18、約束された未来
地球の品々が多く陳列してある空間の奥へと私は進んだ。
そこで観た物に私を始め、調査団、司令官達を驚かせた。
何と部屋になっており奥にはポスターらしきもので、太陽系を表していて地球の部分に丸く円が描かれていた。
あと、部屋の棚らしき物には太陽系をイメージしたと思われる惑星の模型が置かれていた。
少し離れたところにパソコンらしき物が置かれていた。
「調査団長、これはパソコンですよね?なぜこんなところに?」
「鏡原隊長、電源スイッチは無いかね?」
「はい、多分これだと思います。起動します。」
「よろしく頼む。」
私はパソコンと見られる物体の電源を入れた。
見事に電源が入り、モニターに画面が映った。
『ようこそ』
それは地球の言語、日本語で挨拶が表示された。
「鏡原隊長、何かフォルダはあるかね?」
「はい、有りますね。」
「ではフォルダを開いてみてください。」
「了解。」
私はフォルダを開くと、なにやら日本語で文章が出て来た。
「鏡原隊長、何やら文字が表示されたみたいだがもう少し拡大出来ないかね?」
「分かりました。設定を変更してみます。」
私は設定を表示して文字の大きさの変更をした。
「ありがとう鏡原隊長、これでこちらからもモニターに書かれている文章が見える。」
「どういたしまして。」
「まずは音読してくれないかね?」
「了解。」
私は表示された文章を音読した。
それによると、秘密裏で地球と関係のあったこの星の住民は1999年7月某日の小惑星衝突を予知しており、それまでに地球の品々を購入または持ち出していたらしい。
そして私にも関係するオリジナルの『鏡原三花』のファンになり、数々のグッスを購入していたらしい。
しかも、地球の音楽、文化は他の知的生命体の間でも人気らしく、この星だけではなく宇宙中に地球の文化は広まっていたらしい。
その中でも『鏡原三花』の人気は絶大で、地球に先行している宇宙人から電波が送られてきて地球から遠く離れたこの地でも観る事が出来たらしい。
まるでこの星では『鏡原三花』は偶像であり、神聖な場所としてこの場所が設けられたと言う。
そしてクローン技術による『鏡原三花』のクローンが作成されて今の私がここに来る事も予知されていた。
「鏡原隊長、これは大発見だ。」
「ええ、そうでありますね。」
「どうした?喜ばしい事じゃないのかね?」
「すみませんが、私は複雑な心境であります。」
「ん?何がかね?」
「だって、1999年7月某日の小惑星衝突が予知されていたのならなぜ地球側に知らせなかったのでしょうか?救える命も多くあったはず。」
「鏡原隊長、私は思う。君の意見ももっともだが、秘密裏に地球側に伝達されていたと思うよ。
だって、地下シェルターに多くの人々が逃げ込んだのはただの偶然ではないと思うんだ。」
「それにしても、『鏡原三花』さん他多数の犠牲が有るじゃありませんか・・・。」
「その犠牲は起こるべくして起こったのだと思うよ。それが無ければ今の君はいないことになるからね。」
「それもそうではありますが・・・。」
「複雑な心境の君に同情するが他のフォルダも開いてくれないかね?」
「了解。」
私は他のフォルダも開いた。
そこにはありひし頃の地球上の様子、色々な文化等様々な物の画像が有った。
勿論私のオリジナル、『鏡原三花』の画像も。
オリジナルに思いをはせる私をしり目に画像データを何かコピー出来ないか調査団長と相談した。
「どこかに端子を入れる場所が無いかね?」
「はい、探してみます。」
「ありました。でも私が今持ってる調査道具の端子が合うのが有るかどうか・・・。」
「端子を良く観てくれたまえ。何か合うのがあるはずだ。」
「了解。」
私はパソコンの端子と調査機器の端子で接続できそうな物を探した。
見事みつけだす事ができて、ファイルコピーをした。
そのデータはすぐさま調査団に送られ司令部にも送られた。
「鏡原隊長、パソコン以外にも何か有るかね?」
「何か見られている様な感覚がします。この神殿らしき建物の調査していた時から感じていましたが、今ではより一層感じます。」
「天井に何か監視カメラでもあるのかもしれないな。」
「かもしれませんね。」
私にまとわり付く様な視線。
果たして視線の正体とは?
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