表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/17

第17話 デート、耐えきれるかなぁ……?

一ヶ月以上空けてしまい、申し訳ございませんでした!

〈結城唯音〉


 付き合うことに成功したカフェに来たけど……、このおじさん(おじいさん?)は絶対色々掘り下げるよね?! だよね?! めっちゃ笑顔だもんね?!


 立花くんは横で普通に談笑してるけど……耳赤いな。

 やっぱり店長さんには敵わないみたい。


 そんなところを可愛いと思ってしまう私も私だけど。


「それで、付き合ってからどうなんだい? そちらの彼女さんは」

「へ?!」


 急に矛先がこちらに向いて思わず変な声を出してしまった……。


「あれ? 固まってしまったな……」


 店長さんが動く気配を感じるけど、ぼやけて見える……はっ! 危ない。恥ずか死しそうになってた。


「はいっ!」


 思わず大きな声で反応してしまった。

 そんな私をクスクスと店長さんは笑い、立花くんは苦笑して私を見た。

 再び顔を真っ赤にして私は顔を俯かせた。


 そんな私を見て、店長さんは満足に笑みを浮かべるのだった。


「からかうのはこれぐらいにしておきましょうか。どうやら恋人になって楽しんでいるようですし。ご注文はどうなされますか?」

「あ、俺はこのサンドイッチとカフェオレで。結城さんは?」

「あ、私は…………おんなじもので」

「かしこまりました。少々お待ち下さい」


 店長さんは私たちから注文を聞くと、後ろに下がっていった。カウンターの後ろには調理場があり、カウンター席からは店長さんが料理をする姿が見えた。


 追撃が止んで一息をつくと、立花くんと目が合った。


「どうかしたの?」

「いや、なんでもないよ……」


 思わず尋ねてみたけど、目を逸らしながら立花くんは誤魔化した。その目が、申し訳無さそうに感じた。


 だから私は更に突っ込む!


「どうかしたの?」

「えっと……」

()()()()()()?」


 言い淀む立花くんに、私は畳み掛けた。


「そのー、ここに来るのがあんまり良くなかったかなって……」

「どうして?」

「結城さん、ここに来てからあんまりしゃべってないから……」


 何故か敬語が外れてしまっている私に、立花くんは恐る恐るといった感じで話し出した。


「まだ慣れてないかなって……」


 気不味そうに目を下に向ける立花くん。

 そんな様子がよく分からず、私は首を傾げた。


「えと……? 慣れてなくて喋ってなかったらどうなるんですか?」

「へ?」


 私の質問に、立花くんは間の抜けた声を上げた。


「私は口下手なことは自認してますし、人見知りで恥ずかしがりです。だから、この場で慣れてなくて、喋れなくても正直、おかしくはないですよね?」

「は、はい……」


 何故怯えた様子で同意する立花くん。私、怖がらせてるのかな? いやでも、さすがにこれは言いたい。


「私が言いたいのは! 立花くんと付き合えたこの場所でもう一回話して、嬉しくなってるだけなんですよ。それで、あの日のことを思い出して舞い上がってるだけなんですよ」


 私が言い切ると、立花くんはポカンと口を開けて固まった。

 しばらくすると、爆発したように顔が赤くなって、両手で顔を隠した。そのままカウンターにひじを乗っけて「う〜」と唸りだしてしまった。


 何が何やら分からず、私も立花くんを見て固まってしまった。


 そんな時、店長さんがキッチンから出てきて、カフェオレの入ったカップとサンドイッチの乗った皿を置いた。


「彼は恥ずかしがっているんですよ。面と向かって、付き合えて嬉しすぎて舞い上がってる、なんて言われたら男冥利に尽きますからね」


 店長さんは優しい微笑みで私にそう語りかけた。

 私はポカンとして、立花くんを見た。

 おそらくは数十秒前の立花くんとおんなじ表情だ。


 私の心は花が咲いたように嬉しくなった。

 唇が、口角が上がっているのを感じる。

 気持ち悪く思われそうだけど、押さえ切れない。どうしても上がっちゃう。


 あぁ……私で照れてくれて、私で喜んでくれている!


 そのまま五分間たっぷりはそのままだった。


 店長さんは何も話すことなく、その間ずっと待ってくれていた。


 私はずっとニマニマとしていた。立花くんは頬を冷ますように、手でパタパタと扇いでいた。


 そんなところすら、可愛い。

 それが、私の彼氏なのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