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※毎日午前一時更新です。

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 梯子の上で木槌を振るう。

 叩くのは釘。打ち付けるのは板。土台になっているのは、屋根だ。

 この作業を朝から続けて、もう太陽は頭の真上ほどにいるが、そのおかげで完成も近い。

「あとはこの一本を……」

 そう思うと感慨深いものがある。気持ちも多少、高揚してくるというものだ。

 そんな時、声が聞こえた。屋根の下から。

「バイトー、まだかー」

 聞き慣れてはいないが、初対面ではない女性の声。

 呼ばれはしたものの振り向きはせず、慎重に釘の位置を定めながら、こちらも声だけでそれに答える。

「もう少しですよー。というか、俺にはクエストって名前があるんですから、いい加減に覚えてくださいよ」

「うっさい。いいから早くしろー。開店できないだろー」

「わかってますって」

 そんな会話を交わしながら、また木槌を振るう。

 やがて釘の頭が板の中に埋まったところで、男――クエストは額を拭った。

「よし、完成だ!」

 急ぎ梯子を降りて、見上げる。

 その出来に、彼は我ながらよくやったと満足そうに頷いた。

 巨大な建物の、大きく開いた入り口の上。そこに取り付けたのは、これも大きな看板。


『ファンシーマジックブックストア・魔本堂』


 それが本日新装開店する、この巨大本屋の店名だった。

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