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油断

カードは5枚あるが、良く知っている者はいない。かろうじて六角義治が近江の人だったかな?くらいである。ゲームで見たよな?

カードにどんな種類があるかはわからないが、織田信長とか武田信玄、上杉謙信が欲しかった。絶対に強いはずである。今持っている5枚では勝てる気がしない。

それでも自分が生き残るためには、この5枚こそが命綱なのだ。5つのカードの能力を良く知らなければならない。例えるならば張飛に軍師をさせ、諸葛亮に護衛をさせるようではダメなのだ。そんな馬鹿には成りたくない。

カードをサッと読むだけでも違う。六角義治、野口冬長、小野善鬼は武の側の人だ。平古種吉は政側の人になるだろう。難しいのは洲賀才蔵である。特徴がないのだ。優れた技能も特別な技能もない。武士ではあるのだけどね。


簡易ではあるが自己の戦力は把握した。出来る事なら戦う事無く生活をして、老衰で死にたいのだが。

それは油断だった。戦場から離れたために気を抜いていた。ここは安全な日本とは違うというのに。

「見ちけた~。見ちけた~。」

舌足らずな言葉を吐きながら60センチくらいの人がワサワサと現れた。いや人ではない。ボサボサの髪から覗く目は1つだけだ。手に持っている剣からは血が垂れている。

明らかに友好的ではない。

「その剣をどうするのかな?」

結果が解っていても聞かずにはいられない。

「ん?」

彼らは剣を見つめて首を傾げる。

「おまえ、殺す?」

戦闘が始まった。


「蹴散らせ!!」

側にいる野口冬長に戦闘命令を出して、カードを取り出す。平古種吉。

「ちが~~う!!」

思わず頭を抱えた。こんな時に目当て以外のカードだ。焦って震える手で次のカードをめくる。

「「「ちが~~う♪ちが~~う♪ちが~~う♪♪」」」

何が面白かったのかはわからないが、彼らは違う違うと歌いながら楽しそうに走り回り始めた。まるで子供だ。

だが今がチャンスだ。

六角義治、小野善鬼、洲賀才蔵を呼び出す。

「敵だ!!倒せ!!」

自分は数歩下がる。巻き込まれたくない。

六角義治は弓を引き絞り矢を放つ。敵を撃ち抜き後ろの木を抉るほどの強弓である。洲賀才蔵も矢を放つ。敵に当たらない、敵に当たらない。当たれば敵を倒すが的中率が低い。

「ええぃ!!」

諦めたのか才蔵は弓矢を放り出して槍を構えて走り出した。最初から槍を使えよ・・・。

敵は30以上いたが瞬く間に勝負は付いた。勝利である。敵の死体が目に入る。やはり人ではない。ここはアザー。人ならざる者も住む異世界である。

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