洞窟探検編中編
ー僕の力が誰かを救えるのだったら
出来る限りの多くの人を救いたいー
byウル・サシャ
あれから3日後、朝10時、ザックの兄貴に言われた通り武器とケータイを持って、待ち合わせ場所で馬車を待っていた。(待ち合わせ場所が治安の悪い所では嫌だという要望があり、歩いて1時間の所になってしまいもう結構汗をかいている)
程なくして馬車が来た。馬車の人にどうぞと言われながら乗ると先に儚げな美人が乗っていた。この人が同行するというエクソシストだろう。
エクソシスト?「どうも、始めまして。今日同行させて頂くことになりました、エクソシストのウル・サシャです。ウルとお呼び下さい。」
レイター「あっ、始めまして。私はレイター・ハーンと申します。よろしくお願いします。」
ウル「今日の任務の概要についてはどこまで聞いていますか?」
レイター「うーん、そうですねぇ、洞窟の奥に貴族のメダルがあるからそれを取ってきて欲しいってのと強い悪霊がメダルの目の前にいるから説得しないと取れないってのと後は俺の前に4人が行ってて冒険家の2人は失敗。1人は殺された、殺された理由は煽って怒らせた事、4人目はそもそも入れ無かったという事位ですかね。」
ウル「そうですか。そこまではお聞きになったのですね。では、時間もありますし、詳しいお話をしましょうか。
まずは、悪霊の正体からで良いでしょうか。正体はドラゴンです。ただ、2つの形を持っているみたいで、もう1つの形はグロテスクでゼリー状の顔がいっぱい付いており、しかもでかいという生き物です。これは2人目の人と同行した時に聞いたお話ですがドラゴンが本当の正体であり、グロテスクな方は、驚かすようらしいです。後は…これは私の推測なのですが、グロテスクな方はドラゴンが魂を食べた姿の方だとも思っています。色んな人間の顔が付いた異形だったので。」
えぇー、ドラゴンだって!?怪鳥とも並んで最強だと言われている悪霊じゃないか!
ウル「次に、悪霊の能力についてですね。まず、テレパシーは出来ます。これが出来ないと私達との会話もままならないですしね。というか、悪霊は全員テレパシーが使えます。悪霊によってどこまでテレパシーが使えるかの強弱はありますがね。次に、バリアを張る事も出来るみたいです。強弱も変えられるらしく、1〜3回目の時と4回目の時は違っており、4回目は強くなっておりました。…3人目の事があったのでより警戒するようになってしまったのでしょうね。後は、これも私の推測ですが、遠くからでも姿形が分かるみたいですね。どれくらいの範囲まで使えるかは分かりませんが少なくとも洞窟の入り口付近までは出来るみたいです。何か…洞窟の入口の所で探られてる感じがしたのと2人目の男性の事を『好みの男だったから入れた』と言っていましたのでほぼ確定だと思います。…そう言えば、4人目の人を探られた時にいつもと違う感じがしたような?すみません、話が脱線してしまいましたね。この能力がある位なのでテレパシーも使おうと思えば洞窟の入口付近までなら普通に使えるんじゃないかと思っています。」
めっちゃ、強!!もうこの時点で勝てる気がしねぇよ…。
ウル「私は1人目の人から同行していたのですが、まず、殺されたのは3人目の人です。ただ煽って殺されたと聞かされても詳しい状況説明がないと分かりにくいと思うので説明させて頂きますね。
ー最初はあなたと同じように馬車に乗って洞窟に向かいました。時間があったのでお話させて頂いたのですが、「弱そうだなぁ、アンタ。そんなんでエクソシストやっていけんの?」…これは一例で、他にも人の愚痴や文句が多く物凄い人をバカにしてくる人だったのです。この時点で私は嫌な予感がしていました。悪霊を怒らせないかと。程なくして洞窟に着きました。そこでも「悪霊になるなんてバカがなるものだ。」などと根拠の無い事を言っていました。悪霊は探知の能力が有るらしく、彼の事も探っている感じがしましたが、どうやら、通っても良いと思ったのかバリアを解いてくれました。そうして、洞窟の奥に着きました。そこにはグロテスクなゼリー状のでかくて顔がいっぱいある悪霊が居ました。…いえ、私はその前にも2回来た事があるので知っていたんですけどね。もちろん、彼にも説明してました。1番上にある若い男性が話しかけてきました。
グロテスク『ようこそ、闇の世界へ!』
3人目の男「あんたがドラゴンなのか?」
グロテスク『ああ、そうだよー。あんまし、話す人が居なくて暇なんだよね〜。だから、俺といっぱいお喋りしようよ!』
3人目の男「悪いがクソみたいな悪霊と喋る事など1つもねぇよ!」
ウル「ちょっ、ちょっと。抑えて…」
グロテスク『ああん?誰がクソだって?」
3人目の男「だってクソだろうがよ。人を恨んで死んで悪霊になって人に迷惑かけて…こんなクズだったら死んだ方がマシだ!」
ウル「ちょっと!本当にやばいって!」
グロテスク『ならお前には俺を殺す覚悟があるのか?』
3人目の男「ああ、あるさ!殺してやる!」
グロテスク『殺すと言うんなら、逆に殺される覚悟もあるんだよなぁ?』
ウル「待て!罠だ!」
無理矢理にでも引っ張って止めようとしたのですが…彼の足が早くて追いつけなくて、彼はダガーナイフのようなものでグロテスクな生き物に襲いかかろうとしていました。
すると、突然グロテスクな生き物がドラゴンに変身して尻尾で天井の壁を叩き割り岩が落ちてきました。3人目の人はそれに巻き込まれて…死亡しました。私はドラゴンに見逃されたので無事でしたが…クソみたいな悪霊とか言い出した時点で口を押さえてでも止めるべきだったと思っています。本当に痛ましい事件でしたー」
そ、そんな事があったなんて…。というか、3人目の男の自業自得じゃね!?
