メニューはパンケーキ。


 お店を切り盛りするのは、私、ナタリー・シルバーストーン。

 シルバーストーン伯爵夫妻の次女で、兄と姉が一人ずついる。


 なぜ伯爵家の令嬢である私が、恋愛相談カフェを運営しているのか。

 それは私が前世記憶を持つ、転生者だからだ。

 私が今、生きているこの世界。

 ここは私がハマっていた乙女ゲーム『秘密のラブ・ロマンス』。

 交通事故により、オーバーサーティーにて、前世の世界から私は退場した。そしてこの乙女ゲームの世界に、モブとして転生していた。


 しかも私が転生することになったナタリーは、ヒロイン・悪役令嬢、攻略対象のメンズの皆さんより、二歳年上。おかげで恋の舞台となる学園生活で、メインキャストの皆様と関わることなく卒業。モブでもメインキャストに巻き込まれることもあると、前世知識で知っていたが、そんなことはない。


 メインキャストの皆さんは、美男美女。

 そんな彼らと没交渉、最初は残念と思う気持ちもあった。

 特に推しとは会いたいと思うものの。

 平和が一番だった。


 ということで幼い頃にここが乙女ゲームの世界であり、自分がモブであることを悟ると……。モブはモブらしく生きよう。いつかは同じモブ令息とゴールインできると考え、生きることにした。それにナタリーは、小顔で手足は長く、ちゃんとドレス映えする胸のサイズがあり、ウエストもくびれてくれた。ヒップもきちんと上向いてくれている。普通にメインキャラ狙えるかも……という感じで可愛らしいのだ。モブ令息もみんな、素敵に見える。これならメインキャスト……推しとご縁がなくても無問題!


 そう思っていたら!


 下男をベッドに無理矢理連れ込み、奥さんにそれがバレ、離婚。私より三十歳年上であり、爵位を金で手に入れたと評される成金男爵から、求婚状が届いた。父親はその支度金に目がくらみ、私にこの縁談話を受け入れるようにと、勧めたのだ。


 それは、私は待ってください、お父様!だった。


 私は転生者であることから、貴族の利益優先の結婚観を受け入れることが、どうしてもできない。


 そこで結婚せずとも生きて行くために、前世、結婚相談所のコーディネーターの経験を生かせる「恋愛相談カフェ」をオープンさせることにした。


 恋愛相談の経験は、友人の恋愛相談からスタートし、新卒で結婚相談所のコーディネーターを始め、二十年以上あった。だがカフェ経営なんてしたことがない。いきなり店舗を借り、ゼロからスタートは、リスクが大きいと思った。


 そこで考えたのは、街にある一軒のパブリック・ハウス、その名も「ザ シークレット」を、日中、間借りすること。


 パブリック・ハウスは、前世で言うなら、バーとかパブだ。


 そこはビールを中心にした酒類を提供しているが、カウンター席のみで、営業は夜から。完全に紳士淑女の社交場で、夜な夜な酒を片手に会話を楽しむ場となっている。店内は清掃も行き届き、清潔感があり、来る客も貴族ばかり。ただ、残念なことは、日中はお店が閉まっていること。


 パブリック・ハウスの中には、ランチタイムから営業を始めているお店もある。そんなパブリック・ハウスで提供されるランチは、サッと食べられるもので、人気があった。でもこの店は、ランチの営業をしていない。日没に合わせ、開店だった。


 そこで私は店主であるデグランと交渉した。


 私はカフェを開きたいと思った。しかも前世の私の仕事経験を生かし、恋愛相談に応じる「恋愛相談カフェ」を13時から日没前まで、つまりはデグランのパブリック・ハウスの営業が始まるまで、カフェを開けたいと考えたのだ。


 「ザ シークレット」がある界隈は、同じようなパブリック・ハウスが集まっている。だがカフェはない。そしてランチをこの辺りで楽しんだ人々が「カフェがあればいいのに」と思っていることもリサーチ済み。ここでカフェを営業すれば、競合はなく、周辺の店と競合することもない。


「へえ、貴族のお嬢さんがカフェを、しかも恋愛相談ができるカフェをやりたいなんて。面白いじゃないか。どうせ日中は閉じている店だ。使ってもらって構わないよ」


 デグランは私の提案を快諾してくれた上に、カフェの看板メニューを作ることを勧めてくれた。それだけではない。なんと従業員にもなってくれたのだ!


