夢なき少年
あぁ......いつからだろう......
自分は何処で間違えたのだろう?いや元より最初から間違っていたのかもしれない。
小学生、中学生、高校生......と学年が上がっていくうちに心が死んだように学校生活を楽しめなくなっていた。
部活も中学まではバスケ部だった、だが自分の地域はミニバス(小学生のバスケットクラブ)が多く、いくらやってもスタメンにはなれなかった
.....
.....
いやこれも只の言い訳だ、頑張りが足りなかったんだ、それか元より頑張る気などなかったのか。
そんなこんなで3年の頃には行く回数も1週間のうちに数回になっていた。
受験は頑張ったと自分ながらに思う。
......だかそれだけだ......
自分で本当に好きだと思ったことなど人生で一度もない僕は何者にも関心を持たず、高校に行ってから部活にも入らず、その生活はさらに自堕落になっていた。
『あぁ......いっそ死んでしまったほうが楽なんじ
ゃないか?』
そんな馬鹿げたことまで最近考えるようになった。
自分でもわかっている。これは当たり前のことだ。
それはそうだろう、なぜなら自分で探してもないのに向こうから自分が本当に好きなこと、やりたいことなど来るはずがない。
知っているのだ......自分が自分に甘いからこのような事になっているという事も。
高校3年になって進路のことを考えないといけないという今この時、改めてそう思う。
『おい! 誰かそこで寝てるバカの事起こせ!』
怒鳴り声が微かに聞こえる。あぁ そういえばもう昼休み終わったんだっけ? 『はいはーい 別に寝てませんよー』
『嘘をつけ!このアホ!』
昼休み早々、俺はどやされた いたい、痛いから。
『全く村田の数学で寝るとか、お前ほんといい度胸してんな』
五時間目のことを隣で冷やかして来るのは俺の友達の
『えー......誰?』
『ふざけんな祐樹!お前俺からも締められたいようだな⁉︎』あーはいはい、うるせぇ、うるせぇ。
こいつは良太、クラスでうるさいやんちゃな奴だ。なんか前の運動会でもみんなを笑わせるために一人だけリレーのコースをに走ったりしていた。アホなのか?まぁ笑わせてもらったが
『リョータ、今日も夜ゲームな』
『おう、あーでも......』
『?』
『いや、今日受験のための塾だからちょっとな遅くなるけどいいか?』
そう、こんな奴でも考えている、自分が何をしたくて、努力して、何処へ行くのかを決めてる。改めて自分の不甲斐なさに嫌気がさしてくる。
『おう、じゃあ今日一緒に帰れねぇんだな』リョータは塾が学校の近くにあるので学校が終わると同時にそのまま塾に行くのだ。
『おう! じゃあ夜』
外は刺す様に寒く、暗い道には街灯がぽつぽつと光り、しんしんと降る雪が幻想的だ。
『気分転換に公園でも寄ってみる......か。』
少しベンチでコーンスープでも飲みながら一休みしよう。そう思い一際暗い公園に足を踏み入れた。
『........................誰もいない...な......』
まぁ、こんな時間にこんなさっむいとこ来る奴なんていないよな、まぁ誰もいない方が何も考えなくていい。
『あぁ......なんかおもしれぇことねぇかなぁ』
そんな誰も答えない筈の問いに、
『ねぇ、そんなに暇なら 私の漫画書くの手伝ってよ!』
そんな事を抜かす、白い髪の少女が目の前に立っていた。
俺はこの出会いを忘れないだろう。