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第三十一話 友達からの連絡と一人飯

 あれから、ゴールデンウィークも残り三日となった。

 課題も終わって、俺はゆったりと過ごしていた。

 読書をしたり動画を見たりと、それなりに有意義な時間を過ごす。

 ただ、もうすぐ幸太辺りから連絡がくるんじゃないかと予想していた時だった。

 RINEのメッセージが通知が届いた。

 送ってきたのは、案の定幸太だった。


『修司! 課題が終わらない! 助けてくれ!』


 長期休みに幸太が、課題が終わらないと嘆くのは、一年の頃から変わらないため、何も驚くことはない。


『やだ。一之瀬に手伝ってもらえ』


『頼むよ! 陽香は祖父母の家に行ってるから、手伝ってもらえないんだよ!』


『丸写しはさせないぞ?』


『教えてくれるだけで助かる! 頼む!』


 俺は仕方ないと思い、幸太にメッセージを送る。


『わかったよ。場所は図書館とファミレス、どっちだ?』


『図書館にしよう! ファミレスだと続かない気がする!』


『了解。今から行けばいいか?』


『今からだと、修司が着くのはお昼ぐらいか? そうしよう!』


 幸太のメッセージに疑問を思った。

 だがすぐに、自分が一人暮らしを始めたことを、幸太に伝えてなかったと思い直した。

 危ない……危うく、すぐに着くぞとメッセージを送るところだった。

 待ち合わせまで少し時間が空いているため、昼食を食べてから行くことにした。




 あんまり時間を掛けられないため、簡単に作れるパスタに決める。

 何かないかと冷蔵庫の中を確認するが、あまりものがない。

 野菜はニンジン、キャベツ、タマネギ、ピーマン。

 肉系はハム、ベーコン、豚肉、豚牛合挽のひき肉。

 あとは、卵が六個くらいだ。

 調味料に関しては、大体揃っているので考えない。

 これらの材料から何を作るか考えていると、ものすごく簡単にできるものを思いついた。


「カルボナーラにするか」


 牛乳があることを確認して、カルボナーラを作ることに決めた。

 とりあえずパスタを茹でる準備をして、その間にベーコンを小さく切っておく。

 お湯が沸騰したら、パスタを投入。

 パスタが茹で終わるまでに、卵三個を卵黄と卵白に分けた後、バター、コンソメ、粉チーズ、牛乳を用意する。

 パスタが茹で終わりそうになって来たら、フライパンを中火で熱し、温まってきたところでバターを投入。

 バターが溶けたくらいで、ベーコンを投入して焼き色が付くまで焼く。

 焼き色が付いたら湯を切ったパスタと、牛乳、コンソメ、粉チーズを加えて混ぜ合わせる。

 全体になじんできたら、フライパンを火から離して、卵黄二個投入する。

 卵黄を崩してよく混ぜた後、器に乗せる。

 最後に卵黄一個をパスタに乗せ、少量の胡椒をかければ完成だ。

 余った卵白は大きめのマグカップに入れて、塩胡椒、ごま油、醤油、鶏ガラスープを入れる。

 その後にお湯を入れれば、中華スープの出来上がりだ。

 テーブルに、カルボナーラと中華スープを並べると、少し早い昼食を取った。




 食べ終わって食器などを片付けると、丁度いい時間になっていた。

 すぐに準備をして、学校近くに向かった。

 図書館前に着いて、幸太がいないか探していると、幸太の方も今来たらしく、小走りで俺の方に向かってきた。


「今日と、もしかしたら明日もお世話になります!」


「はいはい。できれば頑張って今日終わらせような」


「うっす!」


 そんな会話を交わした後、図書館の中に入っていく。

 中には結構人がいて、本を読んでいる人もいれば、勉強している人もいる。


「とりあえず、席を探すか」


「空いてる席があるといいんだけど」


 そんな感じで空いている席を探していると、ちょっと前から関わるようになった人物がいた。


「あ! 天ヶ瀬先輩!」


「六花ちゃん……。ここ図書館だから」


「あっ、すみません」


 そこに居たのは、片桐と速水だった。


「天ヶ瀬達も勉強しに来たのか?」


「そうだ。お前らもか?」


「へへ。私が課題を終わらせてなくて、ついでに先輩に教えてもらうかなって」


「結局……六花ちゃん一人で進めちゃってるけどね」


 さすが成績優秀者、基礎がしっかりできているからこそ、スラスラと課題を終わらせられるのだろう。


「で、天ヶ瀬も課題が終わってなくて、急いで終わらせに来た感じか?」


 片桐は少し小馬鹿にしたような言い方で、俺に聞いてきた。


「いや、俺は終わってるんだが、こいつが……」


 隣にいた幸太に視線を向けると、苦笑いをしながら頭を掻いていた。


「それなら私達と一緒にやりますか?」


 急に速水がそんなことを言ってきた。


「いや、流石にデート中の二人の邪魔をするのは悪いよ」


 そう言って幸太は断る。

 俺もお邪魔になりたくないので遠慮したい。


「だけど、私達のところ以外は空いている席ないですよ?」


 速水がそう言って来たため、俺達は周りを見渡す。

 本当に二人で勉強できる四人席が、片桐と速水の席しかなかった。


「……仕方ないか。すまんが、一緒に勉強させてもらう」


 俺が片桐の向かいに座ると、幸太も同じように座る。

 そのまま四人で勉強することになった。


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