小さな舟と大きな船
高山「フォークリフトのMOS、持ってる?」
東山「1t以上のやつなら」
強制捜査から数日、以前から予定されてた、シージャック対応訓練を受ける場所へ移動するために、ホームベースである浜松基地の駐機場にいた。
独立作戦群航空隊所属のC-2輸送機が後部ランプドアを開放し、荷物の積込をおこなっていた。
「オーライ、オーライ、オーライはいストップ!」
OD色のフォークリフトを操作する東山を輸送機の中から誘導をする。
「荷、下ろせ」
所定の位置に荷を載せたパレットを置く。フォークリフトを移動させて、パレットを固定するための金具を床に装着する。
「固定具よし」
指差し確認をして次の荷物の積込にはいる。
「浜松タワー、こちらキャリー1。まもなく東京コントロールの管制下に入る」
機長がヘッドセットのマイクで、浜松基地の管制塔と交信していた。
「隊長さん、目的地には指示通りの時間でいいんだな?」
交信を終えた機長がこちらを向き、予定の確認をする。
「そうだ、指示した通りに到着してくれ」
「了解、それじゃあ到着するまで空の旅をお楽しみください」
機体後方のキャビンに移動、あらためて渡された資料を確認しながら外の景色を見る。その資料には、海賊等に乗っ取られた貨物船などの民間船を解放する訓練の概要が書かれていた。搭乗している機が向かう場所はアデン国際空港。派遣されている護衛艦が停泊する場所である、アデン港に程近い。
数時間後、操縦席の機長がまもなく到着すると、教えてくれた。
窓から外を見てみると、先程よりも高度が低くなっていた。
機が傾き、着陸体制に入る。そして着陸。
『機が駐機場に到着しました。後部ランプが開放され次第、地上に降りてください』
ロードマスターが後部ランプドアを開放する。すると途端に暑い空気が肌を撫でる。日本よりも赤道に近いためだ。
「長時間の飛行、御苦労様です」
アデン港から来た海上自衛官が待っていた。
「陸上自衛隊独立作戦群、第一一、及び第一二強襲隊到着しました」
「早速ですが移動しましょう。ここじゃあ暑くて説明しにくいですから」
3 1/2tトラックの荷台に乗り込み、アデン港へと移動する。
しばらく走ると、アデン港の岸壁に接岸している護衛艦が見えた。
「護衛艦いかづちです。今回の訓練は主にあの艦内で行います」
いかづちを指しながら説明する。
「主にってどのぐらいを?」
「座学、それと少しの実技訓練です。残りの実技は民間船舶を使っての訓練です」
この訓練、陸上自衛隊と海上自衛隊の交流も兼ねていた。
3 1/2tトラックが停車、タラップを使っていかづちに乗り込む。その後、いかづちの艦長や副長などに挨拶をし、訓練が始まった。