 何を隠そうデグランは、以前は宮廷料理人で、スー・シェフまで上り詰めている。とある出来事をきっかけに宮廷料理人は辞めてしまったが、国王陛下夫妻は彼の復帰を願っていた。デグランの手作りソーセージと、超高級食材である白トリュフの物々交換に応じるぐらい、彼の大ファンだった。


 一時、デグランが店を畳み、宮廷料理人に戻ってしまうのでは――そんな不安もあったのだけど。それは杞憂に終わる。その一方で、デグランのルーツが判明した。


 デグランは孤児院育ちだった。でも実は彼の両親が公爵夫妻であることが判明! 公爵家の次男となったわけだが。彼は今までの生活を変えるつもりはなく、街で「ザ シークレット」を続けると宣言した。


 私としてはデグランと一緒にカフェをできるのは、嬉しくてたまらない。だってデグランは気遣いもでき、料理の腕も一流で、頼れる兄貴であり、同じモブなのだ。


 そう、デグランは同じモブ同盟、髪と瞳の色がモブ仕様なのだ。


 メインキャストの皆様は、ブロンドや銀髪。でもモブは髪色がブラウン系統。


 ということでデグランの髪はアッシュブラウンで、肩下ぐらいの長さ。その髪はいつも後ろで一本にして結わいている。サーファーみたいな健康的に日焼けした肌で、体格もいい。いつも髪色と同じズボンに、デニムを思わせる風合いのシャツを着ていた。瞳は焦げ茶色で、笑顔が爽やかなナイス・ガイ・モブだった。


 そんなデグランに加え、彼の友人であり、画家を目指していたバートン。彼は今、画材屋を営んでおり、恋愛相談カフェ「キャンディタフト」のショップカードを手掛けてくれた。そしてカフェのスイーツをたまに食べられればいいと、お店を手伝ってくれている。


 バートンもまたモブなので、髪はオリーブブラウン。癖毛で、耳が隠れるぐらいの長さだ。瞳の色は黒で、眼鏡をかけている。白シャツにモスグリーンの上衣とズボンが定番スタイルだという。その姿は画家というより、知的で優しい本屋のお兄さんという感じだ。


 さらにバートンの妹も、カフェをサポートしてくれている。普段は画材屋を手伝っているが、バートンと交代でカフェに顔を出してくれるのだ。


「初めまして、ナタリーお嬢様! 私、バートンの妹のロゼッタといいます。今日はカフェのお手伝いをしつつ、恋愛について勉強してこいと言われ、お邪魔しました!」


 明るい笑顔のロゼッタは、現在、十九歳。そろそろ結婚してもいい年齢だったが、恋人はいないという。それどころか一階が画材屋、二階が自宅と、前世でいう毎日家と職場の往復をしている状態。恋愛相談カフェに顔を出せば、恋愛感度が高まるのでは……というのがバートンの目論見らしい。


 そんなロゼッタも、当然モブ! 左側で束ねられ、三つ編みにされているその髪の色は、オリーブブラウン。バートンと同じ黒い瞳をしている。いつも明るいワンピースにエプロンで、お店を手伝ってくれる。


 私を含めたこの四人が、恋愛相談カフェ「キャンディタフト」のスタッフ。


 カフェには常連さんもついている。王立コンランドアカデミーの理工学部で講師をしているイエール伯爵。レネ・スザンヌ・サンフォード公爵令嬢。彼女の兄であり、騎士団の副団長アレン・ヒュー・サンフォード様(実は私の推し!)。第二王子の婚約者のニコール・マルティネス侯爵(なんと悪役令嬢)。セーラ・シスレー子爵令嬢(ヒロイン!)……。


 なぜか乙女ゲームのメインキャストまで、カフェに続々来店し、もうビックリ!

 ちなみにデグランつながりで、王妃まで来店してくれている!


 モブなのに、がっつりメインキャストと絡んでしまった(汗)。特に悪役令嬢ニコールとヒロインであるセーラには、恋愛アドバイスをした結果。大きな変化も起きている。それはとても良い変化ではないかと、私は思っていた。だってこのまま上手く行けば、きっと二人ともハッピーエンドになれると思うから!


 そして縁談話でもめていた両親とも、王妃の口添えもあり、和解している。父親は、支度金目当ての縁談話を、持ってくることもない。家族はみんな、私のカフェを応援してくれている。


 そして。


 今日も元気に恋愛相談カフェ「キャンディタフト」がオープンします!

お読みいただき、ありがとうございます!

お待ちいただいている読者様のために、更新を優先しています。

誤字脱字などないよう頑張っていますが、もしあったら本当にごめんなさい!

毎日更新しますが、チェックをしながらなので、少しのんびりです。

(恥ずかしながら夏風邪をひき、今朝から喉が痛く鼻水が……)

皆様も季節の変わり目、ご自愛ください!

それでは新章も最後までお付き合いくださいませ☆彡

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