どうやら宰相の性癖がバレるときがきたようです
この作品は夜桜様が執筆された作品です\(´・∀・`)/んバッ
本格的になんで私が投稿しているのか分からなくなってくる今日このごろ。
一番に原本を読めるですっごい役得です(ニッコリ)
ヒュー……ドッカーン!!
ここは魔王ネルの魔王城。ここは常に何やら騒がしい事が起こっているとても愉快な場所です。ほら、耳を澄ませば今日も何やら起こっています。
「待ちなさい!まだ話は終わってませんよ!」
「ちょ、待って待って!サクラ落ち着いて!」
「無理です!」
「無理!?いやいや、だからってカイハを振り回して追って来なくても!」
「うるさいです!なら早く捕まりなさい!」
「それだけは嫌だ!てかカイハもう気絶してんじゃん!許してやれよ!ついでに俺の事も許してくれよ!」
「」←白目剥いてぐでーっとなりながら口から泡吹いてるカイハ
はい、みんな大好き魔王様こと魔王ネルとその専属侍女にして多分ネル様より強いサクラさんです。サクラさんの片手には50メートルくらいある巨大な龍が白目剥いてグデーっとしてます。来たばかりの魔王城を歩き回っていたところを偶然通りかかったネル様を追うサクラさんに捕まったと言う不幸な少年カイハ君です。
彼はこの世界では他の者の追随を許さないほどの絶大な力を持つ最高位龍、銀河龍帝王なのですが、サクラさんの前ではただの大きな武器です。不憫で泣けて来ますね。
「ダメです!貴方昨日、私に黙ってカジノ行きましたよね!?そこで幾ら捨てたと思ってるんですか!」
「い、いいじゃんたった20万くらい!城には軽くこれの数千倍は金があるんだから!」
※魔王ネルのお小遣いは5000円。20万が何処からでたのかは言わずもがな。
「馬鹿なんですか!?以前貴方がマグラとヒョウとラフィルと一緒にカジノに行って大負けして帰って来た時に私、貴方達になんていいました!?」
「忘れた!」
「幾ら魔王様でもぶち殺しますよ!?」
あらあら、ギャンブルですか。魔王様も好きですね。因みにマグラと言うのは魔王軍の宰相を務める男で、ヒョウとラフィアと言うのは彼の部下の宰相秘書の事です。彼等は以前、魔王城から少し離れたところにある洞窟を入り口として、その下に広がる地下迷宮で見つかったカジノと呼ばれる場所に入り浸ってはお金を捨てていました。それに気付いたサクラさんがブチ切れると言う事件がありました。その後、ギャンブル狂いであったマグラさん達はギャンブルと言う言葉を聞くだけで身震いしてしまうほどに変貌してしまい、今では真面目に変態な人となっています。
……えっ?その時ネル様はどうなったって?大した事はありません、ただ一時期閉所恐怖症になったり、ドラム缶と水を見ると途端に泡を吹き出したりするようになっただけです。彼の身に何があったんでしょうね。
そんな魔王様ですが、未だに懲りずにカジノへ通っており、時折それがサクラに見つかってこうして追いかけっこが始まる羽目になります。蛇足ですが、この命懸けの追いかけっこでのネル様の勝率は現在0%です。
「マグラ助けて!」
城を始め、周囲の毒沼やその先の荒野にまで逃げ続けた魔王様は、遂に城へ戻って来てこの魔王城でレオ君と一二を争う頭脳を持つ宰相マグラさんの元に駆け込みました。どうやら部屋にはマグラさんの他にも秘書であるヒョウ君やらラフィルもいたようです。
「どうしました魔王様?何やらお疲れのようですが」
ネル様のこんな突拍子も無い突撃にも冷静に返す夢喰大淫魔のマグラさんは、読んでいた本から顔を上げてネル様のほうをちらりと見ました。その際ちらっと見えた本の題名は明らかにエロ本でした。ですがマグラさんが何故エロ本を読んでいるんだ?と言う疑問は、生物は何故呼吸をするんだ?と言う疑問と同じくらい当然の事なのでスルー。因みにネル様のお気に入りは触手プレイ系です。
