負け犬ならぬ負け氷大狼
この小説は
氷月様が書いてくれました\(´・∀・`)/んバッ
私が若干修正しているので
私の作品とも言えるo(`・ω´・+o) ドヤァ…!
そして夜桜様の修正も当然はいって(ry
明日の昼の12時にこの話より先に書いてしまった私の閑話も投稿します//
魔王城地下……
そこには地下迷宮が広がっていて、未だ全貌は掴めていない。
今日も今日とて魔王軍の精鋭達が探索を進めていく中、前回の探索で行き止まりだと思われていた壁が崩れているのを発見した。
中を覗くと広い空間があり、奥からは緊張感が張りつめた空気が流れている……
過去の遺物だろうか、様々な形の木の台がある。
この時、探索隊の指揮を務めていた本来の氷大狼ヒョウは、この緊張感のある空気を知っていた。
「この感じ、剣闘士の賭けの雰囲気に似てるな……しかしそれにしちゃあ静か過ぎるぞ?」
どの人間が勝つか、ただそれだけに金を賭けて予想していたあの時はおかしい位の熱気を客も剣闘士も纏っており、一つ一つが緊張に満ちた剣闘士同士の闘い。
しかし、その場において必ず有った喧騒がこの場所には存在しない。
「珍しい、ここに生き物やってくるとは……」
後ろから気配も無く突然かけられた無機物の様な声にヒョウは、冷静に腰の剣に手を掛けて背後を振り向く事なく剣を振り払う。
このとき、いくら広い地下空間だからといって狼の機動性が優位となる場所ではない。またヒョウは氷大狼なのだ。その大きさはそこいらの魔物よりも並外れている。魔王軍ではそれでも気にならないサイズだが。そんな理由もありヒョウは人化していた。
人狼という種族がいるのだ。魔王軍にいるヒョウが出来ない道理はない。覚えた理由が人間のギャンブルをやりたい為というのは伏せて置くしかないが。
「っと、怖い怖い」
「お前は何者だ?お前からは生物の気配がしないぞ。それに、ここはななんだ?」
見るとそこにいたのは黒を基調とした服を着た青年であった。しかし、その者はとても人間とは思えない顔色をしている。そう、まるで精密なカラクリのような姿と言えば良いのだろうか。
「中々鋭い剣撃ですね。普通、後ろからいきなり声をかけられたら多少なりとも驚く筈なんですがねぇ……まぁ良いでしょう。 それと、ここはカジノと呼ばれていた所です。」
「カジノ?それはどんな場所だ?」
青年の服装や顔色に疑問を覚えつつヒョウは警戒を忘れずに聞き返す。
「おや、やはりわかりませんか。そうですね、賭け事する場所、と言ったらわかるでしょうか?」
「やっぱりか!剣闘士みたいな物だろ?」
「剣闘士……懐かしい言葉ですね。私が稼働していた頃には、廃れていた物です。まあ、賭けをする、という点では同じなんですが……ここはトランプと言うカードや、チップと呼ばれる道具を使って賭け事を楽しむ場所です」
そう言うと、青年は執事服の懐から長方形をした紙の束と丸い形をした平べったい物体を取り出した。
「これがトランプとチップです。口で説明するよりやってみた方が早いですね。其方へどうぞ」
青年の指し示す場所には豪奢な作りの椅子が一つのテーブルを囲んで幾つも並んでおり、ヒョウに指し示した場所と反対の席の一つに青年は座った。
「お前達は常に警戒をしていろ。俺が試してみる」
ヒョウは連れて来た部下達にそう指示をすると、自分は青年の座る席の前に腰掛ける。
「では始めましょうか」
やはり少人数で出来る物は少ないらしい。
青年が開始したのは
『ブラックジャック』
説明を聞いていた所
このゲームは
ディーラーとプレイヤーの二役でする物
(ディーラーは一人だが、プレイヤーは複数人が可能)
数字の合計を21に近い方が勝ち
(ただし合計が21を超えた場合は『バスト』つまり負けになる)
計算は数字通り、絵札の場合はA以外の絵札は10で計算
Aは11で計算 (Aを11で計算した時、合計が21を超えていたら1で計算する)
それを確認していると、青年はこう言った。
「しかし貴方も初心者…ひとまずこれだけのルールでしてみましょうか…」
無駄な意地を張ると良くない事を知っているヒョウは同意した。