レイター「うーん、厳しい事を言うかもしれないけど、3人目の男の自業自得が大きくないか?」
あっ、敬語を使うつもりだったのに地が出てしまった。
レイター「あっ、ごめんなさい。つい地が出てしまいました。」
ウル「大丈夫ですよ。私も先程の話でも分かったと思いますが焦った時には地が出てしまうタイプなので。あなたも敬語は使い辛いようですし、これからは地で話しても大丈夫ですよ。」
レイター「うん、だったらあなたとかじゃなくて名前呼びにしない?君の事はウルと呼んで良い?」
すると、ウルは少し照れ臭そうに、
ウル「良いですよ…あなたの事はレイターとお呼びしてもよろしいでしょうか?」
レイター「うん、良いよー。後さ、ウルもそっちが素じゃないみたいだし、敬語やめて良いよー。」
ウル「分かったよ、敬語やめるね。…なんかこうして話していると友達みたいだね。それじゃ、レイター。さっきの3人目の人の自業自得じゃないかって話なんだけど、実は僕も少しだけそう思ってしまっているんだよね。亡くなった人に悪いとは思うけどさ。
そういえば、他の3人の話はしてなかったね。まず、1人目の人は洞窟の途中までは行けたんだけど、途中で気分が悪くなったという事で引き返してきたんだ。多分、悪霊の瘴気に当てられたんじゃないかな。」
悪霊の瘴気…。悪霊は負のエネルギーの塊みたいなもので人間にとっては毒になる。当てられやすい人だと気分が悪くなったりする人もいる。多分、1人目の人は当てられやすい人だったんじゃないだろうか。
ウル「次に、2人目の人は奥まで行けたんだけど、悪霊に遊ばれて終わってしまった。まあ、能力の推測も出来たし全く無駄では無かったけどね。
最後に、4人目の人だけど、この人はレイターも聞いた通り洞窟の入り口から進めなかった。どうやら、悪霊が許可してくれなかったらしい。それに、4人目の人を探られた時のいつもと違う感じがした力が気になるし…。」
うーん、ドラゴンの能力は未知数ってわけか。絶対戦闘回避だな、絶対。
そんなこんなでウルとは結構仲良くなり、この後はたわいもない話をして過ごした。
小話
作者「はい、洞窟探検編が中編までしか入りませんでした〜」
レイター「いやいや、嘘だろ!?本当は少し長くすれば入るはずだったのがウル・サシャの心情まで唐突に思いついてそれを1番上に入れたかっただけだろーが!」
作者「いやー、まあそうなんだけどね。次の話は今までよりちょっと文字数が少なくなる可能性があるよ。」
レイター「だったら、いつもより早く書き終えるんだよな?」
作者「いやー、やっぱしさ、作者も忙しいですし?普通に3日後の可能性が…」
レイター「更新遅っ!見てくれていた人も忘れるレベルだわ。」
作者「うん、完結してからみても遅くないからね。」
レイター「こんなにのんきで完結までどれくらいかかるやら…」
作者「後さ、次の予告をしておくとレイターの俺tueeeならぬ俺sagee展開が続くよ!」
レイター「俺主人公なのにたいして強くないんかいっ!つーか、あれか?『あれっ、俺が主人公のはずなのに脇役の方が主人公してる?』ってやつか!?」
作者「おっ、そのままでなろう系のタイトルいけそうじゃん〜。まあ、話的にこれからどんどん暗くなっていくし楽しい感じじゃないから作者的には却下なんだけどね。」
レイター「勝手にタイトルにされた上に、却下された!」
後書き
はいー、後書きです。小話はキャラの性格はそのままに現代の知識を持っていたらというコンセプトでやっております。キャラ崩壊にご注意下さい笑
4話目まで読んで頂きありがとうございました。