6、出生の秘密
三人称視点になります。
『鏡原三花』と言う存在は年配の我ら特に20世記後半に産まれて来た者ならば誰でも知っている。
まさに同年代のスターと言う存在だった。
もちろん指揮官の1人も『鏡原三花』の子役時代から知っている。
最初は歌手デビューをしていて気付いたら子役としてTVの一躍スターとなっていた。
子役時代はTVドラマ、映画、バラドル、何でもござれの活躍をしていて、
日本国中知らぬ者はいないと言われるまでの人気スターで将来女優として活躍を期待されており、
現に、大物女優としてのへんりんを見せていた。
だが、1999年7月某日の大異変により『鏡原三花』はまさに遠い存在となってしまった。
当時、蘇生させようと大病院で四苦八苦したが結果として帰らぬ人のままであった。
しかし、蘇生治療の一環として『鏡原三花』の組織細胞を採取しDNA鑑定して密かに培養治療されていた。
その存在は秘匿されており、2005年頃にようやく実現した。
すなわち、残された『鏡原三花』のDNA細胞から育て上げた。
要するに現在隊長をしている15歳の鏡原三花はオリジナルの『鏡原三花』のクローン人間であった。
禁忌化しているクローン人間作製計画は全うな時代では批判の的になっていた事であろう。
だが1999年7月の大異変により地球の人口が激減しており、重要人物と認定された者はクローン技術により再生していった。
そんな中の1人として、現在の鏡原三花がいる。
この事は本人には内密にしている。
生前の『鏡原三花』と瓜二つに成長していった。
まさに彼女の黄金期の再来であるかの様に。
周りの大人達、すなわち中年、壮年の人達はありひし頃の『鏡原三花』の登場を喜んだ。
まさに自分達の青春が帰ってきた気持ちが大きかった。
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「どうすればいい?鏡原君に出生の秘密を話すべきだと思うかね?」
「自分は彼女が己の事を知りたいと言うのなら話すべきだと具申致します。」
「私は肯定も否定も出来ないな。いずれ彼女も知る事になるだろうから、あわてない方が良いと思う。」
「今の彼女は我々の自分への好待遇ぶりに疑問を持っている。今後の作戦に精神的に不安材料になりかねない。」
「まあ、よいではありませんか?」
「彼女も今や立派に隊長の任を果たしてくれている。その功績に答えるべきだと思うのだがね。」
「閣下がそう言うなら自分が反対する道理はありません。彼女の気持ちの整理にもなるでしょうから・・・。」
「では彼女、鏡原三花君には事情を話す事で決定だな?」
「異議無し。」
「よし、明朝話す事にしよう。」
「彼女には今は軍に所属しているが、アイドルとして、または女優としてパイロット以外にも頑張ってもらう事になるだろうな。」
「そうですね、閣下。」
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そうして、明朝私事鏡原三花は出生の秘密と今後の事について話をされた。
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