「そうだな。流石に基本が出来てないのに小難しいルールもやったら訳がわからなくなる」
「よくわかっていらっしゃる…
さて、始めましょう。さっき渡したチップ、これを賭け金にします。まあ、今回は練習なので、チップはまた今度にしましょう」
賭けと聞くと、すぐにヒョウの魂に火が着いた
「いや、賭けようじゃないか。俺はそっちの方が覚えやすいからな。」
それを聞いた青年は呆れ返った
「貴方は…根っからのギャンブラーですね…
まあいいでしょう、では3枚を台の中心辺りに置いて下さい。」
ヒョウはそれに頷き3枚を置く。
青年はそれを確認し、カードを2枚渡して来る
「まず、カードを2枚配ります。
私は1枚づつ表と裏を向けます、
貴方は2枚とも表を向けて下さい。」
ヒョウはそれを聞き数字を確認する。
「JとQか…合計20だな。中々良い数字じゃないか?そしてアンタは…5か」
「確かにそうですね…私は中々厳しいカードを引いた様です。貴方はそのカードで勝負しますか? するなら『スタンド』と言って下さい。」
「おお、スタンド。厳しいってなんでだ?」
「ブラックジャックの今私がしている、ディーラーと言う役は合計が17以下の場合は必ずカードをヒット、つまり引かないといけません。
そして、17以上だった場合はそれ以上引けないのです…」
ヒョウは疑問に思った事を聞いてみる。
「つまり…絵札を引いてもまだ引かないといけないのか…しかしそれだとディーラーは勝ち目が薄くないか…?」
「確かにその点だけを見ると勝つことは難しいです…
ですが、実はディーラーとプレイヤー、双方がバストした場合、無条件でディーラーの勝ちになるんですよ」
青年は悪戯っぽく言う。
それを聞いたヒョウは再確認した。
「じゃあ俺は21に近付けつつ21を超えちゃいけないんだな?」
「ええ、そうです。さて、私のもう一枚のカードを確認しましょう」
ヒョウの顔が若干の緊張を覚える。
ペラッ 微かに響くカードを捲る音
「A…当然17以上ではないのであと1枚ですね。」
青年は重ねてあるカードを取る
「そして…ああ、8ですか… 私は合計21を超えたので貴方の勝ちですね」
台の中心に置いた倍の数、6枚を返された。
「やっぱギャンブルは楽しいな!今回はもう帰る。あんまり他の奴らを待たせるのもアレだしな」
「おや、そうですか…今回は、という事は次回もあるのですね?その時は今の時代のお金で良いので持ってきて下さい。チップもタダではありませんので」
「ああ、わかってるさ。お前ら、そろそろ引き上げるぞ!」
警戒をさせていた部下達に声をかけ、引き上げていくヒョウ達。
少し遠くなった所で後ろから微かに聞こえた声。ヒョウは聞き取れなかったが青年はこう言っていた。
「次回は是非お仲間の方々もお連れ下さいね…?」
ヒョウは勝った。
勝ったつもりでいた。だが初めてのギャンブル。そして精鋭とはいえ探索に疲れていたヒョウはすっかり忘れていた。ディーラーは最初に説明したAは1にも11にもなるということ。青年は次に引くはずだったカードを捲る。7。これで合計の数字5・1・8・7で21。青年の勝ちである。しかしだ。ギャンブルというのは勝った余韻が更にのめり込ませる。ましてや、ここでヒョウが1人が大負けしてもヒョウだけは来るだろうが、負けが込んでるギャンブルを説明するものはいない。
未知なるギャンブルで勝ったからこそ上機嫌で友人など親しき者に話をするだろう。
例え話をされた者がやってみてつまらなかった場合でも
相手が上機嫌で面白おかしく語る未知なる遊びに興味を抱かない者はいるだろうか?いや、いない。
なにかしらの好奇心が滲み出るのが普通である。
その後、熱く語る氷大狼(笑)は魔王軍をどんどん連れてきて
自身は盛大に負けが込み口八丁で宰相を丸め込み軍の資金に手をつけお仕置きを受けることになった。
ゲームのグループなので
イベントが来ると更新が遅くなるという。
それだけじゃなくて若干ゲームが【変態グループはゲームの話をせずに盛り上がっている】過疎っているので新しいキャラはなかなか増えないかも。
と思ってたら2人ほど増えそうです(ニッコリ)