敵、20フィート先
夜、リブリーザーのマウスピースをくわえ水中スクーターを貨物船に向かって操作する。水中スクーターに搭載されている装置に貨物船までと、現在位置が表示され、頭上に船底が見える。
水面まで上昇、鉤付きロープを投げ込む。ロープを手繰りながら乗船、周囲を警戒しながら防水パックされた騎銃と9㎜拳銃、暗視装置を取り出す。
「第一一強襲隊、乗船に成功。これよりA隊はブリッジの制圧、B隊は機関室の制圧と確保に移る」
無線で連絡し、二手にわかれる。船員から得た情報から、機関室に機関長と船員が一人、船長と航海士がブリッジの操舵室にいるとのことだった。
ギッ、ギギィ…
錆び付いた音を経てながら水密扉が開かれる。
「入口クリア…」
騎銃から9㎜拳銃に持ち替え、ブリッジに入る。中は照明が着いていた。
そのままブリッジの下部を捜索していた時だった。
「ウオオオオオオアア!」
こちらに気づいた海賊がマチェットを振りかざしながら近付いてくる。
パパン!
9㎜拳銃のダブルタップを浴びせる。しかしその動きは止まらない。
パパン!
4連射目で動きが悪くなる。もう一度ダブルタップを浴びせるとそのまま倒れて動かなくなる。
「なんだぁ…?」
必要以上の弾数を消費して倒したことに疑問の声をあげる。だが、それ以上口に出すのをやめ、捜索を再開する。
ブリッジ内の船員室を捜索していたところだった。
「これは…」
部屋のなかにあるテーブルに粉末の入った袋が置かれていた。
「おそらく麻薬か似た物だろう。証拠として少量回収しておいてくれ」
宮崎がすぐにビニール袋に入れて回収した。
『こちらB隊、1名排除。通信機とみられる物を回収した。できる限り情報を集める』
「了解、こちらは1名排除、その後船員室で粉末を回収した。恐らく麻薬か似た物と思われる」
回収をした後、操舵室への階段を上がりながら突入の準備をする。
「こちらA隊、操舵室前にて突入準備完了。B隊の状況はどうだ」
『こちらB隊、同じく機関室前にて突入準備完了』
「了解。第一二強襲隊へ、第一一強襲隊はこれより突入を開始する。突入を開始し次第すぐに接舷し、支援に当たって欲しい」
『第一二強襲隊了解!』
東山が渋い声で返答をする。
フラッシュバンのピンを抜く。
「突入まで5、4、3、2、1、突入!」
フラッシュバンを投げ込む。
バーン!
操舵室内に突入。中にいた海賊に向けて引き金を引く。
キシュ!キシュ!キシュ!キシュ!
「レフトサイドクリア!」
「ライトサイドクリア!オールクリア!」
『機関室内クリア!船員の捜索を続行!』
B隊の落合から敵排除の報せが。
「操舵室内クリア!」
『こちら第一二強襲隊、移乗に成功!』
東山からも。
「いた、船長だ。航海士も!」
宮崎がすぐに船長を見つけ出し、拘束を解く。
「こちら第一一強襲隊、海賊に占拠されていた貨物船を解放した!」




