旅立ち
「そんな...酷すぎる...」
ミレイは、外に出て周りを見渡し愕然とした。魔物による襲撃で街はボロボロになっていたのだ。
「くそっ!こんなの初めてだぞ!!」
レナーシャはあまりの怒りに拳を握る。
「おぃ、ミレイ。目は大丈夫なのかよ」
「う、うん。今の所、大丈夫みたい」
レナーシャが目を見ると、色はすっかり元に戻っていた。
「その目、前からなのか?」
「いや...こんな事初めてだよ...って言っても前の事覚えてないんだけどね」
アハハと苦笑いをするミレイ。
2人は国王の元に向かう事にした。
――
「よく生きていてくれた。急に外に出ていった時はびっくりしたぞ」
「すいません。何か役に立てればと思って...」
「ま、まぁミレイのおかげで助かったんだ!いいじゃねぇか!な!?」
「責めている訳ではないんじゃよ。安心したぞ。そして、民を守ってくれてありがとう」
国王はミレイに頭を下げた。
「いえいえ!当然の事をしたまでですよ」
どうか頭をお上げくださいとミレイが焦る姿を見て
レナーシャはクスクスと笑っていた。
「しかしのぉ...ミレイとやら、どうやら記憶が確かでは無い様なのだが...何も覚えてないのかえ?」
「えぇ...覚えてると言えば、パソコンの画面を眺めていた...って事だけで...」
「そのパソコンってのには何かが書かれてたのかぁ?」
レナーシャが気になったように聞いてみる。
「それが曖昧にしか覚えてないんだ...何を犠牲にするって事位しか...」
「犠牲にねぇ...今の状態じゃ記憶を犠牲にしてるようなもんだけどな!」
ケラケラと笑いながらレナーシャは言った。
「これこれレナーシャ、笑い事ではあるまいて、ミレイよ、これからどうするかはお主の決める事じゃが...これから先、またあの様な魔物と戦う事になるじゃろう...1度、ここから東の方にあるメリヒストに行き、身仕度をする事をオススメするぞ」
「メリヒスト王国かぁ、確かにあそこにゃスビッツの奴も居るし良いもの手に入るかもなぁ」
レナント国王の言うメリヒスト王国にはレナーシャの知り合いの鍛冶屋が居るらしい。
レナーシャとは腐れ縁で昔はよく二人してふざけて怒られていた様だ。
「メリヒスト王国...そこでスビッツって人を探せば良いんですね?わかりました!」
「ちょっと待てよ!」
メリヒスト王国に向かおうとするミレイを
レナーシャが引き止める。
「おいじぃさん!私も付いてっていいよなぁ?」
「えぇ!?」
あまりの提案に、ミレイがビックリした声を出すと
レナーシャは、なんだよ、文句あんのか?と睨むむのだった。
「構わんが、くれぐれもミレイの邪魔はせんようにのぉ」
「しねーよ!ってな訳で、よろしくな!ミレイ!」
「アハハハ...よろしく...」
苦笑いをするミレイなどお構い無しに、ズカズカと進んで行くレナーシャだった。




