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朝食も食べ終えしばらくしてケント様と護衛のみんながやってきた。

「バモス様昨日はエドワードがお世話になりました。」

そう言って礼の形をとった。迷惑ではないと言ってくれたバモスさんのイメージはここに来た時とでだいぶ違う。

最初は表情がなく怖い印象を受けたけれど、実際には気さくに話をしてくれる方だ。

「エドワードの魔力については帰ってから父上と相談したいと思います。ありがとうございました。」

俺たちは馬車に乗って帰路についた。


「もう体は大丈夫なのか?」

ケント様が心配そうに声を掛けてくれた。

「もう大丈夫です。すっかり良くなりました。」

「それはよかった。しかし本当にすごい魔力を見て驚いたよ。あれだけの魔力があるとすると騎士よりも魔術師の方が合っているんじゃないか?」

「でも俺はマリアーノ様のそ「だからお抱え魔術師として騎士団に所属するか、ファルテル家で雇うかすればいいんじゃないかって思ってさ。まぁその辺は父上に相談が必要だけどね。」

うーん、魔法騎士もかっこいいと思っている。しかし魔術師にもなれる可能性を示されるとそれもいいかもと悩んでしまう。


「一番得意なのは闇魔法って言ってたな。他の魔法についてはなんとなくわかるような気がするんだけど、闇魔法ってどんなのが使えるんだろう?」

これまで魔法についてはあまりわからなかったので、ピンとこないのだ。

「闇魔法を使える術者は多くなくてあまり多くはわかっていないんだ。僕が知っていることは別の空間を作ったり、毒の生成を行ったり、毒の耐性があったり。あとは音を消したり自分を見えなくすることも可能って聞いたことがあるよ。」

闇魔法って使えるようになったら便利なんじゃないか!?


ケント様はすでに多少なりとも魔法が使えるし、魔力のコントロールの仕方も含めいろいろ教えてもらった。

試してみたいが、魔力のコントロールを間違えて暴発すると大変なので、領地に着いてからということになった。


来た時とは別の街の宿に泊まり次の日には領地に戻った。


俺は兵舎に戻る前に領主様にお会いすることになった。

おそらく今後についての話があるのだろう。


ケント様と一緒に領主様のお部屋に行く。

するとそこには領主様と騎士団長であるアントン=オットマンがいた。

実は領主様よりもアントン様がいる方が緊張してしまう。

なぜこのような場所に騎士団長様がいっらしゃるんだ。


「エドの魔力についての報告を受けてね。君はどうしたいか希望はあるかい?」

「正直そこまでの魔力があるなんて急に言われてもすぐにどうしたいという希望はありません。」

うむ、と返事をしてから

「もしエドさえよければここにいるアントン=オットマンを後見人としてはどうかと思うのだよ。騎士になるべく努力を惜しまず、君の人柄もなかなかによろしい。どうだろう、彼の養子になる気はないかい?」

アントン様は一代貴族だったはず。後ろ盾ってことか。

でもこれは俺を領地にとどまらせる理由を確保するためってところかな。

「俺はマリアーノ様のことをお守りしたいと思っています。マリアーノ様が他の領地に嫁入りするのであれば一緒について行きたいと思っております。」

皆が皆苦笑いをしている。


「あの子には幸せな結婚をしてほしいと思っている。しかし本人は医師になりたいと言っていて、私は本人の夢も応援したいと思っているのだよ。そうすると結婚にはなかなか結び付かなくてね。。」

まだ婚約者はいないと言っていたな。

「そして領民にも幸せになって欲しいと思っている。その領民にエドワード、君も入るんだよ。確かに君がいてくれたらそれは大いに結構なことだ。しかし選択する自由を奪うつもりはないから安心してくれ。

モリー様の顔を見るに嘘はない。

「すぐにはっきりとは決められません。しばらく時間をください。」

「もちろんだ。じっくり考えてかまわないよ。」

ありがとうございます。と頭を下げた。

「さて、もう一つ考えて欲しいことがあってね。」

モリー様は意味深に次の言葉を発するのに時間をおいたので不安になった。

えっ、何か厄介ごと?


「マリアーノはあと2年したら王都にある国立学校へ入学するのだよ。貴族が通うのは15歳からなんだけど、騎士や魔術師を目指す者は入学は早くて12歳からだ。

もしエドワードにその気があるならマリアーノの護衛も兼ねて一緒に入学し「行きます!!!」

「…そう言うと思ったよ。」

「あっ、、、行きたいです。でも俺お金は、、、」

「費用に関しては私が支援しよう。3年間マリアーノの護衛を頼みたい。そして卒業後はファルテル領のために尽くしておくれ。」

「卒業後もですよね。当たり前ですよね。考える時間をください。」

「費用を理由に領地に縛り付けるものではないさ。優秀な人材に投資をするのは当たり前のことだ。君の将来を左右する大事な決断だ。焦らなくて良いからよく考えなさい。」

頷く俺にモリー様も頷いた。


その時ドアのノックする音がしてモリー様の返事のあと静かにドアが開くとマリアーノ様がそこにはいた。


うっ、美しい…

突然の神々しいお姿に言葉もなく魅入っていると

「お父様突然すみません。エドワードがこちらに来ていると聞いたものですからこうして失礼を承知で参りました。」

「あぁ、話は終わったところだから大丈夫だ。それよりもどうしたんだい?」

アントン様が席を譲って、そこにマリアーノ様が座った。

「ねぇエド、あなた土魔法の適性はあったかしら?」

「ふぁっい、はい、ありました。」

嚙んじゃった…


ふふっと微笑む、いや表情は変わらないのだが俺にはわかる!今確実に微笑んだ。そのお姿に惚れぼれしてしまう。

「魔法を勉強して私の温室の薬草の育成をお手伝いして欲しいのよ。最近何故か枯れやすくて土に原因があるのかと思って肥料を増やしたり土の入れ替えをしたりしているのだけれどうまくいかなくてね。

もちろんすぐに使えるようになるとは思っていないから大丈夫よ。私も試行錯誤しながらやってはいるの。ヒントになるようなことがあるといいと思っただけだから。」

くそっ、今すぐにでもお手伝いがしたい。

「まだ魔法を使ったことがないので早急に勉強します。」

ケント様に体を向けると皆の目を気にせずに頭を下げた。

「魔法を教えてください!!!」

「って言うと思ったよ。じゃエドはこのまま連れていきまーす。」

とそのまま連れ出されケント様のお部屋にご招待されてしまった。

あぁぁぁぁ、せっかくマリアーノ様と同じ部屋で同じ空気を吸う栄誉をいただいていたのに…


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