3、火星上空
地球を出発してはや数週間。
それまでは何事も起こらず、学園生活の平和なひと時を過ごしていた。
ワープ航法が密かにどこからかの極秘情報として伝えられて研究されていた。
地球脱出作戦『箱舟作戦』はワープ航法があって初めて成り立つ作戦であった。
全艦隊をまとめての大掛かりなワープの為に、準備に丸1日を費やした。
一艦だけならば短時間でワープアウト等の計算により楽なのであったが、
フロンティア号を中心として大規模艦隊のまとめてワープする為に各艦との位置同期に時間がかかった。
まずは最初のテスト、月から火星までの短距離ワープ準備に取り掛かった。
外部に出ている作業員はただちに各艦に撤収して記念すべき第一回目のワープが開始された。
「ワープ5分前、総員着席してください。」
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「ワープ!」
操舵士がワープする為のレバーを引いた。
たちどころに亜空間に入り、気が付けば火星が目の前に有った。
「ワープ成功。」
「諸君、距離は短いが無事ワープに成功した。脱落艦も無い。この偉大なる一歩で我々は新天地に向けて歩みだそうしている。すぐにワープ準備に取り掛かれ。次の目的地は冥王星だ。」
「「「「「了解!」」」」」
「総員スタンバイ。」
まずは第一の目的として太陽系離脱をする。
その後は銀河系中心に向けて新天地を求めて旅する事になる。
ワープの為に同期計算とエネルギー注入に1日の空白がある。
そして目の前は火星が広がっている。
ただちに調査隊が派遣されて昔は探査機越しでのデータ採集で有ったが生で拝める事が出来る。
各分担に任せて火星の地質等が観測された。
その時に鏡原三花リーダのミラー隊の出撃して念の為に護衛の任と宇宙空間での実際の変形、合体の練習も兼ねていた。
他の隊もそれぞれの場所で護衛の任を任されていて、同じく実際に変形、合体をしていた。
各機は単体でも戦闘機、人型に変形出来て、5機が合体して巨大人型兵器になる。
その用途は他にもあり、最終的には巨大人型兵器が更に超大型人型兵器になる。
その頭脳と言うべき1番機が鏡原三花搭乗の『ミラーα』なのであった。
「変形、合体!」
「「「「了解!」」」」
ミラー隊の5機が変形する。
そして合体をして火星上空にとどまった。
それから更に数機の各隊のロボットがミラー隊を中心として合体する。
「合体完了。総員各部異常確認!」
「異常無し!」
「こちらも異常無し!」
「全て異常無し。管制室、問題有りません。」
「了解。ただちに分離して各機は帰投する様に。」
「「「「「了解!」」」」」
「分離機構開始。各隊分離後更に分離して戦闘機状態で母船に帰投する様に。」
「「「「「了解!」」」」」
そうこうしている内に1日が過ぎて行き、第二回目のワープの瞬間が来た。
「標準時12:00(ひとふたまるまる)に第二回目のワープをしますそれまで各員安全スペースに避難してください。」
「ワープ10秒前、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0、ワープ!」
グイッ!
ワープレバーを引く。
気が付くとそこにはかつて第9惑星と呼ばれていた今は準惑星の冥王星の姿が見えた。
いよいよ太陽系との別れが近づいてきた。
「さようなら~!必ず帰ってくるからな~!」
「さようなら~!」
その日は盛大な太陽系脱出記念と無事帰還祈願が行われた。
「「「「「バンザ~イ!バンザ~イ!バンザ~イ!」」」」」
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