15、更に奥へ
私の体調を鑑みて調査続行は2日後に行われた。
今回の目的は、『鏡原三花』のグッズ類の回収だ。
また私達と調査団が例の私しか入れない部屋の前まで来た。
人員の数も人海戦術でグッズ類回収の為前回よりも多く動員された。
「鏡原隊長、お願いします。」
「はい。」
調査団長に言われ私はうなずき私しか入れない部屋に入室した。
「鏡原隊長、一昨日と何か変化は見受けられるかね?」
「いえ、今の所は何も変化は見受けられません。」
「では手筈通り、『鏡原三花』のグッズ類の回収をしたまえ。」
「了解。」
私はオリジナルの『鏡原三花』と見られる数々のグッズを部屋の外へ運んだ。
それらは他の隊員ならびに調査団が軽く梱包して輸送船まで運んだ。
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数々のグッズを運んでいき、部屋ががらんどうになっていった。
肖像画を外して運ぶと、何やら隠し扉が有った。
恐る恐る開けてみると、何やら書類みたいな物が入っていた。
いわゆる隠し金庫みたいな構造でそれらも回収して後は調査団に鑑定任せにした。
金庫もどきから書類を取り出すと更に奥に隠し紐がありまたもや恐る恐る紐を引いてみると隠し戸棚があり、そこには『鏡原三花』のファンクラブメンバーカードが入っていた。
おそらくここの住民が大事にとっていたいたのだと思われる。
「鏡原隊長、他にも何か隠された物は無いか十分注意して確認して下さい。」
「了解。」
それからしばらくくまなく部屋を探索したが、あらかた回収したみたいで何も進展が無かった。
だが私は先住民の『鏡原三花』愛を十分堪能出来た。
「鏡原隊長、何も無いようならこれで帰還したまえ。」
「了解。」
初めて入室した当初は『鏡原三花』グッズであふれていた部屋だったが今はがらんどうとして物悲しく感じた。
ふと天井を見てみると、なかなか気付かなかったが巨大な絵が描かれていた。
まさしく『鏡原三花』のコンサート風景等多種多様な絵画が描かれていた。
これらは持ち運べないので、天井を小型カメラで撮影して調査団に丸投げした。
「これはすごい・・・。塗料等の材質も気になるが、よほどの『鏡原三花』崇拝者達だったのだろうな。」
調査団長が感心して感想を述べた。
ふと絵画に描かれている『鏡原三花』の視線の先が同一方向を向いている事に気付いた私は視線の集まる地点を入念に探索した。
そこにはある一点、壁の一部の色が違いよく探索すると何やら保護色として最初は見分けが付かなかったが隠しブロックがあり、スイッチの様な物が隠されていた。
「鏡原隊長、そのスイッチを押したらどうなるかわからないがそれでも押すかね?」
「私も心配ではありますが進展する事でしょう。」
「幸運を祈るよ。」
調査団長はスイッチを押すことに不安を覚えていたが、私は意を決してスイッチボタンを押した。
ゴゴゴゴゴ・・・。
何事が起ったのか心配だった私だったが、とある壁の一部に隠し通路が開いた。
この奥は何が有るのだろうか?
私の知的好奇心が見る見るうちに沸き上がってきた。
「どうするかね?鏡原隊長。このまま進むかね?」
「はい、何が有るのか興味深々であります。」
「気を付けたまえよ。」
「了解であります。」
調査団長が私に声をかけてくれて、私は意を決して隠し通路の奥に入った。
そこに待ち受けている物は一体何だろう?
私の知的好奇心は否応にも高まった。
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