「ちょ、匿って!サクラが激おこスティックファイナリティぷんぷんドリームなんだよ!」
「ああ、なるほど……さっきから聞こえていた轟音はサクラ様でしたか」
マグラさんは読んでいたエロ本をパタンと無駄に良い音を立てて閉じて立ち上がりました。
そしてネル様の事を持ち上げ、そのまま部屋の外へ投げ捨てます。
「えっ酷くない?」
ネル様が呆然として捨てられた子猫みたいになりますが、マグラさんは気にしません。
「サクラ様は怖いんだよ」
「うん、サクラ様は怖い。僕、魔王様とサクラ様だったらサクラ様につくね」
ヒョウ君とラフィル君は遠い目をしながら何かを悟ったように言いました。彼等は以前サクラさんのお仕置きを受けており、サクラさんの恐怖は十二分に知っています。それこそ、大好きだったギャンブルが、今では名前を聞くだけでトラウマが掘り返され震え出してしまう程に。
「いやいやいやいや!マジでシャレにならないんだって!サクラ、今カイハを振り回してるんだぞ!」
「ならもう早い所くたばって下さい。そしたら魔王軍は私がいただくので」
「黒い!黒いぞマグラ!」
「まーおーうーさーまー?」
「ヒィッ!きた!」
マグラさんの真っ黒発言に思わずツッコミを入れるネル様でしたが、背後から近付く修羅の足音にびくりと身体を震わせてしまいました。何故かギャリギャリと壁を削る音も一緒に聞こえて来ますが、ネル様にはそれに構ってる余裕がありません。
「あーもう!匿ってくれないなら勝手に隠れる!」
「のわっ!?」
「ふぎゃ!?」
「あ”あ”あ”あ”!?私のコレクションが!!」
そう言うとネル様は目にも止まらぬ速さで室内へと飛び込み、マグラさんのエロ本コレクションがある本棚を蹴散らしてその奥にある秘蔵コレクション部屋へと駆け込んだ。この間僅か3秒と言う早業です。その代わり近くにいたヒョウ君とラフィル君の脳天にネル様が撒き散らしたマグラさんのエロ本 (中々に分厚い)が幾つもぶち当たり、だいの男二人がエロ本に埋もれるという女性が見たらドン引きものの絵面が出来上がりました。
「って、なんで魔王様が私の秘蔵コレクション部屋を知ってるんですか!?」
マグラさんが悲鳴に似た声をあげますが、ネル様は秘蔵コレクション部屋の扉をがっちりと閉めて音一つ立てません。
バァーーーン!!
そんな時、遂にマグラさんの部屋の扉が乱暴に開かれました。恐る恐る振り向くとそこには般若も慌てて逃げ出す雰囲気をしたサクラさんと、そのサクラさんの手に引きずられるように持たれたカイハ君 (人間ver.)がいます。実にシュールですね。
「サ、サクラ様?本日はどのようなご用件で?」
マグラさんは冷や汗をだらだらと流しながら怒れるサクラさんに問いかけます。そしてその返答は……
バキィン!!
床を踏み付けひび割れさせる音でした。
「魔王様を出してください」
声はいつもと一緒、表情も何時もの美しい笑顔。しかし纏う雰囲気だけが全く違う。そんなサクラさんと相対したらどうなると思いますか?
「あそこですサクラ様」
マグラさんはあっさりとネル様を売り渡しました。まぁ仕方ないですよね。
扉の向こうでネル様がびくぅ!とした気がしましたが気の所為です。
「ありがとうございます」
サクラさんはお礼を言うと、マグラさんのコレクションを踏み付けながらずんずんと進み始めましあ。その度にマグラさんの顔が絶望に染まって行きますがサクラさんはそれに構いません。ヒョウ君とラフィル君に至っては自分からエロ本を手に取って必死に私は関係無いぞと装っています。
「魔王様?開けますよ」
声は穏やかに、しかしその背に魔神を背負ってサクラさんはゆっくりとネル様の隠れる扉を開けます。
ズドンッ!!
