9、衣装作成
私は家庭科の女子士官数名に採寸されていた。
「ではこの筐体の中でデータを計測します。まずは目印の場所に立ってください。」
「はい。わかりました。」
目印の上に立っていると筐体が降りてくる。
私の周りには筒の様な感じがする。
後から聞くところによると3Dモデリング作成機らしく、私の外見データが取られた。
すぐさまデータ解析して身長、体重を始め手脚の長さ、バスト、ウエスト、ヒップの数値等々が計測された。
バストの部分も形を詳細にデータ化されて計測された。
「服越しでも立派な身体付きをしていましたが、同姓から見てもほれぼれしますね。」
「これは丈夫な乳袋が必要になりますね。」
「ありひし頃の『鏡原三花』様を彷彿とさせますわね。」
等々、家庭科の女子士官が口々に話している。
が、その会話は筐体の有る部屋の隣のブースで話している為、私には聞こえなかった。
「では両手を広げて下さい。可動域の確認を致します。」
スピーカーから次の動作の指示がかけられた。
まずは立った姿勢から両手を横に大きく広げ、両腕をまわして筋肉の動きのデータ採集をした。
その後は色々な関節部の色々な動きをしてその都度、身体の動きのデータが摂られた。
「次は椅子に座って下さい。」
椅子なんてどこにあるのか?と思っていると、立ち位置の後ろから椅子が上がって来てそこに座ってまたもや指示通りに手脚を動かしデータ採集をした。
「お疲れ様でした。」
しばらくしてアナウンスと共に筒形筐体が持ち上がり私の周りは広い室内に1人でいた。
「では衣服を着用し直してください。鏡原さんの身体付きのデータが摂れました。
あとは衣装科にデータをまわし作成するだけとなります。
好みの色は有りますか?」
聞かれて私は、「紺色でお願いします。」と答えた。
「わかりました。希望に沿う様に致します。本日はありがとうございました。」
「どういたしまして。」
3Dモデリングした私のデータはすぐさま衣装制作班に回され、何着かのステージ衣装が作成された。
私の場合は既成品では窮屈、もしくはがばがばになるので身体にピッタリフィットの衣服が望ましかった。
それから普通に業務をこなしている内に仮縫いのステージ衣装が出来上がった。
その衣装を実際に着用してみて、着心地の感想を述べた。
「私の身体にぴったりと合います。実に動きやすいと思います。」
「データ通りでしたね。」
今回は希望した紺色を基調としたステージ衣装だった。
他にも候補として白色やかつての『鏡原三花』の記録映像に残っている衣装を再現すると言う話であった。
デザイナーと司令官他上層部の好みもふんだんに含まれた、衣装や小道具が作成された。
後は肝心な歌をどうするのか・・・?
ひとまず、歌:『鏡原三花』の楽曲のカバーをする事になった。
追って作詞作曲家に曲を書いてもらう予定でもあった。
世代を超えるが俗に言う、セルフカバーみたいなものと考えても差し支えなかった。
オリジナルの『鏡原三花』の曲をクローンである私が歌うのだから。
それからしばらく歌の練習、振り付け等々の訓練も教育型AI訓練の合間に平行して行われた。
「三花ちゃん、身体大丈夫?」
仲間の1人が心配で声を掛けてくれた。
「私は大丈夫。」
「あまり無理しないでね。」
「ありがとう。わかってるわ。」
そうこうしている内に幾日かが経過して、その間に何回も『第二の地球候補発見』作戦やワープを繰り返していた。
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