訂正、破壊します。
「のわっ!?」
扉の裏に隠れていたネル様はその勢いで思い切り吹き飛ばされ、奥にある棚へと激突します。そして、その上にぶつかった棚から降って来た大量の本がネル様に降り注ぎます。
「イテテ……って、これは!?」
起き上がったネル様は自分がぶつかった棚から落ちて来た本を手に取り、わなわなと震えました。
「超激レア物のエロ本、『王と臣下の秘密の淫愛』!」
そして、次の本へ。
「こっちは『陵辱の女騎士』!それにこっちは『真夜中の淫夢』!ええっ!?これに至っては最早伝説となっている最強のホモ物の『ガチムチ男と野獣の淫夢』!」
次へ次へと手に取って行くネル様は、顔に満面の笑みを浮かべて次から次へと手を伸ばして行きます。
「ここは天国かっ!?マグラってばこんなにたくさんのレア物を持っていたんだな!これは是非とも借りね「魔 王 様 ?」……あっ……」
そんなネル様の頭を何かガシッと掴みます。この場にいるのはネル様とネル様を追って来たサクラさんのみ。はい、これでもうお分りでしょうね。
「捕まえましたよ?」
ニコッと誰もが見惚れる笑みで言うサクラさんですが、ネル様にはその笑みが非常に恐ろしい化け物のものにしか見えません。
「さて、少しお話しましょうか」
ミシッ……
「あ、あのサクラ、さん?」
「なんですか?」
ミシミシミシッ……メキッ
「許しては貰えないでしょうか……?」
メキメキメキ……
「ダメです♪」
グシャリ
「ぎゃあああああああ!!?」
室内に響くはネル様の頭が握り潰されるえげつない音とネル様の悲鳴。ネル様は種族的にそれで死ぬ事は無いのですが、それでも痛みはあるのです。
「それではお騒がせしました♪」
「」←白目剥いて気絶中の魔王様
「」←白目剥いて気絶中のカイハ君
サクラさんは片手にネル様、片手に巻き込まれた可哀想なカイハ君を引きずってマグラさんの部屋を出て行きました。
「あっ、マグラさん、あの秘蔵のエロ本コレクション、私にも貸してくださいね♪」
「はい!勿論でございます!」
扉の前で振り返ったサクラさんは満面の笑みでマグラさんにそう言います。なんだかんだでサクラさんもそう言うものは大好きなので仕方ありません。
それに対するマグラさんの返答は、何故かビシッと敬礼をした何処ぞの兵隊みたいであり、その後ろで関係無いなずのヒョウ君とラフィル君も見事な敬礼をしています。
「ありがとうございます♪それでは失礼」
「」←白目剥いて気絶中の魔王様。遂に泡まで吹き出した。
「」←白目剥いて気絶中のカイハ君。いつの間にか何故か嬉しそうな顔になってる。どうやら新たな扉を開いてしまったようだ。
ズルズル……
どんどん音が遠ざかる中、マグラさんとヒョウ君とラフィル君はその音が一切聞こえなくなるまで敬礼をしていました。完全に調教されていますね。
音が完全に聞こえなくなると、マグラさんはくるりと振り返って、部屋の惨状を改めて見ます。その背中はとても小さく見え、見ているとこちらの方が哀れでなりません。
「……片付けるか……」
「「はい……」」
今にも消え入りそうな顔で言うマグラさんに、部下である二人の声も小さくなります。
しゃがみ込んだマグラさんは落ちている本を拾いあげ、一つ一つ丁寧にホコリを叩いて行きます。その姿からは本を大切にする優しい気持ちが見えますが、その対象がエロ本と言う事で全てを台無しにしていますね。
「はぁ……私のコレクション……」
悲しげにそう言って手に取るのは『淫靡な男達の花園』。
最低です、死んでください。
***
〜 一方その頃、魔王様は 〜
「あのーサクラ?俺はなんで全裸でベッドに縛り付けられているの?」
「さぁ?頑張って思い出してください」
「えっ?何その鞭とか蝋燭とか言った明らかにアレな無数の道具」
「ふふっ、なんでしょう?」
「えっ、ちょ、そんなジリジリ近付いて来ないd……」
\アッ、アッ、アッーーーーーー!!/
***
「いいなー魔王様」
蛇足ですが、カイハ君は完璧に新たな扉を開けました。
魔王は皆勤賞(`・ω・´)キリッ
さすが魔王!!そこに痺れる憧れるぅぅ!!
ちなみに私は友達が身分証明書をもってないという理由でBLのガチの奴を買ったことがあります。
お店には周りが全員女性で店員も女性で
こんなに買うのが恥ずかしいとは思いませんでした。やっぱりコミケのノリで買うに限るな(震え声)